山葡萄の籠とは|文化と歴史

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引用instagram@kagoya_official

こんにちは。ブランド古着のKLDです。

山葡萄の樹皮を用いて、熟練の職人が丁寧に作り上げる「山葡萄の籠」。

古くから日本人の生活に欠かせない日用品として愛用された山葡萄の籠は、やがて独自の文化を築き、伝統工芸品として認識されるようになりました。

今回は、

  • 山葡萄の籠とは
  • 山葡萄の籠の歴史
  • 山葡萄の籠の特徴
  • 山葡萄の籠の多彩な編み目
  • 国産と中国産の見分け方
  • 山葡萄の籠と関わりのあるブランド

という形でお話していきます。

今や“憧れのかごバッグ”とも言われている山葡萄の籠。
他の素材で作られた籠とは一味違う魅力を知ることで、より山葡萄の籠の関心が深まるかと思います。

山葡萄の籠とは


引用kagoami.com


引用instagram@kagoya_official


引用suzuki-kago.com

ナチュラルなイメージが魅力の「籠(かご)バッグ」。

日本では伝統工芸のひとつとして、熟練の職人が手仕事で作り上げる「山葡萄(やまぶどう)」を素材としたかごバッグが知られています。

山ぶどうの樹皮で作った山葡萄の籠は、耐久性に優れていることから一生ものとして愛用可能。

やわらかな色合いからだんだんと色濃くなっていく、経年変化も楽しめるアイテムです。

また、四季を通して使えるほか、着物にもカジュアルなコーディネートにも合わせられ、マルチに活躍します。

山葡萄の籠の歴史

実の部分は食用として、樹皮は籠用として使われてきた山葡萄。


山葡萄の樹皮は通気性が良いので日用品の籠として最適 引用kagoya-onlinestore

もともと山葡萄の籠は、農作業や家事、山仕事などに使う日用品として作られていたものです。

その原型は縄文時代まで遡るとされていて、東北地方にある遺跡からは数多くの籠類が出土しています。

そもそも山葡萄自体が縄文時代からある植物で、古くから強度のある丈夫な材料として活用されてきました。

特にかつての東北地方では、大量の積雪で農作業ができない冬の間、山葡萄の樹皮を用いて日用品を作るといった生活を送っていたそうです。

江戸時代にはその耐久性の高さから、山葡萄の籠を運搬用の入れ物として重宝されていました。
また、一つ一つ手作業で作られる丁寧で美しい作りから、美術工芸品としても認識されていた山葡萄の籠。


明治時代の山葡萄の掛け花入(美術工芸品としても親しまれていたことが伺える)引用rcnir.com

やがて独自の文化を築き上げ、明治時代には技術の向上とともに全国的に広まりました。

そして、その技術は脈々と受け継ぎ、様々な編み模様も生み出され、何世代にも渡る伝統的な工芸品として価値を高めていったのです。

山葡萄の籠の特徴


直径約10㎝のものまである山葡萄の蔓は非常に生命力があり堅固  引用yamabudoututui.com

山葡萄はほかの草木の蔓(ツル)と比べて耐久性が高く強度に優れているため、ロープや吊り橋の素材としても使用されています。

そんな山葡萄の蔓から取れる樹皮で作った籠は、とても頑丈なのが特徴です。


左が新品、右が約40年使用したもの 引用envelope.co.jp

山葡萄の蔓から出る油分によって、時間の経過とともにレザーのようなツヤが増し、滑らかな質感へと変化していくのも魅力的。

丁寧に扱えば100年も持つ素材なので、親から子へ、子から孫へと世代を超えて受け継ぐことができます。

また、山葡萄の蔓は一年のうちでもほんのわずかしか取れない希少な素材です。

年々材料も減り、職人も少なくなってきているため、現在山葡萄の籠は希少価値の高い憧れの存在となっています。

山葡萄の籠の多彩な編み目

山葡萄の籠の編み方はさまざまで、花結び編み、みだれ編み、亀甲編み、鉄線編みなど、編み方によってニュアンスが変わるのも注目ポイントです。

ここからは、山葡萄の籠の多彩な編み目を一部紹介します。

花結び編み


引用instagram@kagoya_official


引用instagram@kagoya_official

約3mm前後に仕立てた細い蔓を使い、花模様を編み込んだ「花結び編み」。

限られた職人しか扱うことができない稀少な編み方です。

花々の愛らしさと柔らかな曲線が女性らしさを演出します。

みだれ編み


引用1no1.jp

野性味を感じる編み方の「みだれ編み」。
やたら編みと呼ばれることもあります。

太さの違う蔓や節のある蔓をランダムに編む方法です。

みだれ編みは、数ある編み方の中でも特に個性的な表情が楽しめます。

亀甲編み


引用fujingaho.ringbell.co.jp

六角形の模様を亀の甲羅に見立てた「亀甲編み」。

縁起のよいものとして古くから愛されてきた技法のひとつです。

繊細な表情が美しく、規則正しい編み目がモダンな雰囲気を生み出します。

鉄線編み


引用jokogumo.jp

美しい小さな六角形を作り出す「鉄線編み」。

編み上がりの模様が花のクレマチスを思わせることから、クレマチスの別称である鉄線と名付けられました。

風車のような模様で可愛らしさがありつつ、どこか上品さが漂う編み方です。

国産と中国産の見分け方

山葡萄の籠を見慣れていない方にとっては、国産か中国産か判別が難しいかもしれません。

同じ山葡萄でも、日本産と中国産では性質が異なります。

外国産の山葡萄は「紙」にたとえられ、国産の山ぶどうは「ゴム」にたとえられるほど、その強度には差があります。

国産の山葡萄を使った籠は、かなりの力で引っ張っても蔓が切れたりすることはほとんどありませんが、外国産の山葡萄で作られたバッグはそこまでの頑丈さはありません。

色に関しては、中国産は国産のものに比べて薄い傾向にあり、経年変化によるつやや色の出方にも違いが出てきます。

また、一番の見分け方は職人の手によって作られた「丁寧さ」といえるでしょう。


左が国産、右が中国産(国産は中国産と比べ、樹皮の形や幅、色味などが均一で、ささくれもほとんど無い)引用kimono-cocoro5.com

国産の山葡萄の籠は、日本独特の美意識や職人の技術が反映された美しいデザインが多く、その価値が高いとされています。

伝統的な技を持った職人が作った国産の籠は、編み目が細かく複雑な技法が多い傾向にあるので、見分けるポイントにしてみましょう。

山葡萄の籠と関わりのあるブランド

ここからは、山葡萄の籠と関わりのあるブランドを紹介します。

ワコール


引用wacoal.jp

下着ブランドでありながら、籠を展開しているのが珍しい「WACOAL(ワコール)」。

やさしい雰囲気と品格を併せ持った山葡萄の籠バッグを取り扱っています。

山奥に自生する山葡萄の蔓を裂き、手仕事で1本1本丹念に編み上げた、使うほどに艶を増すバッグです。

口布には17世紀の日本で珍重された織物を再現したインド製の更紗を使い、品格ある美しい風貌に仕上げています。

つる工房鷹山


引用you-zan.jp

山葡萄の籠界では有名なブランドで、雑誌やメディアにも取り上げられることの多い「つる工房鷹山」。

質の高さに定評があり、ファッションにこだわる多くの著名人を顧客にもっています。

山葡萄は自然豊かな山形の山奥で採取し、使うほどに艶が増して世代を超えて受け継いでいける籠を展開中。

何年も大事に使うことを見据えた、とっておきのバッグが欲しい方にもおすすめです。

松野屋


引用matsunoya.jp

1945年創業、現在は自然素材の生活道具をあつかう荒物問屋の「松野屋」。

日本全国やアジア各地の工場に足を運び、町工場や農閑期に日用道具を買い付けています。

山葡萄の籠に関しても、松野屋らしい素朴な雰囲気のものをセレクトし、定期的に販売しています。

日常的に使いやすく、今の暮らしにちょうど良い使い勝手のよいアイテムばかりです。

ここまで読んでくださった方へ

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

長い歴史と、今も続く伝統を持つ「山葡萄の籠」という文化。

知れば知るほどに奥深く、魅力的に感じられたという方も多いのではないでしょうか。

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