Courrèges(クレージュ)ってどんなブランド?|その歴史とリバイバルブーム
64年、スペースエイジ・コレクションより 引用 formidablemag.com
こんにちは。ブランド古着買取専門店のKLDです。
近年、リバイバルブームを迎えている「クレージュ」。
90年代にも流行していたことがあったため、「懐かしい!」と感じている方も多いのではないでしょうか。
今回は、
- Courrègesとは?
- 歴代デザイナー
- ブランドの特徴
- リバイバルブームについて
という形でお話していきたいと思います。
60年代に、女性開放をファッションの世界から目指したクレージュというブランドについて、あらためてその歴史をご覧ください。
目次
Courrèges(クレージュ)とは
Courrèges(クレージュ)は、ファッションデザイナーのアンドレ・クレージュがパリにて1961年に設立したブランドです。
1965年に「ミニ・ルック」と呼ばれるミニスカートを発表し、爆発的なヒットとなったことは有名。
当時は女性が膝頭を見せることは珍しい時代であったため、クレージュが提唱したミニ・ルックは非常に革新的でした。
このミニスカートブームがきっかけで、瞬く間にクレージュというブランドが世に知られることとなります。
「ミニ・ルック」 引用 asahi.com
さらにプラスチックやPVC素材といった、当時ファッションに使うのは珍しかった素材を使用して作られたコレクション「スペースエイジ」を発表します。
ミニドレスやスリムパンツ、宇宙飛行士のヘルメットから着想を得たヘルメットなど近未来的なデザインで大きな話題となりました。
1969年にはアポロ11号が初めて月面着陸に成功したということもあり、宇宙や近未来といったワードは人々の関心を集め、クレージュは60〜70年代のファッションを牽引するブランドとなりました。
ミニスカートやPVC素材などは現代のファッションにも受け継がれており、クレージュがファッション業界にもたらした功績がいかに大きなものだったかがよくわかります。
2022SSのクレージュ。PVC素材のようなミニスカートルックとコート。 引用 fashion-press.net
80年代には提携していた企業との関係が悪化し、コレクションが発表できない事態となり財政難に陥ったため、会社経営権・ブランドの権利を日本の企業であるイトキン社へ譲り渡すこととなりました。
90年代に入るとブランドの再建が行われ、譲渡した会社経営権やブランドの権利を買い戻し、94年にコレクションを再開します。
そのコレクションでは、90年代のトレンドであるスポーティな要素と、60年代風のレトロな要素が合わさったデザインで再び注目を集めます。
そのムーブメントは日本にも届き、多くのティーンや若い女性を魅了しました。
現代のアラサー、アラフォー世代の女性の中には、クレージュのアイテムを持っていた!という方も多いのではないでしょうか?
しかし、創業者のアンドレ・クレージュは1994年にメゾンを去り、クレージュの人気は一時低迷します。
そして2015年、「コペルニ」というブランドのデザイナーだったセバスチャン・マイヤー、アルノー・ヴァイエのデザイナーデュオがディレクターに抜擢されます。
この2人がクレージュの再建をするべく、2016年からフレッシュなコレクションを展開し、徐々にクレージュは注目を集めるようになります。
さらに2018年、アーティスティックディレクターにジルサンダーでの勤務経験のあるヨランダ・ツォーベル、CEOにメゾンマルジェラでセールスを担当していたクリスティーナ・アーレスが就任しました。
このことがきっかけでクレージュは明確に再び注目を集めることとなります。
ヨランダ・ツォーベルによる2019SSコレクション 引用 fashion-press.net
リバイバルブームが到来したこともあり、レトロな雰囲気を感じられる新生クレージュはファッショニスタ達の感性にピタリとハマりました。
アリアナ・グランデをはじめとした海外セレブや、インフルエンサー達がこぞってクレージュを着用したことからクレージュは3度目のブームを迎えます。
新作アイテムはもちろん、昔のアイテムを求めてヴィンテージショップに駆け込む人が続出するなど、その人気ぶりには目を見張るものがあります。
2021年にはクリエイティブ・ディレクターに元ルイ・ヴィトンのニコラス・デ・フェリーチェが就任し、ますます注目度が高まるブランドとなっています。
Courrèges(クレージュ)のデザイナー
創業者アンドレ・クレージュとは
引用 asahi.com
クレージュの創業者であるアンドレ・クレージュは1923年に南フランスのナヴァール地方にて生まれました。
兵役をきっかけに飛行学校にて学び、1944年に空軍のパイロットとして兵役に従事します。
その後ファッションに興味を持ち、第2次世界大戦後にファッションについて学ぶ決心をします。
幼い頃からファッションデザイナーを目指していたわけではなく、パイロット出身という異色の経歴を持っています。
この経験が、後に発表されるコレクション「スペースエイジ」に生かされたのでしょう。
1946年にパリ高等服飾産業学院へ入学しデザインの基礎を学んだ後、1951年にバレンシアガのメゾンに入り技術を学びます。
1961年にパリのクレベール通りにてサロンを開設し「Courrèges(クレージュ)」としてブランドを立ち上げました。
1964年に「パンタロンルック」、1965年に「ミニ・ルック」を発表します。
どちらも当時の女性のファッションとして革新的なもので、「女性の服装はこうであるべき」という固定観念から女性を開放する大きなきっかけとなりました。
クレージュが提案したスタイルは一大ムーブメントを巻き起こし、有名な女優や歌手がファッションに取り入れるほどでした。
その功績が認められ、1987年にレジオンドヌール勲章を受賞しクレージュのファッションブランドとしての地位を確固たるものとしました。
1994年に以前より患っていたパーキンソン病のため第一線から退き、自宅からブランドを見守り続けました。
2016年に闘病の末、92歳で他界しました。
彼の手がけた作品は革新的で、今見ても全く古さを感じません。
ミニスカートやスリムパンツ、Aラインドレスなど彼が生み出した流行は、今では定番となっています。
ファッションにおいて女性を開放したという偉大な功績を持つ彼は、女性のファッションの歴史を語る上で外せない重要な人物です。
歴代デザイナー
ジャンシャルル・ド・カステルバジャック
引用 josawa.co.jp
カステルバジャックは、カラフルでユニークな作風が特徴のデザイナーです。
1949年モロッコ出身。
1970年代にはロッドスチュアート、ファラ・フォーセット、エルトン・ジョンなどの衣装を担当していた経歴も持っています。
1994年春夏シーズンからクレージュの2代目デザイナーとして活躍しました。
自身の名前を冠した「Castelbajac」というブランドで現在も活躍中です。
セバスチャン・マイヤー/アルノー・ヴァイエ
引用 vogue.co.jp
セバスチャンマイヤーとアルノー・ヴァイエは、若手の男性デザイナーデュオです。
2013年に「コペルニ」というブランドをスタートさせ、LVMHプライズのファイナリストに選出されるなど気鋭の若手として注目を集めました。
その功績が評価され、2015年にクレージュの再建を任されることとなります。
若い2人の手がけるフューチャリスティックなコレクションは、これまでのクレージュファンのみならず新しいファン層の心も掴み、再建は成功となりました。
2人はプライベートでは2021年に結婚しており、こだわりの詰まった結婚式は多くのファッショニスタ達から注目を集めるものとなりました。(上記の写真は結婚式の際のものです。)
ヨランダ・ゾーベル
ヨランダ・ゾーベルは「コペルニ」デュオ退任後の2018年から、クレージュのアーティスティック・ディレクターを務めた女性です。
アルマーニやジルサンダーで得たキャリアを活かし、これまでのクレージュのコンセプトをより現代的に解釈しました。
クレージュを代表するビニール素材のアイテムをサステナブルな素材へ切り替えるなどの取り組みが高く評価されています。
ニコラ・デ・フェリーチェ
引用 wwdjapan.com
ニコラ・デ・フェリーチェは、ヨランダ・ゾーベル退任後2021年よりクレージュのアーティスティック・ディレクターに就任しました。
バレンシアガ、ディオール、ルイ・ヴィトンなど錚々たるブランドでキャリアを積んできた彼が就任したことによる注目度は非常に高く、今までのクレージュにはなかった大胆な肌見せなど、新たなクレージュの新境地が開かれました。
また、これまでウィメンズのみを展開してきたクレージュで、初のメンズコレクションを開始した人物でもあります。
ニコラス氏の就任によってクレージュは20代の若者からも支持を集めることとなり、今後の展開にも注目が集まっています。
ブランドの特徴
クレージュのコンセプトとして、アンドレ・クレージュが創立時から提唱していた「フューチャリスティック(未来的)」が挙げられます。
PVC素材やビニールを用いた近未来的な世界観を、それぞれのデザイナーが思い思いに表現するクレージュのコレクションは見応えのあるものばかりです。
スペースエイジ・コレクション
60年代に大流行した「スペースエイジ」コレクションでは、ミニスカートやAラインのミニドレス、スリムパンツなどが発表されました。
宇宙飛行士から着想を得てデザインされた作品は、印象的なカッティングやオリジナリティ溢れる小物類なども注目され、これまでのファッション業界に新風を巻き起こします。
今ではレディースファッションの定番アイテムとなったミニスカートやスリムパンツも、当時ではあまり一般的ではありませんでした。
スペースエイジコレクションの大流行をきっかけに世の定番となり、クレージュが一つの時代を作り上げたと言っても過言ではありません。
ロゴモチーフのアイテム
引用 ssense.com
クレージュと言えば誰もが思い浮かべる、印象的なロゴマークがあります。
この幾何学的なロゴマークは創始者であるアンドレ・クレージュとその妻コクリーヌのイニシャルから考えられました。
もともとは違法コピー防止のために作られたものですが、今でもクレージュのアイテムに使われています。
最近では「さりげないロゴマークが可愛い」と若者から評判で、ロゴ入りリブニットやキャップなどがSNS世代から根強い人気を誇っています。
ビニールコート
引用 farfetch.com
クレージュを代表するアイテムの1つであるビニールコートは、1963年から1969年の間に制作されました。
ビニールでできたコートはスタイリッシュで、スタイルも良く見えるため当時の女性の間でも人気アイテムとなりました。
レッドやグリーン、ブルーなどカラフルなラインナップで展開しており、非常にクレージュらしいアイテムのひとつといえます。
現在のコレクションでもビニールコートは発表されており、こちらも再ブームが来るのではないかと注目を集めています。
リバイバルブーム
クレージュはブランド創立時の60年代とは別に90年代、そして現在(2020年代)と2回リバイバルブームが起きています。
長年にわたって愛されることとなった、リバイバルブームのきっかけとは何なのでしょうか?
90年代のブーム
ブランド創業から一時期低迷していたクレージュですが、90年代から存続をかけた再建がスタートします。
コレクションが再開したこともあり、徐々にクレージュの人気も戻りました。
日本でも歌手の浜崎あゆみさんが着用するなど、「平成ギャル」の間で一世を風靡する人気ぶりでした。
少し前からクレージュが話題になってるの見て震えてるよ…
"あのころ"のあゆが着てたんだから。
親にバッグとポーチ買ってもらって浮かれてた! pic.twitter.com/FUzNMgCs6S— 働きたくないおばさん(高橋すみ江) (@takahashi_sumie) March 3, 2023
当時は洋服だけでなくコスメや文房具など幅広い商品展開がされており、街を歩けばロゴマークが目に入ってくるような状態でした。
2020年代・Y2Kブーム
2020年代、「平成リバイバル」とも言われる「Y2K」ファッションが10〜20代の若者世代に大ヒットします。
「Y2K」とは「Year2000」の略語で、90年代後半から2000年代のファッショントレンドがリバイバルブームとなっていることを指します。
ミニスカートやクロップド丈のヘソ出しトップス、ルーズソックスなど平成ファッションを代表するようなアイテム達が再び脚光を浴びました。
この「Y2K」ブームで、90年代に一世を風靡したクレージュに再び注目が集まります。
平成に流行したクレージュのアイテムが「エモい」「平成レトロで可愛い!」とZ世代から大人気。
世界的な人気を誇るK-POPグループ「BLACKPINK」「TWICE」などが衣装でクレージュを着用したこともあり、リバイバルが再び巻き起こりました。
左からBLACKPINK ジェニー、LE SSERAFIM カズハ、TWICE モモ 引用 elle.com
2021年には元ヴィトンのニコラス・デ・フェリーチェがクリエイティブ・ディレクターに就任し、クレージュマインドを踏襲しつつ現代的なアプローチの新作を発表。
「新生クレージュ」の今後にますます期待が高まっています。
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
他にはない世界観と革新的なデザインで、常にファッション業界に新しい風を吹かせるクレージュ。
2度のリバイバルブームを経て、「流行は繰り返す」をまさに体現するブランドです。
アイテムそのものにパワーがあり、可愛いだけではなく強くてカッコいい女性になれるようなところが、現代社会を生きる女性たちの心を掴んだのでしょう。
新作アイテムはもちろん、昔のアイテムを探す楽しみもあります。
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