ファッションブランドにおけるペニスモチーフについて
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
今回は、ファッションブランドにおける「ペニスモチーフ」について、お話していきたいと思います。
ファッションブランドの中では度々、ペニスモチーフのアイテムを発表して物議を醸したり、非常に話題になったりするブランドが存在します。
ファッション好きな方なら必ず知っているであろう有名ブランドも、実は出しています、ペニス(モチーフ)。
今回は、
- ファッションブランドにおけるペニスモチーフとは?
- ペニスモチーフを発表したブランドたち
- 私たちはなぜペニスモチーフに惹かれるのか
- 中古市場での評価
という形で、ファッション界におけるペニスモチーフについてお話していきます。
動画バージョンもありますので、記事を読むが時間ない!という方はこちらもどうぞ。
目次
ファッションブランドにおけるペニスモチーフ
ペニスモチーフ…その神秘的でありどこか笑える象徴的なアイテムを、数々のブランドが自分たちなりの解釈で発表してきました。
性器というある種タブーな感じのするモチーフを、ファッションという「身につけて見せる」要素のあるところに取り入れるというのはかなりパンクな感じのする行いであるといえます。
アイテムとしては、ネックレスやピアスなどのアクセサリーが圧倒的に多く、物足りないコーディネートになってしまった際に、ちょっとしたスパイシーなアクセントとしてペニスを身につける事ができるものが多いのが特徴。
最初は身につけるのに少し勇気がいるかもしれない、でも寄り添ってみればその親しみを感じる姿と心地よい温もりに離れられなくなる…そんな蠱惑的なペニスモチーフのアイテムを、一体どんなブランドが展開してきたのか?
次の項では実際のアイテムと共にご紹介していきます。
ペニスモチーフを発表したブランドたち
Vivienne Westwood
まずは誰もがご存じ、イギリスのパンクの女王が作るブランド、Vivienne Westwood(ヴィヴィアンウエストウッド)。
デザイナーであるヴィヴィアンのパンク精神がかなり強い形で発露したといえるのが、度々展開されてきたペニスモチーフのアクセサリーたちです。
もはや定番といってもいいほど、様々なパターンでペニスモチーフのアクセサリーを展開。
シルバー等で作られたものが多いようです。
輪っかにペニスを通して留めるタイプのブレスレット。 引用ginkinya.jp
非常にビッグなペニスのペンダント。 引用metro.co.uk
ペニス部分がホイッスルになっているキーリング。吹けます。 引用studiobrillantine.com
2本の磨き上げた剣が交わるかのごとくペニスが配置されたTシャツ。 引用morphine.online
ヴィヴィアンファンからすると「ペニスモチーフ?いつものことでしょ」というくらい度々登場するヴィヴィアンのペニスモチーフ。
ヴィヴィアンは、「パンクの女王」と言われるほど、自らの思想や主張をファッションに託して発表してきた人でした。
「パンク」とは自分の芯や考えをしっかりと持ち、それが侵害されるような時や自分で納得のいかない時、しっかりと声を上げて「NO!」と言い、世界を変えるために行動することだといえます。
Vivienne Westwoodがペニスモチーフを発表することは、このパンクの精神と深く結びついていることで、ヴィヴィアンはただインパクトがあるからといってペニスモチーフを使っているわけではありません。
ヴィヴィアンの根底には、「ジェンダーの壁を取り払いたい」「ジェンダーにまつわる偏見を覆したい」という強い思いがあります。
「男だから男らしく」「女だからお淑やかに」なんていう前時代的なジェンダー感に、ヴィヴィアンは「NO」を突きつけ続けてきました。
実際、Vivienne Westwoodはレディース向け、メンズ向けとデザインを分けて展開していますが、「どちらの性別向けのデザインをどちらの性別が着てもいい」という思想を持っています。
Vivienne Westwoodの公式ECサイトにいくと、レディース向けのデザインのアイテムであっても、男性という性別を選んで身長、体重を入力してフィッティングすることができます。(サイズ展開的に対象外のアイテムもあります)
このように、ヴィヴィアンは、どんなデザインの服もどの性別の人間でも好きに着たらいいじゃない、という思想でブランドを作ってきました。
ペニスモチーフを度々使用することにおいても、ある種タブーとされている性器を堂々とデザインすることで、ジェンダーに対する意識を変えていきたいと願っていました。
ただ一度きり、デザインに入れて話題をさらうというのではなく、何度も定番的にアクセサリーとして展開していたのも、「別にペニスモチーフなんて普通のこと」という意識を世間に浸透させたかったからかもしれません。
しかし、ヴィヴィアンウエストウッドいうチャーミングな女王様の仕事ですから、「シリアスに世界に物申す」というのではなく、デザインに遊び心も感じられ、「アクセサリーとして身に付けてもいいかも!」と思える魅力がしっかり感じられるのがさすがといったところです。
JW ANDERSON
ユニクロとの長年のコラボでも知られるイギリスのブランド、「JW ANDERSON」。
ユニクロコラボでは、大人向けながらどこか可愛らしさが感じられる、ジェンダーレスなコレクションが人気ですよね。
デザイナーのジョナサン・ウィリアム・アンダーソンは、ロエベのクリエイティブディレクターとしても知られています。
実は日本にここまで浸透しているこのブランドでも、尖ったペニスモチーフのアイテムを展開しています。
ブランドを象徴するアイテムの一つとして展開されているのがこのレザーで作られたペニスモチーフ。
キーチェーンやコインケースとして、定番的に展開しています。
カラーが豊富で、ポップなアイテムに昇華されているのがJW ANDERSONらしいですよね。
また、「トム・オブ・フィンランド」とコラボしたカプセルコレクションでは特別仕様のペニスモチーフをリリースしました。
このコレクションは、6月のプライド月間(LGBTQ+の権利を啓発する活動が世界中で行われる月)に向けて展開されたもので、ゲイのアーティストであるトム・オブ・フィンランドの艶めかしいイラストのバッグなど、かなりゲイカルチャーをフィーチャーしたラインナップとなっていました。
トム・オブ・フィンランドは、当時同性愛が法律で禁止されていた第二次世界大戦後のフィンランドで、イラストによって同性愛者への嫌悪や偏見と戦ってきた人物です。
トム・オブ・フィンランドとは、これまでに複数回のコラボレーションをおこなっており、おなじみのペニスモチーフにスタッズを施したキーリングは非常に評判がよく、このコラボでは継続的に展開されていました。
コラボ第二弾より 引用morphine.online
このように、トム・オブ・フィンランドの美麗なイラストはもちろん、レザーのモチーフにスタッズをつけたチャームなども非常にフェティッシュで、「エロい」コレクションとなっています。
デザイナーのアンダーソン氏は、自身もゲイであることを公言しており、その美意識はブランドのデザインにも存分に発揮されているといわれています。
このカプセルコレクションについても、
「ゲイでありデザイナーであるトム・オブ・フィンランドは、いつも私を魅了してきました。 彼のドローイングを含むあらゆる種類のアートを集めています。JWアンダーソンコレクションでそれらを使用できることはとてもエキサイティングです」
と語っています。
LGBTQへの支援的な意味合いはもちろん、アンダーソン氏の根底にあるフェティシズムへの情熱がスタイリッシュに昇華されており、男性でも女性でも、身に付ければちょっと危険で魅力的な存在になれそうです。
Saint Laurent
世界に名だたるラグジュアリーブランドであるSaint Laurentからも、ペニスモチーフのアクセサリーが2018年、発売されていました。
しかも前述のJW ANDERSONのポップなデザインとは正反対の、かなりリアルなペニスを象ったアクセサリー。
ネックレス、ピアス共に真鍮でできており、しっかりとブランド名の刻印も。
商品名もそのままの「ペニス・ペンダント」と「ペニス・ダングル・イヤリング」。
非常に潔い一品です。
上記の写真では分かりにくい部分もあるのですが、身に付けている写真を見ると、サイズ感的にかなり大きめでインパクト抜群。
サンローランがペニスモチーフを用いたことへのデザインの意図についての記述は見つけられなかったのですが、ここまでリアルでサイズもしっかりとあるペニスモチーフは、もはやご利益がありそうです。
TOM FORD
更に遡ると2014年、TOM FORDもペニス型のネックレスを発売して物議を醸していました。
18金ゴールド/シルバーを使用したラグジュアリーな仕上がりで、大人の方にもぴったり。
ペニスモチーフながらクロス(十字架)の形にも見えるとのことで、カトリック連盟や同性愛嫌悪団体から強いバッシングを受けていたそうです。
特にTwitterでは、過激な言葉がデザイナーのトム・フォード本人に数多く向けられていたとか。
2014年のホリデーシーズン(クリスマス)に向けての発売だったこともあり、宗教的にややセンシティブな所に触れてしまった、またトム・フォードがゲイであることを公言していたということも一因かもしれません。
しかしトム・フォードは発売を取りやめることはなく、更にネット上での宣伝を継続。
強いポリシーの元にこのデザインを発表したことがわかりますね。
トム・フォードは、JWアンダーソンの項でもご紹介したアーティスト、トム・オブ・フィンランドに影響を受けているそうで、彼がアートを通して同性愛者への偏見を払拭しようとした精神に共感したうえで、このように強いポリシーでペニスモチーフを発表したのかもしれません。
2014年ともなれば、今から約10年前の出来事。
こういったデザイナーたちの「戦い」があってこそ、その頃から比べてペニスモチーフを取り巻く状況は良くなっているのかもしれません。
Walter Van Beirendonck
ペニスモチーフの帽子を展開した2008SSコレクション 引用waltervanbeirendonck.com
Walter Van Beirendonckは、アヴァンギャルドで挑戦的なデザインで知られるベルギーのブランドです。
「アントワープ・シックス」の一員としても知られているウォルター・ヴァン・ベイレンドンク氏の作品は、個性的でポップな表現に乗せて強い社会的、政治的メッセージを発信するのが特徴。
ウォルター氏は度々このブランドや前身ブランドである「W<」においてペニスモチーフを展開することがあり、アパレルやアクセサリーなどに落とし込んできました。
実際に、ペニスの形をした帽子や、ペニスを模したプリント、刺繍が施された服などが彼のコレクションに登場しています。
ペニスを丸出しにした自身をモチーフにした「ウォルターマン」のTシャツ 引用farfetch.com
ペニスモチーフの帽子を自ら被ったウォルター氏 引用dazeddigital.com
ルックス的にかなりのインパクトがあるものが多く、そのポップさと衝撃に心を奪われてしまいますが、当然、彼は単なる「ネタ」としてペニスモチーフを展開しているのではありません。
自身がゲイであることを明かしている彼は、体とセクシュアリティに対する違和感や疑問、そしてそれらをどのように受け入れるかというメッセージを込めてペニスモチーフを展開しています。
自分自身がペニスを丸出しにした姿をモチーフにしたキャラクター、「ウォルターマン」を度々作品に登場させることもあり、これによって「何も隠すことなく、検閲することもなく、ありのままの自分を全て捧げる」という自身のファッションに対する姿勢と、「セックスもラヴと同じくらい人生において大切なこと」というメッセージを表現しています。
ウォルター・マン 引用freemagazine.jp
こういった社会的なメッセージは当然このブランドの魅力ではありますが、それとは別に彼自身はポルノやセックストイへの無邪気な愛着も語っており、「メッセージ性」と「嗜好」がうまく溶け合った人間らしさが、またこのブランドを一層魅力的にしているといえます。
なぜ私たちはペニスモチーフに惹かれてしまうのか
ここまでペニスモチーフを展開してきたブランドについてお話してきました。
発表のたびに度々話題になり、ネットニュースなどで盛り上がるペニスモチーフ。
なぜそこまで私たちの心はペニスモチーフに惹きつけられてしまうのか?
ここからは大幅に主観の含まれる内容ですが、考えてみました。
ブランドのポリシーに共感できるから
前項でもお話したように、これまでペニスモチーフを発表してきたブランドたちは、何も「ただ面白いから」「デザイン的に優れている(?)から」というだけでペニスモチーフを用いてきたわけではありません。
各々のブランド、デザイナーにポリシーがあり、ペニスモチーフを通じて伝えたいメッセージがあり、ペニスモチーフによって変えたい世界があって、デザインにしています。
例えばヴィヴィアンウエストウッドの「偏見を覆したい」というパンク精神や、JWアンダーソンのゲイカルチャー的美的感覚への共感、共鳴などを経て、ファンは実際にアイテムを身に付けたいと思うのではないでしょうか。
私たちが好きなブランドを選ぶとき、もちろんデザインが格好いいからというのが一番にくる部分はあるかもしれませんが、ブランドのポリシーへの共感や、デザイナー自身への愛着などから好きなブランドを選ぶ事も大いにあるといえます。
それを経て、メッセージ入りのブランドTシャツや、その他のブランドのアイテムを選ぶということは、ペニスモチーフ以外でも度々あることですよね。
ペニスモチーフにおいてはやや世間の目も気になる…という方も多いでしょうから、よりブランドやデザイナーへの愛が試されるアイテムということで、より深い共感を示すことが出来るかもしれません。
面白いから
これは説明不要でしょうか。
私たちは幼少の頃から、う◯こやち◯こなどの、いわゆるお下品なモチーフに対して非常に親しみ深く、それをジョークのネタとして楽しんできたという歴史があります。(個人差あり)
小学校で初めて会うお友達、ほとばしる緊張…でもそこにちょっとお下品な魔法のフレーズが取り交わされれば一瞬で共感、笑いが生まれるなんてことは、ご自身の記憶にあるという方も多いのではないでしょうか。
そんな幼少の頃に慣れ親しんだモチーフである男性器というものへの親しみは、大人になっても私たちの心の奥底に眠っているといえます。(個人差あり)
ブランドが発表したペニスモチーフを見たとき、この心の奥底に眠る親しみの感覚が一気に蘇り、童心に帰ってしまう…ペニスモチーフにはそんな魔力があるのかもしれません。
「何はともあれ面白い、ちょっと笑える」
そんな素直な気持ちでペニスモチーフに向き合うということもひとつの美しい形だといえるでしょう。
官能的だから
上述のような「面白さ」を抜きにしてもペニスモチーフはその性質上、官能的な印象を受けるという側面もあります。
そんな官能的なモノを身につけたい!という気持ちをペニスモチーフに感じるというのも、もちろん自然な心の動きではないでしょうか。
「エロい」という公共性のある場ではやや憚られる感覚も、ファッションや芸術の世界では欠かせない要素といえます。
日本の古い文化である「春画」をモチーフにした洋服などを展開するブランドもあったりしますし、官能的なモチーフをファッションに取り入れることは、身につける人を魅力的に見せたり、ちょっと危ない雰囲気を演出出来たり…など、素敵な効果が期待できるかもしれません。
エロいものはエロい、そんな素直な気持ちでペニスモチーフを楽しむのも、とても健康的な楽しみ方だと思います。
中古市場での評価について
ここまで、さまざまなブランドがリリースしてきたペニスモチーフのアイテムについてご紹介してきました。
もちろんブランドによってさまざまですが、「中古相場ってどうなの?」という事についてお話していきたいと思います。
まずヴィヴィアンウエストウッドについてですが、「ペイガンブレスレット」と呼ばれる、片方の輪っかにペニス型モチーフを通して留めるタイプのブレスレットが人気で、中古市場でも多く取引されています。
こちらは5,000〜1万円前後くらいまでの金額で取引されていることが多く、中古市場での取引数もかなり多いようです。
JWアンダーソンについてですが、ペニス型レザーのキーホルダーは5,000円前後、トム・オブ・フィンランドとのコラボレーションアイテムについては、なかなかレアで中古市場での流通は少なそうです。
もしトム・オブ・フィンランドとのカプセルコレクションがありましたら、KLDでは強気のお見積りをさせていただきます。
サンローラン、TOM FORDのペニスモチーフのジュエリーについては、国内での中古市場での取引履歴は少ないようで、こちらもレアな商品として高く評価される可能性が高いです。
もちろんKLDでも強気のお見積りをいたしますのでご相談ください。
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ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださりありがとうございます。
「ペニスモチーフ」というある種タブーにも触れるような表現、それを強いポリシーを持って発表してきたブランドについてご紹介してきました。
KLDでは今回ご紹介したブランドのジュエリー、アパレルなど、幅広くお買取を強化しております。
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