foufouのデザインのルーツ(のようなもの)について

こんにちは。ブランド古着のKLDです。

D2Cブランドとして異例の人気を誇るfoufou。

数年前からじわじわと人気が高まっていた印象ですが、最近はブランド古着の世界においても存在感を放っています。

foufouにおいては、当店でのお取り扱いもまだ始まって日が浅く、知識も愛情もfoufouを実際に楽しんでいるファンの方には比べるべくもないのですが、今回は僭越ながら「foufouのデザインソースのようなもの」についてお話したいと思います。

foufouに限らず、ヴィンテージのお洋服やミリタリー、ある時代の特定のデザインなどをデザインソースにしたアイテムというのは、そのルーツを知ることでより楽しめたり愛せたりすることがあります。

5月の末に、foufouから新作の「CANDY DRESS CRAZY GARDEN」シリーズの発売が始まりました。
この新作の仮タイトルが「恋と革命」ということで、太宰治のことをほんのり思い出した方も多いのではないでしょうか。

同時に、ドレスのデザインそれ自体も少しレトロでロマンチックで、昭和の素敵なお嬢さんが着ている風景が浮かんできました。

それをきっかけに、どうしてもfoufouのルーツを掘り下げたくなってしまい、正直少し著者の妄想のようなものも含まれるのですが、「このあたりがデザインソースなんじゃないかな?」というようなお話を今回の記事ではさせていただきたいと思います。

恋と革命という名前の洋服

【CANDY DRESS CRAZY GARDEN】big collar sheer blouse(ビッグカラーシアーブラウス)・sheer lace skirt(シアーレーススカート)セットアップ公式へ

私は確信したい。人間は恋と革命のために生れて来たのだ。

これは太宰治の「斜陽」に出て来る有名な一節です。
CANDY DRESS CRAZY GARDENシリーズが発表された際の仮タイトルである「恋と革命」を見て、まず一番に太宰治のことを思い出しました。

斜陽は、戦後の世間の移り変わりによって、段々と貧しくなっていく没落貴族の娘を主人公とした小説です。

その小説の中で、箱入り娘だった主人公の少女は妻帯者の作家に恋をし、上記のような一節が出てきます。

太宰治の作品にしては(主観ですが)強い主人公のこの作品は、華憐ながらも芯のある人物で、foufouの世界観にとてもマッチしていると感じます。

デザイナーのマールコウサカ氏がどこまで斜陽のことを考えながらこのシリーズを制作されたのかは定かではありませんが(もしかすると、フレーズ的に可愛くて引用したのみかもしれません)、デザインの雰囲気は、昭和の文学作品に出て来そうな、どこかレトロな貴族のお嬢さんのような風情があります。

透明な水のようなミント色に、繊細なレースがふんだんに施され、パフスリーブやギャザーなども盛り込まれ…と、ディティールの1つ1つは一見少女っぽい印象なのに、モデルさんの着用している写真は不思議と甘さ控えめになっており、コウサカ氏の提唱している「いくつになってからも似合う服」を感じさせます。

大きめのシャープな形の襟は、ヴィンテージ系の古着屋さんで売っているレトロなワンピースのような雰囲気です。

太宰治の斜陽が発表されたのは1947年の頃で、実際にはその頃の日本では戦後の物資の乏しさから、生地を大量に使うスカートなどのドレッシーな服装は推奨されていなかったようです。

したがってCANDY DRESS CRAZY GARDENシリーズに感じられるような貴族のお嬢さんのような雰囲気は、日本でいえば戦前の洋装のものに近いかもしれません。

例えば当時の少女雑誌の挿絵などに見られる、中原淳一さんの絵の中のお嬢さんが着ていそうなロマンチックな雰囲気に近いものを感じます。

中原淳一の少女たち
引用元:実業之日本社

明確にこの辺りの服装を参考にしている!ということでは無いのですが、こういった少しレトロな雰囲気と、コウサカ氏の思うロマンチックな恋と革命がミックスされて生まれたシリーズなのではないかと思います。

ここで「恋と革命」の仮タイトルの話に戻るのですが、このシリーズは現代の小さな革命、ということでfoufouが長く提唱している「何歳からでも似合う服を作るから自由に好きな物を着ようよ!」というポリシーを色濃く感じる作品だなと思います。

一見甘いレースやパフスリーブを見て、ある程度年齢を重ねた方は「私が着てもいいのかしら…」と感じることがあるかと思います。(筆者も年齢的に、服に対してそう思う時が多くあります…)

しかし、大人が着てもしっかりとさまになるバランス感覚で「着たいと思ったら着ていいんだよ!」と背中を押してくれる、小さな革命の一歩を踏み出させてくれるシリーズになっているのではないかと感じました。

foufouの中のヴィンテージ、ミリタリー要素

個人的にfoufouのアイテムの中で外せない素敵な要素が、洗練されたヴィンテージ、ミリタリー要素です。

例えばprimitive tuck uniformというワンピースに見られる軍服のような胸ポケットや、1920年代~1940年代のドイツやアメリカで働くナースの服装に着想を得たワンピース…。

いわゆるヴィンテージの軍物などに感じるロマンをそのまま、現代風にアレンジしたアイテムが見られます。

ここからはささやかではありますが、ヴィンテージ、ミリタリー的な文化に着想を得たアイテムをご紹介します。

【THE DRESS #20】us medical no sleeve dress(アメリカメディカルノースリーブドレス)

【THE DRESS #20】us medical no sleeve dress(アメリカメディカルノースリーブドレス)公式へ

コウサカ氏自身が「1920年か30年代のアメリカで使われていたいわゆるメディカルガウンがモチーフ」と仰っているワンピース。

メディカルガウンというのはほぼ当時のナース服と考えて良いかと思います。

エプロンのような形のジャンパースカート型のワンピースで、フロント左右に配置されたボタンが特徴的です。

やや襟元の詰まったエプロンのような形状が特徴で、下に袖のある服を重ねて着用していたようです。


1934年の看護服の広告。特徴的なボタン装飾が共通しています。引用元:u.s national library of medicine

【THE DRESS #21】de medical high neck dress(ドイツメディカルハイネックドレス)

【THE DRESS #21】de medical high neck dress(ドイツメディカルハイネックドレス)公式へ

アメリカメディカルドレスに続く「メディカルシリーズ」の1940年代ドイツバージョンがこのワンピースです。

ウエスト部分にミリタリーらしいアルミのボタンがついていたり、キリっとしたハイネックなどがたまらない、こだわりの詰まった一着。


恐らくこのあたりを参考にしているのではないか?というヴィンテージのドイツのメディカルガウン。引用元:ChuPa

アメリカメディカルもそうなのですが、甘くなりすぎないキリっとした雰囲気のあるシリーズで、実際にその時代を戦ってきた女性達のように強くなれそうなシリーズとなっておりとても素敵です。

レオナール・フジタの白、のような白

【THE DRESS】grand fond blanc #03(グランフォンブラン)公式へ

「黒」を基調に展開しているTHE DRESSシリーズに、そのデザインをそのまま白い生地で作る「waltz」というシリーズがあります。

その中のひとつである「grand fond blanc #03(グランフォンブラン)」。

公式ページでコウサカ氏が語っているように、日本人画家、レオナール・フジタ (藤田嗣治)氏に由来した名づけとなっているようです。

レオナール・フジタ氏の作風は不思議な艶を帯びた白色が最も有名で、裸婦像の肌の表現などに見られる乳白色は「素晴らしき乳白色」と呼ばれ、「藤田の白=グランフォンブラン」と言われるほど独特なものだったそうです。

余談ですが、その白い艶めいた色の秘密は、「シッカロール」(ベビーパウダー)だそう。
これを下地材に使うことで、内側から発光するような表現をしていたそうです。


レオナール・フジタ「タピスリーの裸婦」引用元:25ans

foufouのgrand fond blancに話を戻しますが、コットンとリネンを混紡した生地に細かなシャーリングを施したこちらのワンピースは、波打つ生地のひとつひとつの山に不思議な陰影が生まれ、レオナール・フジタ氏の絵画の表現にも通じるような美しさを感じられます。
(生地にシッカロールを織り込んでるの?と疑ってしまいそうなほどです。)

このワンピースも含め、「waltz」シリーズは、リリース時は白一色で発売するのですが、購入した人が自分で色を選べる染めなおしのサービスもおこなっています。

購入してすぐに好きな色に染めるもよし、白のまま着てみて汚れがついてしまったらその時に染めるもよし…で色々な選択をユーザーにさせてくれるのがfoufouらしい素敵な企画になっています。

ここまで白が美しいワンピースを染めてしまうのは少し勿体ないような気もしてしまうのですが、自分の好きなタイミングに好きな色に染める…など、自分の人生にしっかりと寄り添ってくれるような付き合い方が出来るのがfoufouの魅力といえるでしょう。

更にここで余談なのですが、「foufou」というブランド名もレオナール・フジタ氏の逸話から取っているそうで、フランスでの生活の中で人気者であったフジタ氏は、「FouFou(フランス語でお調子者の意)​」と呼ばれ、親しまれていたそうです。

ブランド名に引用するほど、foufouにとってレオナール・フジタ氏という画家の存在は大きなものであるといえそうですね。

「シスターっぽさ」とは

明確なルーツの話とは異なるのですが、foufouのドレスシリーズなどが「シスターっぽい」と形容されているのをよく見かけます。

確かに、黒の重たい生地がばさばさしている様や、くっきりとした白の襟と切り替えたクラシックな表情なんかはとても「シスターっぽい」と感じます。

恐らくここで皆さんが想起している「シスター」は、古くからキリスト教において修道女が着用する修道服をまとった人物かと思います。

あまり日本に住んでいて「ザ・シスター!」という服装の方を見かけない印象がありますが(地域にもよると思うので一概にはいえませんが)、宗派や教会によって、クラシックな修道服を着たり、私服であったり、また違うスタイルの服装であったり…と様々なようです。

そんな修道服に感じるある種ロマンチックなイメージが、foufouの「重い生地のワンピース」であったり「真っ白な襟や袖部分の切替」であったりなどに想起させられるのだと思います。


クラシックな修道女のイメージ。どことなくfoufou感を感じます。

修道服は基本的に、清貧であることや禁欲的であることを示すため、体のラインを拾わない生地感でたっぷりとしたシルエットのものが多いようです。

そういった部分がfoufouにも「シスターっぽさ」を感じる要因となっているのかもしれません。

foufouには色々な「シスターっぽさ」を感じるワンピースが揃っていますが、個人的にかなりシスターっぽさを感じるのが【THE DRESS #22】bicolor one piece(バイカラーワンピース)です。

白い生地の部分の生地感へのこだわりがポイントで、変にコスプレっぽくならず、大人が着られる仕上がりになっています。

さいごに

ここまで記事を読んで下さり、ありがとうございました。

今回は、foufouのデザインソースをめぐる記事…ということでお話させていただきました。

皆さんもご存じの通り、デザイナーのコウサカ氏は発信がとても上手な方で、デザインのルーツ的なことについても商品ページなどにていねいに書かれていたり、公式の情報自体が読んでいるだけでとても楽しめるものとなっています。

ぜひ購入予定の商品ページの説明などをじっくり読んでみることをおすすめします。

しかし、個人的には「え、何これ可愛い!」という直観だけでファッションを楽しむのもまた魅力があるものだと思います。

foufouは、その深いルーツを探っても楽しむことが出来るし、理屈抜きで着たいから着る!と思い切って飛び込んでも魅力を感じることが出来る素敵なブランドです。

KLDでも、foufouのお買取りを強化しております。

いくつになってからも似合う、ずっと付き合っていけるのがfoufouのアイテムの魅力ですが、手放さなければいけない機会が訪れることもあるかと思います。

大切な人に譲る、お直ししてずっと着続ける、自分で売る…など、様々な選択肢が用意されている時代ですので、私たちのような古着屋があることを頭の片隅に置いて、大切なお洋服を手放す時に選択肢のひとつとして少しでも思い出していただければと思います。

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