Yohji Yamamotoデザイナー、山本耀司ってどんな人?その2|ヨウジヤマモト
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
こちらの記事では、「その1」に引き続き、ヨウジヤマモトのデザイナー、山本耀司さんの人となりをお話していきたいと思います。
目次
山本耀司を形作るもの
映画監督ヴィムヴェンダースとの出会い
映画監督ヴィム(左)と 引用 nikkei.com
1989年、山本さんは「都市とモードのビデオノート」という映画を発表しています。
監督と脚本、ナレーションは、ドイツのヴィムヴェンダース(以下 ヴィム)。
山本さんの創作活動をパリと東京で追った、ドキュメンタリー映画です。
ヴィムは、カンヌ国際映画祭でいくつも賞を獲得した、ドイツを代表する映画監督。
二人が出会ったのは、パリの有名な美術館でした。
もともとは美術館から展覧会のオファーがあったようなのですが山本さんはそれを断り、映像作品であればと承諾し、ヴィムを紹介されます。
初対面でありながらもヴィムに感じたのは、長年の親友のようなそんな感覚。
日本とドイツが第2次世界大戦の敗戦国であったことから、育ってきた環境や記憶の共通点が多かった事もあったようです。
また映画撮影の時、服作りに集中しているスタッフに対するヴィムの気遣いが印象的だったようで、その敬意を感じる行動に感銘を受けたそう。
現在も親交は続き、親友は誰かと聞かれたら、ヴィムの名前を挙げるほどの関係です。
カンヌ映画祭で監督賞をとったヴィムの映画のヒロインは、作中で山本さんの服を着用しています。
国は違っても、考え方や思想、好きな物が似ているヴィムとの出会い。
一緒にいるとほっとでき、兄弟のように心を置く相手なのだそうです。
映画「都市とモードのビデオノート」ファッションだけでなく山本さんの内面に惹かれる作品
引用 amazon.co.jp
北野武さんとのかかわり
映画「ドールズ」 引用 livedoor.jp
山本さんが関わる著名人の中には意外な人も多く、テレビでなじみのある北野武さんもその一人です。
六本木のカラオケ店で、北野さんが映画の構想を山本さんに話したことから、衣装デザインの話に。
そんな酔ったお酒の席での口約束が実現したのが、2002年に公開された映画「ドールズ」です。
主演の菅野美穂さんの演じるホームレス役の衣装は、想像を超えた鮮やかな真っ赤なニット。
予想を越えた山本さんの発想に北野さんは喜んだそう。
映画は、山本さんのファッションショーのような印象的なものとなり、世界の美術学校で色彩の教材として使われています。
その後も「ソナチネ」「HANA-BI」「BROTHER」など、尊敬する北野さんの為ならと、数々の北野映画の衣装を担当。
山本さんは北野映画のファンと公言しており、「ヴィムヴェンダースと並んで、僕の付き合いの中で、武さんは僕の心の中に永遠に残る人」と語っています。
(書籍「服を作る-モードを超えて」中央公論新社 より引用)
ジャンルは違えど、最前線で活躍を続ける同年代の北野さんの存在。
山本さんのクリエイティブにおいて、影響を与える人物であることがわかります。
音楽について
山本さんが子供の頃から大好きな音楽。
小学時代には友人の家で聞いたエルビスプレスリーに感動し、学生時代にはバンド演奏もしていました。
山本さんは作詞作曲、ライブ、CDの発売など音楽活動もしています。
デザイナー特有のピリっとした感じがない、楽しい時間なのだそうです。
そして、音楽を通じてたくさんの人との出会いも。
服の素材を探すための旅で沖縄の西表島で出会った農業と染織家の夫婦。
泡盛を飲みながらその夫婦が三線の演奏をしながら歌ってくれた時、自然に涙がこぼれたのだそう。
その時、音楽家の為のものだと今まで思っていた“歌”が、生活者のものなんだと強く感じたのだとか。
山本さんのコレクションでも音楽へのこだわりは強く、2020年SSのパリコレでは「NOTEBOOK」と名付けられた自らが作った曲を披露しています。
コレクションイメージを即興レコーディングしたBGMで「ヨウジヤマモト」の世界観を演出し、観るものを驚かせました。
それでも、「音楽はだめ。好きだけど、僕には才能がない」と山本さん。
何でも器用にやってのけそうな山本さんでも、音楽には意外に自信がないようです。
(書籍「服を作る-モードを超えて」中央公論新社 より引用)
山本耀司 アルバム「さあ行かなきゃ」 哀愁を帯びた声も曲も歌詞も心に染みます。 引用 amazon.co.jp
ワイズの経営破綻
ニューヨークの旗艦店 引用 nikkei.com
山本さんが60歳を過ぎた頃の2009年10月、「こんな形で自分の終わりが訪れたのか。」と思う、世界中でも大きなニュースになった出来事がありました。
「(株)ヨウジヤマモト」が、東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請しました。
言うなれば会社の倒産です。
原因は、2008年のリーマンショックによる影響でファストファッションの急成長と海外への事業展開による過剰投資と言われています。
売り上げが悪化して、資金繰りが厳しい状況だったとのことです。
「自分は裸の王様だった」山本さんは、そう記者会見で言いました。
当時、山本さんはデザインに没頭し、経理は人任せ。
自分には都合のよい話しか入ってこなかったのだとか。
しかし、山本さんはブランドをつぶすことなく、投資会社“インテグラル”とスポンサー契約を結ぶことで再生に乗り出しました。
その心には、“今までブランドを支えてきてくれた人たちを守らなければ”という想いもあったそうです。
山本さんは「ぶっ倒れない限り、目が衰えない限り、服作りは続けていきます。」と答えます。
(書籍「服を作る-モードを超えて」中央公論新社 より引用)
世界を揺るがすほどの大きなニュースでしたが、山本さんの服作りへの情熱は決して変わることはありませんでした。
服を作るということ
山本さんのデザインのテーマは、ショーが終わった瞬間にインスピレーションが浮かぶことがあるそうです。
デザイン画は描きません。
まず言葉やキーワードなど抽象的な表現で、スタッフに伝えるのだとか。
それを具体的に形にしていくには、実験の連続。
それぞれの担当とのコミュニケーションが重要で、何度もやりとりをします。
学校で習うような基本的な作り方ではなく、実際にモデルに着せながらイメージを形に。
作りながら予定とは違う方向に進んでいくことも多いようで、期日ぎりぎりまで実験のような作業を繰り返します。
最後には心身共にぼろぼろになることも。
まるで、命を引き替えにものを作っているような感覚なのだとか。
服を作ることは、頭で考えるのではなく本能。
そして社会を挑発し続けることが、自分の宿命だとも考えているそうです。
シーズンごとに見せる独自の世界観と、時代に流されない独自のスタイル。
そこには山本さん自身の魂が込められていることがわかります。
娘と母への想い
長女でデザイナーの里美さん 引用 nikkei.com
山本さんがワイズを立ち上げた1972年。
その2年後に長女として誕生した里美(リミ)さん。
父親の背中を追うように文化服飾学院に入学し、卒業後は山本さんの会社に入社し、2020年に社内で自身のライン「ワイズビスリミ」をスタートしました。
現在は山本さんの力は借りず、ブランド名を「LIMI feu(リミフウ)」と改め、活動中。
東京コレクションでの活躍やパリコレへも参加し、国内外から注目を浴びています。
山本さんは、里美さんのデザイナーとしての面白いアイデアや、個性や才能を認めています。
親として、先輩として、厳しいファッションの世界のことを伝授しておきたいと、愛娘への親心を感じる一面も。
またワイズ倒産の危機に、励ましてくれたのは里美さんだったそうです。
そして山本さんを女手ひとつで育てた母、冨美さん。
今もご健在で100歳を越えられました。
ここまで母親なしではやってこれなかった。と山本さん。
良くも悪くも母親の存在はとても大きく、自分にとって支えのような監視されているような感じなのだそう。
異端児とも言われる山本さんですが、支えたい我が子や支えてくれる母親がいたからこその活躍であったことが伺えます。
里美さんがインスタに投稿した山本さんの様子。 引用 limiyamamoto公式Instagram
これから
これからのファッション界のことを、「服作りの基本は不変ですが、売り方はこれから大きく変わってくると思います。」と山本さんは言います。
(日本経済新聞 「山本耀司氏インタビュー、コロナ禍で着こなし変容、試される覚悟」より引用)
変化をし続けるファッションの着こなしや生活スタイル、また消費者の“モノ”を買うという行動。
ここ数年であれば、コロナ禍でファッション界も大きく変わり、渡仏を断念したデザイナーもたくさんいました。
しかし山本さんは、その逆境に逆らうようにデザイナーとして行動することを選び、ショーを開催しています。
この頃は、店舗で購入する消費者が減っていることに対し、ネットなど対面しない販売方法に変えていく必要性がある。と考えているそうです。
また環境問題についても着目。
地球温暖化などにも対応した服作りや新ブランドの立ち上げも検討中なのだとか。
ファッションの固定概念を覆すことをしてきた山本さんだからこそ、時代の流れによるこれからの変化も、自身の服作りのエネルギーに変えているかのよう。
既に「YOHJI YAMAMOTO」は、未来に向けて目を向け、動き始めています。
いつだって男らしくて素敵な山本耀司さん、今後どんな魅力的な活躍を見せてくれるのか楽しみですね。
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ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださりありがとうございました。
山本耀司さんの交友関係から家族のことなどを中心に、山本耀司さんというデザイナーを形作る要素をご紹介しました。
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