ファッション業界の「コレクション」って何?
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
パリコレクション、ミラノコレクション、ニューヨークコレクション…などなど、ファッション好きであればこういった世界各地でおこなわれているコレクションについて耳にすることは多いと思います。
ですが、「開催されているのは知っているけどどんなブランドが出ているか知らない!」「それぞれどんな特色があるのか知らない!」という方も多いのではないでしょうか?
今回は、
- ファッション業界の「コレクション」って何?
- コレクションを開催する目的は?
- コレクションの種類
- 世界5大コレクションについて
- コレクション発表から店頭に並ぶまで
- 時代とともに変化するコレクション
という形で、「ファッション業界におけるコレクションって何?」を、掘り下げてご紹介していきます。
コレクションについて、改めておさらいしたい方、ぜひご覧ください!
目次
ファッション業界の「コレクション」って何?
ファッション業界でのコレクションとは、デザイナーが次のシーズンに向けて、新作をショー形式で発表する場のことを指します。
また、複数のファッションショーをまとめた総称がコレクションです。
主に年2回、春夏と秋冬に一定期間を設けて、世界各国の都市で順番にコレクションが開催されます。
このコレクション期間は「ファッションウィーク」といいますが、日本ではファッションウィークのことも「コレクション」と呼んでいます。
コレクションを開催する目的は?
コレクションの目的は、デザイナーが「こんなファッションを売り出したい」「こんなメッセージを伝えたい」などを提示するためです。
もともとはシーズンごとに制作した洋服を発表するだけの場でしたが、開催の回数を重ねるごとに大規模なセットを作ったり、メッセージ性を強くしたりと、徐々にセンセーショナルなコレクションへと変化しました。
単に洋服だけを発表するのではなく、ファッションのイマジネーションやクリエイション、伝統なども、コレクションを通して伝えることができるのです。
またコレクションは、ブランドの名前やアイテムを消費者にアピールする、“プロモーションの場”という役目もあります。
このように、コレクションには創造性、技術、生地、カラー、シルエット、トレンドなどのデザイン要素の他、販促やマーケティングなどのビジネス的な要素も含まれているのです。
コレクションの種類
ファッション業界のコレクションは大きく分けて、「オートクチュールコレクション」と「プレタポルテコレクション」の2種類があります。
中でもプレタポルテコレクションが中心となっている現代は、いくつかのコレクションが派生しています。
ここからは、そんな多彩なコレクションの種類を説明していきます。
オートクチュールコレクション
haute couture(オートクチュール)とは、「haute=高価」「couture=仕立て」といった言葉通り、高級仕立て服を発表するコレクションを指します。
「あなたのための1着を提案」という形式で、次シーズンのデザインを発表するのです。
完成された服を発表するのではなく、デザインの“イメージを提案”する場なので、生地やシルエット、サイズ感、カラー、ディテールなどは、お客様1人1人に合わせて自由に作り変えることができます。
いわゆるオーダーメイドの一点ものを作れる、ということです。
オートクチュールコレクションの開催時期は、1月と7月の年2回で、パリコレクションの主催団体である通称「サンディカ」に加盟しているブランドと、招待された限られたブランドのみが参加できます。
現在は、オートクチュールの顧客の減少とプレタポルテコレクションの発展により、参加ブランドが少なくなっていますが、シャネルやディオール、フェンディなどの大手メゾンは、オートクチュールの伝統や美しさを守り、発表し続けています。
プレタポルテコレクション
プレタポルテコレクションは、高級既製服のコレクションを指します。
PRET-A-PORTER(プレタポルテ)のPRETには「準備」、A-PORTERには「着る」という意味があり、直訳すると「準備されていてすぐに着られる」と表しています。
プレタポルテコレクションは、1970年代に高田賢三や三宅一生、山本寛斎たちが、海外で既製服のショーを発表するようになってから発展していきました。
それまではオートクチュールコレクションが主流でしたが、プレタポルテコレクションが躍進したことに伴い、世界各都市にコレクションの場を増やしていきました。
プレタポルテコレクションは、オートクチュールのようにお客様1人1人に対して一から仕立てることはなく、既に完成したデザインを発表するのが特徴です。
プレコレクション
Alexander McQueen2023AW プレコレクションより 引用alexandermcqueen.com
プレコレクションは、春夏と秋冬の前に発表される小規模なコレクションです。
「クルーズ」「リゾート」「ホリデー」「プレフォール」など、ブランドによって呼び方は様々。
もともと、真冬に温暖なリゾートやクルージングに出かける顧客のためのコレクションとして誕生しました。
そのため、シーズンごとに旅行する富裕層や、常に新しいものを求める顧客に向けたコレクションとして位置づけられています。
一般的に春夏前だと5〜6月頃に、秋冬前だと12〜1月頃に開催されます。
デザインは、旅行気分を彷彿とさせる、ラフでカジュアルな提案が多いのが特徴です。
また、プレコレクションによる売上や顧客の反応は、メインコレクションの資金になったり、メインコレクションのデザインをアップデートしたりすることに役立ちます。
プレコレクションは春夏と秋冬のギャップを埋める目的の他、メインコレクションのデザインの幅を広げ、売上を伸ばすためのヒントとなる、ビジネス的な目的もあるのです。
メインコレクション
メインコレクションは、春夏の「SSコレクション」と秋冬の「AWコレクション」を指します。
SSコレクションは「Spring(春)」と「Summer(夏)」の頭文字、AWコレクションは「Autumn(秋)」と「Winter(冬)」の頭文字に由来しています。
AWコレクションに関しては、イギリス英語のAutumnとは異なる、アメリカ英語のFall Winterからなる「FWコレクション」と呼ばれることも。
メインコレクションは、1年間の中で最も大規模なコレクションとされており、各ブランドの次シーズンのトレンドやメッセージをいち早くキャッチできるのが特徴です。
開催時期はレディースのSSが9〜10月、メンズのSSが6月、AWが1〜3月にかけてと過密なスケジュールで行われます。
一般的にはメンズとウィメンズで分けられていますが、開催国によっては男女共催の場合もあります。
世界5大コレクションについて
世界5大コレクションとは、「パリ・ミラノ・ロンドン・ニューヨーク・東京」の5都市で開催されるコレクションの総称です。
世界では東京以外の4都市を総称して世界4大コレクションと呼んでいますが、日本では東京を含めて世界5大コレクションと表現しています。
ここからは、そんな世界5大コレクションについてお話していきます。
パリコレクション
THOM BROWNE 2023AW オートクチュールコレクションより 引用soen.tokyo
COMME DES GARÇONS 2023AW プレタポルテコレクションより 引用soen.tokyo
パリコレクションは、通称「パリコレ」という呼称で広く知られている世界最大のコレクションです。
世界5大コレクションの中で最も歴史が長く、世界的注目度が圧倒的に高いコレクションです。
パリコレクションの始まりは、オートクチュールを生み出したイギリス人デザイナーのシャルル=フレデリック・ウォルトが、1910年頃にパリでファッションコレクションを開催したのがきっかけでした。
当時は「パリ・オートクチュール・コレクション」という名称でスタートしましたが、1950年頃にプレタポルテが普及されて以降、「パリコレ=プレタポルテ」という認識に変わりました。
しかし、プレタポルテが発展してもなお、オートクチュールの魅力を世に発信する場所として存在しているのは、パリコレクションのみです。
また、パリコレクションに参加するブランドは他のコレクションと比べてグレードが高いため、デザイナーやモデルのステータスとなる舞台とされています。
ミラノコレクション
BOTTEGA VENETA 2023AWコレクションより 引用fashion-press.net
JIL SANDER 2023AWコレクションより 引用fashion-press.net
ミラノコレクションは、パリコレクションの次に規模が大きいコレクションで、パリコレクションの前の週に開催されます。
始まりとしては、1976年にスタートしています。
1980年代からはアルマーニやベルサーチなどの人気上昇により、一気に注目度が高まりました。
1990年に入るとプラダやグッチといったレザー系ブランドも参入し、さらに注目度が高まり、規模と価値も拡大していきました。
そんなミラノコレクションの魅力は何といっても、斬新なデザインや鮮やかな色使いなど、イタリアらしい明るい人柄と国柄が反映された提案です。
落ち着いた気品溢れる雰囲気も兼ね備えているため、大人の女性を魅了するアダルト志向のブランドが多く登場します。
ロンドンコレクション
Andreas Kronthaler for Vivienne Westwood 2023SSコレクションより 引用fashion-press.net
RAF SIMONS 2023SSコレクションより 引用fashion-press.net
ロンドンコレクションは、他のコレクションと比べ、若手デザイナーが多く出展するコレクションです。
1984年に発足された当初は、規模が小さく、2000年代前半まではパリ・ミラノ・ニューヨークの陰に隠れた存在でした。
しかし2009年、バーバリーがコレクションの場をミラノからロンドンに移したことで、徐々に注目度が上昇し、影響力や話題性を高めていきました。
現在もロンドンコレクションを引っ張っているのは、変わらずバーバリーです。
若者が多く集まり、常に新しいトピックスが生まれるロンドンは、これまでもパンクやモッズ、ミニなどのトレンドを生み出しました。
ロンドンコレクションは、若者のストリートファッションと関係の深い、重要なコレクションなのです。
そして、多様性のあるフレキシブルでワクワクするようなデザイン提案や、ファッションの根本的な楽しさが伝わるショーが魅力です。
ニューヨークコレクション
MARC JACOBS 2023秋コレクションより 引用fashion-press.net
Ralph Lauren 2023SSコレクションより 引用fashion-press.net
ニューヨークコレクションは、1962年に発足された北米最大のコレクションです。
パリ・ミラノと比べると注目度は低く、規模としてもやや小さめなコレクションとなっています。
ニューヨークコレクションは、他のコレクションより、機能的かつ実用的なデザインが多くラインナップします。
コレクションでよくある「どこに着ていくの?」といった奇抜すぎるデザインは少なく、あくまで日常に取り入れやすい提案がニューヨークコレクションの特徴です。
参加ブランドもマークジェイコブスやマイケルコース、コーチなど、ニューヨークに馴染むリアルクローズを提案するブランドが多く登場します。
また近年のニューヨークコレクションでは、メンズとウィメンズを明確に分けないボーダーレスな男女共催の傾向が強く見られます。
東京コレクション
stein 2023AWコレクションより 引用wwdjapan.com
CHIKA KISADA 2023AWコレクションより 引用wwdjapan.com
東京コレクションは、日本を代表するファッションコレクションです。
東京コレクションの始まりは、金子功、菊池武夫、コシノジュンコ、花井幸子、松田光弘、山本寛斎の6人により結成された団体「TD6(TOP DESIGNER 6)」が1974年にショーを開催したことがきっかけでした。
1983年にTD6は解散しましたが、1985年に東京で改めて第1回目のショーを開催したことで、東京コレクションが始動。
正確には1988年から「東京コレクション」という名称になり、2019年からは楽天がスポンサーになったため「楽天ファッションウィーク東京」として運営されるように。
東京コレクションは他コレクションの中で最も規模が小さく、参加ブランドもそれほど多くはないため、主に男女共に開催しています。
近年では、フェティコやチカキサダ、タナカなど新進気鋭なブランドが登場し、東京コレクションを盛り上げています。
東京コレクションは、和を用いたデザインや演出、繊細だけどメッセージ性の強い服など、日本らしい一面を垣間見れるショーが魅力です。
コレクション発表から店頭に並ぶまで
一般的に次シーズンのデザインを発表するコレクション。
半年先のアイテムを、一般消費者はいつ手に入れることができるのでしょうか。
ここでは、コレクションが発表されてから店頭に並ぶまでの流れをお話します。
まず大まかな流れとしては「コレクション発表→展示会→生産→店頭」が基本です。
展示会では、コレクションに招待されたバイヤーやセレブ、VIP顧客などが気に入ったアイテムを受注します。
そして受注数を元にデザイナーが生産数を決定。
ここで重要なのは「展示会でどのくらいの受注数があるか」です。
コレクションでどれだけ魅力的なアイテムを発表しても、展示会で受注数がゼロだった場合、生産されないことがあるのです。
展示会にて生産数が決定されたら、次は生産に移ります。
生産では、工場との兼ね合いだったり、手作業や特殊な加工を施したりなど、様々な事柄があるため、商品化されるまでのタイムラグはブランドによって前後することがあります。
また、展示会で展示されている商品はほとんどがサンプルであるため、生産の際にデザインを多少改良する作業もあるでしょう。
そして、様々な生産工程を経て、コレクションを発表してから半年~長くて約10か月後にようやく店頭に並びます。
時代とともに変化するコレクション
1910年頃に誕生して以降、時代の変化に伴い発展してきたコレクション。
現在は世界5大コレクションのほか、ソウルコレクションやコペンハーゲン・ファッションウィークなど、多彩なコレクションが注目を集めています。
また、現代の大きな変化といえば、デジタルコレクションの登場。
新型コロナウイルスの蔓延によって普及されたデジタルコレクションは、動画でライブ配信されるため、これまでの限られた招待客だけでなく、誰でも見ることができるのです。
デジタルコレクションは今後も続く見込みで、コレクションの一つの形として確立すると予想されています。
Maison Margiela 2022SSコレクションより ライブ配信ではありませんが、フィルム形式の配信によるコレクション発表。
さらに、近年、世界全体で問題視されているサステナビリティも、ファッションコレクションに大きく関係しています。
毎回廃棄される大がかりなセットや演出、環境に配慮していない生地などは、コレクションを開催するうえで見逃せない要素となっているのです。
実際にコペンハーゲン・ファッションウィークでは、洋服をかけるプラスチック製のハンガーの使用を禁止したり、会場のケータリングのごみを最小限に抑えたりなど、最大限に環境に気を使っているそう。
そして、年に数回行われるコレクションの過密スケジュールも見直されています。
コレクションを終えてもまた次シーズンが迫ってくる…そんな多忙なスケジュールと戦うため、多くのデザイナーやスタッフたちは多大なストレスを抱えているのです。
デザイナーたちがメインコレクションに集中できるよう、プレコレクションのショーを開かずにショールームで発表するブランドや、そもそもプレコレクションを開催しないブランドが増加しています。
このようにコレクションは、服だけにフォーカスしているのではなく、発信方法や環境、働き方など、時代の変化に適応してより良い方向へと向かおうとしているのです。
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
世界各国で発表されているコレクション。
それぞれどのような特徴があるのか、いつ開催されているのかなど、改めて知ったという方も多いのではないでしょうか。
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