マメクロゴウチ 職人へのリスペクトから生まれる美しさ | Mame Kurogouchi

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こんにちは。ブランド古着のKLDです。

綿密に設計された、まるで建築のような大胆な編み模様の服たち、野原からそのまま摘んできたような生き生きとした風情のある花の刺繍…

マメクロゴウチは、デザイナーの黒河内真衣子さんが「現代社会における戦闘服」をテーマに立ち上げた、レディースブランドです。

極端に繊細だったり、逆に大胆な造形のデザインが多いこともあり、工場や職人さん達とかなり近い距離感で物づくりをおこなっているブランドです。

そんなマメクロゴウチが5月25日、ユニクロとのコラボレーションを発表したということで、意外に感じた方も多いのではないでしょうか?


Fashion Pressより引用

筆者もその一人で、ブランドイメージとして「服を作る職人一人一人を大切にする」というポリシーのマメクロゴウチが、良くも悪くも大量生産でコストを下げて安価ながらクオリティを維持したアイテムを販売するユニクロと組む、ということでかなりイメージ的には相反する2つのブランドなのでは…と感じました。

コラボレーションアイテム自体はマメクロゴウチが定番で展開しているような、肌馴染みのよさそうなブラウンやブラックのエレガントなインナー類が中心のようで、イメージビジュアルもとても素敵でしたね。

ユニクロのコラボアイテムについてはこちら(ユニクロの公式ページへ)

ブランドの相反性云々は別として、コラボレーション自体は楽しみにすることが出来そうです。

今回は、そんなマメクロゴウチの根幹ともいえる、職人へのリスペクトをテーマにお話をしたいと思います。

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全国の職人、工場との協業

マメクロゴウチのデザイナーである黒河内真衣子さんのインタビューを読むと、かなりの高確率で職人さんや工場の方とのエピソードが出てきます。

それもそのはず、マメクロゴウチというブランドは、物づくりに際して工場や職人とかなり密に連絡を取り合ったり、工場に直接出向いて話をしたりなどして、二人三脚ともいえるような協力体制で服を作っています。

マメクロゴウチのデザインの特徴である複雑な刺繍や、立体的な造形、独特なカッティングなど、工場に黒河内さんが直接出向いてお話しをされ、実現したいことを伝えていくそうです。


Fashion Pressより引用。立体的な刺繍が特徴的なコレクション

また、黒河内さんは工場などに直接出向く際に、旅をするように全国をまわることでも知られています。
あるコレクションの時などは、一冊の小説をお供に東北地方へ行き、小説から得たインスピレーションや旅先で出会った伝統工芸、風景、その他色々なものからコレクションテーマやデザインのアイデアを作るなどもしていました。

本人曰く、「色々な場所にふらふら行く」そうで、旅先で偶然出会った素敵な事象を逃すことのないよう、気になるもの、人などに出会うとすぐに連絡を取ったりなどしてコネクションを作るそうです。

そこから実際の物づくりに繋がったりなど、マメクロゴウチというブランドは、デザイナー黒河内真衣子が出会った様々なことが、本人のフィルターを通して作品に仕上がっていくというような形になっているといえるでしょう。

そんな中で、実現したいアイデアによって様々な工場や職人と協業し、時にはこだわりが強すぎて「勘弁してくれ…」などとも言われながら、協力して物づくりをする姿勢は、どこか古き良き日本の伝統工芸や手工業の物づくりにも通じるものがあるように感じます。

また、マメクロゴウチのアイテムの生産は、全てを日本国内でおこなっています。

これまでの話を聞くと当然日本製へのこだわりが強く、国内の工場に限定して制作をおこなっているのかと思われるかもしれません。

しかし黒河内さん曰く、「良いものを作る事が出来ればどこでも良い」そう。

「メイドインジャパン」に過剰に固執はせず、しかし「せっかく良い技術を持った職人が身近にいるのだから日本でやっている」とのことで、作品づくりに真摯に向き合った結果として国産のクオリティの高い物づくりを実現しているといえます。

そういった様々なこだわりが重なり合って、マメクロゴウチというブランドはデザイナー黒河内真衣子さんが出会った色々な美しいものと、全国の工場、職人さんの持つ技術が融合して出来た、稀有なブランドとなっています。

アトリエプロジェクトという施策

そんなマメクロゴウチですが、2019年11月に、ブランド「TARO HORIUCHI」や「th」を展開する株式会社TARO HORIUCHIと共に、アトリエプロジェクトと題し、共同で11月に縫製会社を設立しました。

TARO HORIUCHIの代表である堀内太郎さんと黒河内さんは、共に年々規模が縮小する日本のものづくりの現場に対する危機感を共有していたとのことです。

そこで、日本の高い技術力を継承しつつものづくりが継続出来る環境を整え、より精度の高いコレクションを製作していくことを目的にプロジェクトを立ち上げたとのことです。

新会社を設立してからは、まずは杉並区高円寺の縫製工場を借りるという形で事業を開始。

縫製業に約50年従事した職人から縫製技術を学びながら、TARO HORIUCHI、th、マメクロゴウチの3ブランドのサンプルと量産の縫製から取り組んでいます。

そもそも縫製業という職業は、本来なら年齢を重ねても技術が身についていれば長く続けることの出来る職業だそうで、熟練の技術を持った職人さんというのは日本に多くいるそうです。

しかし、その技術者の方々が皆さん現役で活躍されているかというとそういったことも無いのが現状。

年齢を重ねて、技術者としてだけではなく、自ら会社を立ち上げて経営をされている方なら良いものの、そうではない方は活躍の場が少なく、自分の技術をまだ世の中のために使いたいのにその機会がない…ということは多くあるそうです。

そういった方々の技術は申し分なく、それを活かさない手はない、ということで、今回のプロジェクトに至ったということです。

また、熟練の職人さんの技術を習う「教育」の場としても機能させていく狙いがあるそうです。

正に、職人さんへのリスペクトが無ければ生まれないプロジェクトと言え、非常に価値のある事業といえるでしょう。

今後の動向がとても気になる事業として、KLDとしても注目していきたいと思います。

ユニクロとのコラボレーションという衝撃

2021年5月25日、マメクロゴウチとユニクロがコラボレーションをおこなうというニュースが発表されました。

冒頭でも少し触れたとおり、筆者はやや衝撃を受けたというのが事実でした。

ここまでお話した通り、マメクロゴウチというブランドは小さな工場や職人さんの1人1人を大切にていねいな物づくりをおこなうブランドのイメージが強く、ユニクロが大量に商品を生産し、その中でクオリティを保っていることと相反するような気がしたためです。

もちろんユニクロの経営や生産が悪いというわけではなく、両者の生産スタイルに大きな隔たりがあるためそのようなイメージに至ったということです。

しかし、今回の商品展開は複雑なディティールなどは廃したインナー類が中心となっており、マメクロゴウチもブランドとして確固とした意図やポリシーがあっての企画なのだと感じました。

ユニクロの価格でリーズナブルにマメクロゴウチというブランドの魅力的な世界の入口に触れることが出来るとなれば、とても魅力的なコラボレーションであることには変わりありません。

これを機に、マメクロゴウチを知らなかった人がその世界に触れるというのも素敵な出会いといえるでしょう。

この企画が第二弾、三弾…と続くのかどうかはわかりませんが、こちらも注目していきたいトピックとなっています。

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最後に

ここまで読んでくださり、ありがとうございます!

マメクロゴウチはアイテム自体がとても美しい工芸品のようで見ているだけで楽しく、KLDのスタッフの中にもファンが多いブランドです。

KLDでは、マメクロゴウチのアイテムを買取強化しております。

ていねいに作られたマメクロゴウチのアイテムは二次流通市場でも価値が落ちにくく、発売からある程度年月が経過したものでも強気のお値付けが可能です。

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