セレオリってダサい?ちゃんとした“ブランド"なの?
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
みなさんは、「セレオリ」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「セレクトショップオリジナルブランド」略して「セレオリ」。
本来、さまざまなブランドをセレクトして販売していたショップが、独自に展開している自社ブランドを指す言葉です。
今回は、「セレオリってそもそもブランドとして認定していいの?」「セレオリってダサい?」という疑問に対しての当社の見解や、セレオリの詳しい実態、中古相場についてご紹介いたします。
- そもそもセレクトショップとは?
- セレオリとは?
- セレオリって結局どうなの?
- 実はこのブランドもセレオリだった!
- 中古市場での評価
という形でみなさんのセレオリへの疑問を解決すべく、解説していきます。
中古相場についてもお話していきますので、ぜひご覧ください!
目次
そもそもセレクトショップとは?
セレクトショップとは、その名の通り、さまざまなブランドのアイテムを「セレクト」して売る小売店のことです。
デザイナーズブランドの展示会に赴き、新商品をセレクトして卸値で購入、それを店舗に並べて売る…簡単にいえばそういった業態のショップが「セレクトショップ」です。
日本でも多くのセレクトショップが人気を博しており、例えば以下のショップは、いわゆる「セレクトショップ」という業態のものになります。
- BEAMS(ビームス)
- UNITED ARROWS(ユナイテッドアローズ)
- SHIPS(シップス)
- NANO universe(ナノユニバース)
- URBAN RESEARCH(アーバンリサーチ)
- ADAM ET ROPE’ (アダムエロペ)
- TOMORROWLAND(トゥモローランド)
- HOLLYWOOD RANCH MARKET(ハリウッドランチマーケット)
- BAYCREW’S系列(Journal Standard、IENA、Deuxieme Classe、EDIFICE…などなど)
- STUDIOUS(ステュディオス)
- FREAK’S STORE(フリークスストア)
上記以外にも日本にはセレクトショップが多数存在し、とても載せきれないのですが、このように多くのショップが「セレクトショップ」として事業を展開しています。
セレクトショップという業態の起源としては、70年代にジーンズなどのカジュアルアイテムを輸入して販売するショップが、現在のセレクトショップのような立ち位置になっていったそうです。
現在はオリジナルブランドの展開に力を入れているショップが多く、「え!このブランドもセレクトショップだったの?」と驚くこともあるかもしれません。
セレオリとは?
では、そもそも「セレオリ」って何なの?ということについてお話していきます。
その名のとおり、セレオリ(セレクトショップオリジナルブランド)とは、セレクトショップが独自に作っているオリジナル商品のことです。
一般的に服のタグにそのショップ名が入っていることが多いです。
例えば、大手セレクトショップのBEAMSであれば、タグに「BEAMS」とロゴが入っている商品はBEAMSのオリジナル商品です。
UNITED ARROWS系列のグリーンレーベルリラクシングやBEAUTY&YOUTHなども、テイストに合わせてブランド名を変えて展開していますが、「UNITED ARROWS」という表記が基本的に入っており、系列のブランドであることが分かります。
このように、各セレクトショップの中で展開しているブランドは1つ!というよりも、様々なラインに細分化して展開していることが多くあります。
セレオリの比率
現在、セレクトショップの商品比率におけるセレオリの比率は7~8割と言われています。
セレクトショップとは言っても実はオリジナルの商品展開の方が多くなっているんですね。
本来のセレクトショップの役割ともいえる、バイヤーなどによってセレクトされた商品は現在、わずか2~3割にすぎないそうです。
それもそのはず、多くの大手セレクトショップは、業績を伸ばすと共に自然とオリジナル商品を増やしてきたという歴史があります。
しかし、オリジナリティのあるセレクトによって個性を打ち出すのがセレクトショップの魅力であるはずなのに、セレオリを増やすにつれて、没個性なショップが出来上がってしまったというのが昨今の現状といえます。
では、なぜセレオリがセレクトショップを埋め尽くし、そういった個性のないショップへと変貌させる要因となったのか。
次の章ではセレオリ登場から今の現状について掘り下げていきます。
セレオリ登場の流れ&もたらした現状について
セレクトショップというのは元来、バイヤーのチョイスによって選ばれたブランドによって構成されるショップでした。
しかし業績を伸ばそうとすると、利益率の決して高くないこのビジネスモデルではやっていけないという状況が訪れました。
そこで、大手セレクトショップは利益率の高い自社商品(セレオリ)を数多く作り、利益率の低い仕入れ商品を減らすことによって、全体の利益率を上げるという戦略に打って出たのです。
この戦略は順調にいっているかのように見えました。
しかし、近年になって自社企画商品であるセレオリの比率を高めることが、必ずしもショップとしての成功であると言える状態にはならなくなってきたのです。
というのも、仕入れ商品は良くも悪くもショップの個性が反映されます。
元々セレクトショップというのは各々個性が際立ったブランド選定を行っていたので、ショップそれぞれの個性が強く、「わざわざその店に行く意味」がしっかりあり、それゆえに愛されていたという側面があったのです。
しかし、仕入れ商品を減らすことによって、店側の個性が弱まってしまうという状態が生まれました。
また、そこで同時に発生したのが、「セレオリ商品の同質化」です。
「セレオリ商品の同質化」とは、それぞれのセレクトショップ間における、セレオリの商品展開の差があまりない状態になってしまったということです。
それぞれのショップがオリジナルの商品を作っているはずなのに、どうして同質化してしまうのでしょう?
その原因については、まず「セレオリ」がどのように作られているかを紐解いてあげる必要があります。
セレクトショップがオリジナル商品を作るにあたって、商品が同質化してしまう大きな原因は、以下の3つにあると考えられます。
- デザインを作る際のトレンドソースが同じである
- 製造を商社に委託している
- 商品企画をOEM/ODM業者に任せる場合もある
デザインを作る際のトレンドソースが同じである
まず前提として、セレオリは利益率を高めるためトレンドを意識した商品開発をしています。
これは、多くの大手セレクトショップがとった戦略と言えます。
それにより、そもそも企画の段階で提案される商品が、デザイナーの個性が反映された「デザイナーズブランド」とは真逆の、「トレンドを強く意識しすぎた作り」になってしまったのです。
製造を商社に委託している
セレオリに限らず、服を作る際はアパレル系の商社にデザインを持ち込んで依頼し、製造することが多くあります。
そして今現在、国内のアパレル商社は数えるほどしかないのが現状です。
従って、セレオリと呼ばれるすべてのブランドがそれら少数しかない商社によって作られます。
こうなると必然的にデザインやディテール、生地などが似てくるという事態に陥るのです。
商品企画をOEM/ODM業者に任せる場合もある
実はセレオリの世界では、デザイン自体も自社ではおこなわず、委託してしまうというパターンもとても多くあります。
そもそも自社で企画デザイナーやパタンナーを抱えている会社があまりにも少なくなってきているという現状もあるようです。
ここまでくると、一つ疑問に感じる方もいるかと思います。
自社で企画・生産した「オリジナル」ブランドがセレオリであるはずなのに、実態は、企画・生産を商社やOEM/ODM業者に丸投げしている所が多いという現状。
これでは、当然セレオリに個性は生まれない状況となってしまいますよね。
上記のような要因から、セレオリの商品には個性がない、同質化してしまうという状況が生まれているといえます。
しかしそれを覆すように、自社にデザイナーを抱えてオリジナル商品の開発にしっかり力を入れているブランドもあります。
Deuxieme Classe(金川博子)、ROKU(吉田恵理子)など、デザイナーやディレクターとして、クリエイターにデザインの舵を切らせているブランドはセレオリの中でもデザイナーズブランドに近い評価をされており、人気も高い傾向があります。
セレオリの価格
一般的には、セレオリはセレクトされたブランドより安価であり、購入しやすいという側面があります。
セレオリが安い理由として、中間マージンが無く、コストが抑えられることや、サイズ展開を少なくして(レディースブランドのワンサイズ展開など)抱える在庫を少なくしたりなど、様々なものがあります。
このようにセレオリの商品は安価にはなっているのですが、セールにかかる幅も大きく、市場流通量も多いのが特徴。
そういった理由から、中古市場において、基本的には再販価値は高くないというのが現状です。
セレオリって結局どうなの?
ここまでセレオリとはどのようなものか?をさまざまな角度から解説してきましたが、ここでは「実際、セレオリってどうなのよ?」という事についてお話していきたいと思います。
セレオリって結局ブランドなの?
結論からいうと、KLDではセレオリは、ブランドの1つとして成立していると考えています。
デザイナーがいてブランドっぽい運営をしているか、OEMでより大量生産らしい商品展開か…などは、ブランドによってグラデーションがあり一概にはいえないところですが、それでもどのセレオリも、ブランドとして成立しているといえるでしょう。
しかし、中古相場に関しては、先述のようにデザイナーズブランドよりも弱い傾向があったりする部分は否めない…というのが事実ともいえます。
セレオリって結局ダサいの?
セレオリの印象について聞くと、
「脱オタするにはまずセレオリを」「ファストファッションより一歩進んだおしゃれはセレオリから」
というポジティブな印象から、
「コスパが悪い」「ダサい」「値段のわりに質が低い」「そもそも買わない」
「服好きからの評価が低い」「セレオリ同士の違いがわからない」
というネガティブな印象まで様々あるかと思います。
しかし、これも先述のように、セレオリでもしっかりとデザイナーやディレクターを立てて、デザイナーズブランドのように運営しているセレオリもあり、こういったブランドは中古市場でもデザイナーズブランドと遜色ない評価をされている事も多々あります。
セレオリの同質化のところでも解説したように、「“セレオリ”ってどれも同じでしょ?」という見方をされる事も多くなったことにより、「セレオリってダサい」という意見などが生まれたのではないかと思います。
しかしそんな中、世間の声を跳ね返すように商品開発にしっかりと力を入れているブランドや、“セレオリ感”を出さずに展開しているブランドも多く、以前はセレオリを買わなかったユーザー層も取り込んでいます。
このように、また“セレオリ”が面白くなっていく可能性も高く、セレオリだからといって一概に「ダサい」とはいえない時代になってきているといえます。
実はこのブランドもセレオリだった!
「セレオリとは?」の項の最初で、セレオリは基本的にはセレクトショップの名前が記載されている事が多いとご紹介しましたが、実はセレオリにはそうではないブランドや、セレオリ自体が売れすぎて「これってセレオリだったの?」というブランドも存在します。
ここでは、そんなちょっと意外?な「実はセレオリだった」ブランドをご紹介していきたいと思います。
DRAWER
UNITED ARROWSが展開しているセレクトショップであるDRAWER(ドゥロワー)。
引き出しの上段に上質な物を入れたというイギリスの風習から、DRAWER=引き出しというブランド名でセレクトと併せてオリジナル商品を展開しています。
このDRAWER、オリジナルブランドの展開もしているのですが、「セレオリ」のイメージを覆すほどにお値段が高めに設定されています。
なおかつ、デザインもベーシックなものから攻めたものまで展開しており、デザイナーズブランドさながらの商品展開をおこなっているのが魅力。
ブランドとして独特の世界観を持っているので、セレオリという事を知らなかった方もいるのではないでしょうか?
かなり個性的なアイテムなどもありますので、「セレオリ=没個性」のイメージを払拭したい方にもおすすめです。
DRAWERを含むユナイテッドアローズ系列についてはこちらの記事もどうぞ
Deuxieme Classe
BAYCREW’Sが展開するセレクトショップであるDeuxieme Classe(ドゥーズィエムクラス)。
フランス語で「二等車、二番目」の意味を持つブランド名で、「ファッションの基本・根底といえるトラッドをベースに、肩肘はらず少しだけ着くずす、そんなオシャレやライフスタイルを愉しもう」がテーマ。
大人の女性に向けた、上質でタイムレスなセレクトも魅力ながら、オリジナルの商品展開がとても人気のブランドです。
セレオリとは思えないくらいこだわった商品作りをしており、シンプルながら、普通の“セレオリ”のイメージとは一線を画すセンスの良さと、それを活かす上質な素材が魅力。
金川博子さんというデザイナーがデザインを担当しており、明確に一人のデザイナーを置いて商品作りをおこなっているのはセレオリでは少数派。
それゆえに、しっかりとユーザーのニーズを捉えた商品作りで、セレオリとしては異例なほど愛されているブランドとなっています。
Deuxieme Classeについてはこちらの記事もどうぞ
Needles
セレクトショップであるNEPENTHESが展開するオリジナルブランドという事で、厳密にいえばセレオリの定義からは外れるかもしれないのですが、元々はセレクトショップから始まったということでご紹介させていただくのがこのNeedles(ニードルス)。
カジュアルアイテムを輸入して販売するショップだったNEPENTHESが、そのビジネスモデルだけでは厳しさを感じて立ち上げたという経緯のあるブランド。
しかし今や人気すぎて普通のドメスティックブランドと思っていた方も多いのではないでしょうか?
蝶の刺繍の入ったトラックジャケット/パンツなどは不動の人気アイテムとして、中古市場でも非常に高い人気を誇っています。
Graphpaper
こちらももはや人気すぎてほぼ普通のドメスティックブランドと認識されているのではないでしょうか。
Graphpaper(グラフペーパー)は、クリエイティブディレクターである南貴之さんが作るブランドです。
Graphpaperは2015年に立ち上げられたセレクトショップ。翌年に、オリジナルブランドとして同名のブランドを立ち上げています。
南貴之さんは元々H.P.FRANCEに在籍しており、そこでCANNABIS, FACTORY, Sleeping Forestという3つのセレクトショップの立ち上げをしたり、更には1LDKのオープンを手掛けたりなど、セレクトショップのプロと言ってもいい経歴を持つ人物。
Graphpaperはそんな中でセレクトショップとして生まれ、現在はブランドとして非常に人気が高く、今ではあまりセレオリという認識で着ている人はいないのでは?というほどのブランドとなっています。
中古市場での評価と当店での取り扱いについて
ここまで「セレオリ」の世界の魅力と実態についてお話してきました。
ここまででも少し触れてはきましたが、ここでは「セレオリ」って中古市場ではどんな風に評価されてるの?というお話をしていきたいと思います。
基本的に、「セレオリ」と呼ばれるブランドに関して、一般的なデザイナーズブランドよりも中古市場での評価は高くない傾向があるといえます。
ここまでお話したように、やはり定価がそこまで高くなく、新品でも購入しやすいこと、またセールなどで大幅な値下げをされる事が多いことなどから、中古市場でも比較的低価格で取引されることが多くなっています。
しかし一部の、しっかりとデザイナーを抱えて自社でデザインをおこなっているブランドなど、ひとつの独立したブランドとして認識、評価されているセレオリブランドは中古市場でもデザイナーズブランドと遜色ない評価を受けています。
また、セレオリがデザイナーズブランドとコラボしたり、別注をおこなったりしたアイテムに関しては、通常の展開よりも高い価格で評価される傾向が強いです。
KLDでも、基本的にセレオリブランドのお品物は発売から3年以内のものはお取り扱い可能となります。
しかし、今回ご紹介した高く評価されるセレオリブランド等に関しては、発売からの年式に関わらず強気のお見積りが可能ですので、ぜひご相談ください。
強気のお見積りが可能なセレオリの一例
- Graphpaper
- Needlesなど、ネペンテス系列
- Deuxieme Classe系列
- IENA系列
- DRAWER
- 6(ROKU)
上記の他にも強気のお見積りが可能なセレオリブランドは多数ありますので、お気軽にご相談ください。
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださりありがとうございます。
セレクトショップオリジナルブランドと一口に言っても評価されるブランド、そうでないブランド…など様々なものがあり、意外と奥深い「セレオリ」の世界。
お手持ちのセレオリアイテムで気になるお品物がありましたらぜひKLDにご相談ください。
宅配買取というと、
「時間かかるんじゃないの?」「面倒臭そう…」「配送料の分、買取金額を安くされそう…」
という不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実はそんなことも無いんです。
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