JW Andersonってどんなブランド?|JWアンダーソン
引用 Instagram@jw_anderson
こんにちは。ブランド古着買取専門店のKLDです。
イギリスのファッションシーンにおいて異彩を放ちながらも知名度を上げ、独自の価値観で邁進しているブランド、JW Anderson。
他にはない独特な表現とジェンダーレスな世界観は、世界中の多くの人を魅了しています。
今回は、
- JW Andersonとは?
- デザイナー
- ブランドの特徴
- 中古相場について
という形でお話していきたいと思います。
中古相場についても解説しますので、既にJW Andersonのアイテムをお持ちで、売却をお考えの方もぜひご覧ください!
目次
JW Andersonとは?
JW Anderson(JWアンダーソン)は、イギリスのファッションデザイナーであるジョナサン・アンダーソンが自身の名前を冠したブランドです。
ロンドンのカレッジオブファッションで学んでいた頃にデビューし、2008年にはロンドンファッションウィークで初めてコレクションを発表しました。
2008年からメンズウェアを、2010年からはレディースウェアを展開。
どちらも伝統的なテキスタイルや技法をモダンなアプローチで取り入れたデザイン、ジェンダーレスな価値観の表出を特徴としています。
デザイナーのジョナサン氏は、様々なカルチャーやアート、音楽からインスピレーションを受け、それをデザインに落とし込んでいます。
また、自身のセクシャリティのあり方から、ゲイカルチャーの文脈にあるアートなどにも多大なリスペクトを捧げています。
デザインへのこだわりだけではなく、素材や仕立ての技術にも妥協せず、衣服やバッグ、靴、アクセサリーに至るまで、高級素材と職人技術が際立つ製品を作っており、物作りの観点からも多くのファンを抱えています。
また、彼はLoewe(ロエベ)のクリエイティブディレクターも務め、若い感性でこのスペインのラグジュアリーブランドの再興に大きく貢献。
伝統的なブランドの持つ技術や格式高さと、彼独特の型にはまらない感性で作られるラグジュアリーな世界観は、多くの人を魅了しています。
そして、2017年からスタートしたJW Andersonとユニクロのコラボレーションは日本でも大きな話題を呼びました。
JW Andersonの遊び心のあるモダンなデザインが手頃な価格帯で展開され、ブランドを知らなかった層にも広くアプローチすることに成功。
これにより、日本での知名度が飛躍的に上がったといえます。
デザイナー
JW Andersonのデザイナー、ジョナサン・アンダーソンは、1984年にイギリスの北アイルランド生まれ。
アイルランドラグビー代表選手の父と、教師の母との間に生まれました。
まず演劇に興味を持った彼は、俳優の道を志してワシントンDCのスタジオシアターで演劇を学びます。
しかしその後、俳優への道をドロップアウトし、ニューヨークにてしばらく“ブラブラしていた”そう。
そのうち、かつての俳優への道の過程で衣装デザインに興味を持った彼は、改めてファッションの道に進むことになります。
ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションでメンズウェアについて学び、ビジュアルマーチャンダイザー(売り場の世界観の構築などをする仕事)等として従事しました。
その後、2008年には自身のブランド「JW Anderson」を立ち上げます。
JW Andersonではロンドンファッションウィークで初めてコレクションを発表し、イギリスで最も権威あるブリティッシュ・ファッション・アワードを受賞しました。
その後も多くの賞を受賞しています。
2013年には、スペインのラグジュアリーブランドLoewe(ロエベ)のクリエイティブディレクターに就任し、同ブランドのアイデンティティを復興させるために貢献しました。
その後も、自身のブランドとLoeweのクリエイティブディレクターの両方を兼任し、彼の独自の美学や哲学を双方のブランドで展開しています。
ジョナサン・アンダーソンはJW Andersonを通して、新しい形の美を追求し続けています。
また、度々ショーの様子がSNSで話題になったりなど、その斬新なアプローチは多くのファッション愛好家から注目を集めています。
デザインの傾向としては、ブランド立ち上げ当時から、男女の境界線を曖昧にするような、ジェンダーレスな表現を多く用いるのが特徴。
“ジェンダーレス”といっても無性的というよりは、性別を超えたフェティシズムを感じる表現が多い印象です。
時に型破りな表現でショーをおこなったり、斬新な手法やテクスチャーにも定評があります。
また、環境問題や労働問題に対しても意識を持ち、持続可能性を追求することに力を入れており、素材の選定や製造プロセスの見直しなど、環境への負荷を軽減するための取り組みを行っているとのことです。
ファッション以外の取り組みとしても、アートへの関心の高さから「JW アンダーソン・コレクションズ基金(JW Anderson Collections Fund)」を2023年に創設。
まだ英国で取り上げられていない国内アーティストの支援を推進するために、コレクションを収集する団体に毎年50000ポンドの資金を提供しているとのことです。
彼は現代のラグジュアリーブランドの、あまりに早い流行の流れやそれに応じたインスタントなデザイン、仕事のあり方に疑問を持ち、それとは対極の息の長い、価値が続いていくブランドを作り、文化自体を変えてしまおうと奮闘しているようです。
上述のような、ファッションやアートを取り巻く様々なものを支援し、こうして文化自体を盛り上げていこうという気概のある行動は、そういったブランドや世界観を実現することに繋がっていくものなのではないかと思います。
ブランドの特徴
男女の境目を曖昧にする表現
ジェンダーを超越する表現はJW Andersonの一つの大きな特徴です。
ここまでもお話したように、男女の境目を曖昧にするような表現はこのブランドの得意とするところで、フリルなどのフェミニンなディテールをメンズで展開したり、逆にマスキュリンな表現をウィメンズで展開したりなどはこのブランドの大きなアイデンティティといえます。
2013年AWに展開されたコレクションでは、男性モデルにフリルのついたショートパンツやスカートをスタイリングし、“ジェンダーレス”という概念を世間に浸透させたといわれています。
2013AWコレクションより 引用 gqjapan.jp
男女の境界を問い掛けながらデザインされた彼のアイテムは、単純に性別を逆にするような表現ではなく、フェミニンとマスキュリンの要素が巧妙に組み合わさっています。
ジェンダーレスといっても、表現方法としては淡々としているわけではなく、むしろどちらの性別のコレクションに対しても、情熱的でエロスを感じるものも多くあるのがこのブランドの大きな魅力といえるでしょう。
予想を裏切るディテールや演出
JW Andersonの特徴としては、見る人を驚かせる演出やテクスチャー、ディテールの表現などが挙げられます。
とくにモデルがランウェイを歩くショーはメンズ、ウィメンズ共にインパクトのあるものが多く、SNSなどでも度々話題になっています。
自転車のハンドル、割れたスケボーを身に纏ったルック(23SSコレクションより) 引用 fashion-press.net
パンツ一丁(?)で縫製する前の生地だけを抱えたルック、枕を抱いたルック(23AWコレクションより) 引用 fashion-press.net
黒い球体を身につけたルック、ブランドのイニシャルのキーボードのキー(?)をまとったルック(23SSウィメンズコレクションより) 引用 fashion-press.net
このように、「え、それを服にするの?」というような驚きがあるコレクションは、デザイナーのアンダーソン氏の遊び心も感じられる楽しさがあり、見る人全てを驚かせる斬新な表現はこのブランドの大きな魅力の一つといえます。
こういった奇抜な演出を目にすると、裏に何か重大なメッセージが隠れているのでは?と作品を読み解きたくなってしまうのですが、意外にもアンダーソン氏は
「裏にメッセージは潜んでいない。僕にとってのテーマは“見る”こと。僕らは時々全ての事柄に意味を見出そうとしてしまうけれど、ただ“見る”ことをもっと楽しむべきなんじゃないかな」
と、あるコレクションについて語っていたこともあります。
発言の引用 wwdjapan.com
象徴的なモチーフ
JW Andersonでは、時に象徴的なモチーフが様々なアイテムとなって展開され、ファンの目を惹きます。
ここではその一部をご紹介します。
動物
JW Andersonでは度々動物のモチーフを使ったアイテムが展開されます。
それがブランド特有のぶっ飛んだ表現方法に昇華されるので、それが更にユーザーの目を惹いています。
近年特に注目を集めたのが、フィギュアのような硬いテクスチャーで作られたハトとカエルのクラッチバッグ。
鳩のクラッチバッグ 引用 farfetch.com
カエルのクラッチバッグ 引用 farfetch.com
明らかにほぼ何も入らなさそうなクラッチバッグですが、これをファッションブランドとしてショーだけではなく実際の販売で展開していくというのが非常にJW Andersonらしいといえます。
また、カエルモチーフでいえば、イギリスのレインブーツブランドである「WELLIPETS(ウェリペッツ)」とのコラボレーションで、WELLIPETSが以前から展開していたカエルモチーフの長靴を元に、レインシューズを展開。
引用 vogue.co.jp
元々のWELLIPETSのカエルのレインブーツは子供向けに作られた商品ですが、コラボレーションのモデルでは大人が履けるサイズでの展開をしました。
JW Andersonでは他にも度々動物モチーフを用いており、アパレルはもちろん、アクセサリーなどでも展開しています。
ウサギのニット 引用 cettire.com
カタツムリのリング 引用 jwanderson.com
ペニス
JW Andersonの定番アイテムの一つとして、ペニスモチーフのキーリングがあります。
デフォルメしたペニスを形どったレザーで作られていて、様々なカラー展開があり、中にはスタッズやビジューなどの装飾を施したものなども。
シーズンごとにバリエーションが楽しめる展開になっています。
ペニス レザーキーリング 引用 jwanderson.com
ビジューの付いたゴージャスなバージョン 引用 jwanderson.com
また、アウトラインを安全ピンのようなワイヤーで表現したシリーズも人気のようです。
ペニス アウトライン キーリング 引用 farfetch.com
JW Andersonでは度々、こういった小物だけではなく、洋服に大胆にプリントしたりなどでペニスを表現することがあります。
またこれまで、プライド月間に向けてゲイのアーティストであるトム・オブ・フィンランドを大々的にフィーチャーしたカプセルコレクションを展開しており、艶めかしいプリントを大胆に施した「エロい」アイテムなども展開。
トム・オブ・フィンランドのイラストのシャツ 引用 hypebeast.com
こうしたモチーフの展開は、LGBTQへの支援的な意味合いがあるのはもちろん、アンダーソン氏の飽くなき官能的好奇心と、芸術へのリスペクトあってのものかと思います。
ファッションシーンにおけるペニスモチーフについてはこちら
こんにちは。ブランド古着のKLDです。 今回は、ファッションブランドにおける「ペニスモチーフ」について、お話し...
錨(アンカー)
フロントジップアンカーパーカー 引用 24s.com
ショルダーアンカーバッグ 引用 24s.com
ゴールド Anchor ペンダント ネックレス 引用 ssense.com
ブランドロゴにもなっている錨(アンカー)は、ブランドを象徴するモチーフとして、度々アイテムにもデザインされて販売されています。
なぜJW Andersonではアンカーをロゴのモチーフにしているのか?については、アンダーソン氏からはあまり多く語られることはないようですが、彼の出身地である北アイルランドの海洋産業などの文化や歴史に根ざしたものであるとの説もあります。
そんなブランドのアイデンティティともいえるアンカーモチーフは、バッグやアパレル、アクセサリーなど幅広いアイテムに展開しています。
見ればすぐにJW Andersonのものだと分かる象徴的なデザインが多くありますので、初めてJW Andersonのアイテムを購入する方にもおすすめのアイテムが多くあります。
ピアス
JW Andersonでは長らく、「ピアスバッグ」というバッグを定番的に展開していました。
ミニ ピアス バッグ 引用 cettire.com
「ピアスバッグ」はその名の通り、ピアスを模した金属のリングが特徴的なレザーバッグ。
クラシカルな雰囲気かつスタイリッシュでありながらも、上質なレザーにピアスが通されている様には、JW Andersonらしいフェティッシュさも感じられるのが魅力です。
このピアスバッグの他にも、レザーバッグのフロント金具部分にストレートバーベルのピアスのような金具を通したもの等もあり、JW Andersonのフェティシズムが爆発している(?)人気シリーズとして愛されていました。
ストレートバーベルを通したようなサッチェルバッグ 引用 vergle.com
中古市場での評価
ここまでJW Andersonというブランドの魅力についてお話してきました。
ここでは、「中古相場ってどうなの?」ということについて少しだけ解説していきたいと思います。
結論からいえば、JW Andersonは中古市場でも人気が高く、高額で取引される傾向の強いブランドといえます。
取引されるアイテムは様々ですが、今回ご紹介したような動物モチーフのもの等は人気で、カエルのクラッチバッグなどは取引数は少ないですが、ほぼ定価に近い金額で売却が可能かと思います。
また、ブランドを象徴するアンカーモチーフのアイテム等は中古市場でも定番的に人気ですし、バッグ類も質が良いので、中古でも取引が盛んです。
新しいアイテムは当然注目が集まりやすく、高額で取引されやすい傾向は強いですが、デザイナーのアンダーソン氏が目指すように流行に流されにくいブランドとしての地位を確立していますので、発売から年数が経ったものでも比較的強気のお値付けで売却が可能かと思います。
もちろんKLDでも強気のお見積りが可能なブランドです。
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ここまで読んでくださった方へ
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