マルジェラの内タグ(品番)から判別するシーズン、年代について

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こんにちは。ブランド古着のKLDです。今回は、マルジェラの内タグから判別するシーズンについての記事となります。1989年に設立され、現在まで非常に高い人気を誇るメゾンマルジェラ。

長い歴史の中でデザイナーなどが変わったブランドということもあり、

  • 自分の持っているマルジェラがいつ発売のものか知りたい!
  • ガリアーノのマルジェラじゃなくてちゃんとマルタンさんが作ったマルジェラを買いたい!

と思われている方も多いと思います。

今回は、

  • 「マルジェラ」とはそもそも何なのか
  • 内タグから判明する年式の判断について
  • マルジェラの二次流通市場での評価

をご紹介していきたいと思います。

情報は随時書き足していきますが、判明していない部分は割愛することがありますことをご了承ください。

「マルジェラ」という概念

そもそも「マルジェラ」と呼ばれるブランドの発端となったのは、ベルギー人ファッションデザイナー「マルタン・マルジェラ」が、自身の名を冠して始めたブランドでした。

表裏が逆さまになったインサイドアウトのデザインや、服の縫い目をほどいてバラバラにし、再構築したデザインなどで、「脱構築」という概念をファッションに持ち込みました。

創始者のマルタン氏は、1989年春夏から2009年春夏までメゾン・マルタン・マルジェラ(Maison Martin Margiela)に在籍し、デザインを担当していたがそれ以降ブランドには関わっていません。

その後、ブランドとしての「マルジェラ」は、デザインチームがデザインを担当していたり、マチュー・ブレイジー氏がヘッドデザイナーであると発表される等の遍歴を経て、2014年にジョンガリアーノ氏を迎えました。

簡単にまとめると以下のようにデザイナーが交代しています。

  • 1989年春夏〜2009年春夏 創業者マルタン・マルジェラ期
  • 2009秋冬〜2015春夏 デザインチーム期
  • 2015年秋冬〜 ジョン・ガリアーノ期

ジョン・ガリアーノが就任した際、ブランド名も「メゾン・マルタンマルジェラ」から「メゾン・マルジェラ」へと変更されています。

我ながら懐古的ではありますが、マルタン氏本人がデザインしていたころまでの「マルジェラ」と、それ以降の「マルジェラ」は全くの別物だと言っていいかもしれません。

特にジョンガリアーノ氏が就任し、「メゾンマルジェラ」にブランド名を変えた以後のマルジェラは、恐らくマルタン氏があえてやらなかったであろう事を次々と解禁しました。
(タビブーツのメンズ展開、そもそもブーツ以外の靴へのタビデザインの拡大、エイズTシャツを過剰にアイコン的な存在とし、Tシャツ以外に展開する、ブランドタグを縫い留める4本のステッチの過剰なアイコン化…など。)

マルタン氏本人のマルジェラに惚れていた往年のファンは、これらのある種野暮な商品展開を涙を飲んで静観していた部分もあるのではないかと思います。

しかし、ガリアーノ氏もマルジェラに就任してしばらく経ち、コレクションにおいては評価を盛り返して来た感があります。

「別物」と感じつつも1つのブランドとして、マルジェラがどのように展開していくのか見守っているユーザーも多いのではないでしょうか。

しかしこのように「マルジェラ」という響きには、創始者であるマルタンマルジェラの存在は今もなおとても大きく、多くの人に強い影響をあたえています。

そんな「マルジェラ」というブランドを中古で購入、自身で着用するにあたって、「マルタン氏本人がデザインしたものが欲しい」と思った時に、しっかりと判別できるよう、次の章では内タグからシーズンを確認する方法をご紹介したいと思います。

もちろん、「マルタンマルジェラ本人がデザインした古いものよりもガリアーノのマルジェラが欲しい!新しいものを判別したい!」という方にも有用な知識なので、そういった方もご参考にしていただければと思います。

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内タグから推測する年式について

まず、マルタンマルジェラの日本代理店の表記ですが、
「表記なし」→「オリゾンティ」→「KOKONOE」→「ここのえ」→「スタッフインターナショナル」→「マルジェラジャパン」
と、これまで推移しています。
ここからはそれぞれのタグを写真と共にご紹介します。

青タグ時代(1996AW頃〜1998SSまで)

「青タグ」時代と呼ばれるこの頃のマルジェラは、代理店表記がなく、青い文字で印刷されているのが特徴です。

明確にオリゾンティが日本代理店になる前のタグになります。

この青いタグは1996年ごろからの製品に付けられていることが確認されており、1998年の春夏シーズンまで付されていました。
98年春夏シーズンでは、次に紹介するオリゾンティタグと混同していた時期があります。

オリゾンティ時代(98SS頃~00SS)

まず、内タグにオリゾンティの名があれば、ほとんどの場合90年代のものと推測ができます(00ssまでがオリゾンティタグ)。

株式会社オリゾンティは、1991年に、株式会社ワールドの婦人第二事業部オリゾンティ部を分社化するかたちで設立されました。

その後、マルジェラやヴィヴィアンウエストウッドなどの海外ブランドの輸入代理店とオリジナルブランドの展開を2軸にして経営。

2001年には伊藤忠商事の傘下となり、現在はサンラリー株式会社のグループ会社となっています。

この時期を含む、初期のマルジェラの内タグには、マルタン氏を支えたニットデザイナー、”MISS DEANNA”の名が記載されていることも多くあります。


”MISS DEANNA”タグ

MISS DEANNAとは、Maison Martin Margielaで1990年代初頭から2000年初頭までニットとカットソーを製作していた女性アーティスト。

1964年に制作活動をスタートしながら、有望若手デザイナーのサポートもしていました。

資金の関係でコットンのみを使用したMaison Martin Margielaのデビューコレクションでしたが、このMiss Deannaの協力があったおかげで、1992年頃からでもニットの製造が開始されたそうです。
1990年代後半から04年頃までのアイテムについているとされています。(したがってオリゾンティ期以外にも見られます。)

この時代の発売年の特定

この時代の更に詳しいシーズンの見方は、この画像でいえば丸を付けた部分の「COMM 00014/001」と表記のある部分にあります。

一番後ろの「001」がシーズンを表しています。

まず頭の「00」が年代の末尾2ケタ(この場合は2000年の00を表します)、一番末の「1」は春夏シーズンのものであることを表しています。(秋冬シーズンのものは「2」)

したがって、上記の画像のシーズンは「2000年春夏シーズン」のものであることがわかります。

KOKONOE時代(00AW~01AW)

会社としてはこの後ご紹介する「ここのえ」と同じ会社ですが、初期は表記が「KOKONOE」となっています。

こちらは2000年の秋冬シーズンから2001年秋冬までの短い間のみ使われていたタグになります。

この「ここのえ株式会社」は、フランスでマルジェラを運営している「ヌフ社」、「三菱商事」「オリゾンティ」が共同出資で1999年に設立した輸入販売会社です。

ここのえ時代(02SS~08AW)

2002年春夏からは、「KOKONOE」時代を経て、輸入代理店自体は変わりませんが、表記がひらがなの「ここのえ株式会社」という表記に変わります。

タグ別付け時代(02SS~04AW)

20SSから04AWまでは、代理店が記されたタグと年代を判別できるタグは別々に、計2枚で付けられていました。

1枚のタグ時代(05SS~08AW)


2005年春夏から会社表記と年代を表示しているタグが一つになりました。

「ここのえ株式会社」

の下に年代識別のできる「COMM. 01767/01/0071」という表記があります。

この部分でシーズンの特定が可能で、この頃から一番後ろの数字が4ケタにはなりましたがシーズンの読み方は変わりません。

上の写真のタグの場合、末尾の数字が「0071」ですので「007」=2007年、「1」=春夏 を表しており、「2007年春夏シーズン」のものであることを表しています。

ここのえ株式会社 「MAISON MARTIN MARGIELA」表記(09SSのみ)

この2009年春夏シーズンのみ、この形式のタグの形で、これまで下部に書かれていた「MARTIN MARGIELA」という文字が「MAISON MARTIN MARGIELA」と表記されていました。

ちなみにこの前後に創始者であるマルタンマルジェラ氏が退任したのではないかということで(正式な発表は無し)、ブランドのデザインチームがマルジェラを受け継いでの節目となっていたようです。

ここのえでカレンダー表記(09AW~11SS)

次に、代理店はここのえのままですが、マルジェラの象徴であるカレンダーが、内タグにも表記されるようになります。

(株)スタッフインターナショナルジャパン(11AW~15AW)


2011秋冬シーズンから、輸入代理店が(株)スタッフインターナショナルジャパンという表記に変わります。

また、このタグから年代識別の数字が変わっています。

上の画像の番号は「Com. 02PR/2011/2604-2011 02」。

一番端まで行って、右から2桁の数字がシーズン、その左の4桁の数字が年代を示しています。

したがって、この画像のタグは「2011年秋冬シーズン」のものであることがわかります。

ちなみに、2011年秋冬のみ「ここのえタグ」と「スタッフインターナショナルタグ」が混在しています。

したがって代理店表記のみで年式を判断しようとせず、品番も見たうえで年式を判断するのが大切なポイントになります。

ブランド名が「MAISON MARGIELA」に変更される(16SS~17AW)


ブランドの大きな節目として、2015年1月にジョン・ガリアーノ氏がクリエイティブディレクターに就任しました。

それに伴い、ブランド名が「MAISON MARTIN MARGIELA」から、「MAISON MARGIELA」に変更になり、少し遅れて2016年春夏シーズンから、それが内タグにも反映されました。

株式会社マルジェラジャパン(18SS~)

2018年から代理店表記が「株式会社マルジェラジャパン」という表記になります。

前の表記であった(株)スタッフインターナショナルジャパンのグループ会社で、マルジェラを取り扱うために分かれた会社となっています。

この表記は現在も進行中で、この表記であれば2018年春夏シーズン以降、更に品番も合わせれば正しい年式が判別出来るようになっています。

マルジェラの二次流通市場での評価

この記事を読んでくださっている方に、今更マルジェラの二次流通市場での評価の高さをお話しするのも野暮かもしれませんが、一応お話します。

皆さんもご存じのとおり、今回ご紹介したようなマルジェラの年式の古いもの(マルジェラ本人がデザインしていた頃のもの)は当然中古市場では非常に評価が高く、オークションなどに貴重な当時の商品が出品されれば争奪戦になるのではないかというほどに、欲しがっているユーザーが多くいます。

もちろんアイテムによって評価は異なり、名作と言われるようなアイテムやコレクションのものは非常に金額が高騰したりもします。

また逆に、ガリアーノ氏が就任してからの新しいマルジェラであってもまた違った需要があります。

他のラグジュアリーブランドと同じように、「高いブランドのアイテムはなかなか新品では買えないけど中古で状態の良いものがあれば欲しい!」というユーザーの需要は絶えませんので、こういった新しいマルジェラのものも中古での売買では人気があります。

このように、他のファッションブランドとは一線を画すと言っても良いほどに「マルジェラ」というブランドは熱狂的なファンに支えられており、二次流通市場ではただの中古の服という以上の価値を持って評価され続けている稀有な存在といえるでしょう。

ブランド古着買取専門店KLDでは、マルジェラを高価買取しています

ブランド古着買取専門のKLDではマルジェラの買取に力を入れています。

メゾンマルタンマルジェラのお買取りについてはこちらからもどうぞ。

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KLDではこれらを買取する際、中古市場での評価に関する知識や、的確な状態のチェックに沿って買取の評価を行っています。

それに加え、タビブーツがまだ女性のみの展開だった頃から海外に遠征して購入し、自身で履いていたほどに濃いブランドのファンである男性査定士がしっかりとお値付けをします。

このように、知識の深い限られたスタッフのみが特定の査定にあたる事は、小さな会社だからこそ可能なことかと思います。

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また、こちらの記事でもKLDが高価買取ができる理由を説明しています。
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