MILKデザイナー、大川ひとみってどんな人?
大川ひとみさん 引用fashionsnap.com
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
「原宿」という街を主な舞台として、フリルやリボンなどを使ったガーリーなファッションを軸に独自のストリートファッションを提案してきたブランド、「MILK(ミルク)」。
MILKは、1970年にブランドが始まって以来、50年以上に渡ってファンを獲得し続ける、世界中で人気のブランドです。
今回はそのMILKのデザイナー、「大川ひとみ」さんについてご紹介します。
彼女は“日本のヴィヴィアン・ウエストウッド”とも称されるデザイナー界のレジェンドですが、実は彼女自身の露出は多くありません。
その理由は、デザイナーが前に出すぎると、ブランドにもその色がついてしまう…と懸念しているからなんだとか。
そのような理由から、自身が大きくメディアに出てくる機会は少ないのですが、彼女は日本のファッションを牽引してきた“原宿”を中心に、様々な領域のクリエイターと交流を持ち、国内外・分野を問わず活躍し、今もなおファッションを世界に届け続けています。
今回は、そんな大川ひとみさんについて、その経歴や手掛けたブランド、彼女を取り巻く交友関係などを交えてご紹介していきます。
今回は、
- 大川ひとみの経歴
- 大川ひとみの交友関係
という形で、大川ひとみさんについて掘り下げてご紹介していきます。
デザイナーについて深く知ると、よりそのブランドに対しての愛着が沸くこともあると思います。
ぜひご覧ください。
目次
大川ひとみの経歴
「写真家」から「ファッション」への方向転換
大川ひとみさん 引用nakamuranon.hatenablog.com
大川ひとみさんは、1947年4月22日に、兵庫県芦屋市で生まれました。
もともと彼女の両親が洋服好きだったため、家にはいつも「VOGUE」「Harper Bazaar」といった、海外のファッション雑誌や写真集などが置かれていました。
時間があるときはいつもその写真を見ていたことが、彼女のファッションへの道を進む原点であったといいます。
彼女はもともと絵を書くことが好きで、美術作品を見たり、自ら作り出したりすることが趣味のひとつでした。
写真集などを日常的に見るようになってから、絵画だけではなく写真にも興味を持ち、美術大学に進学していきます。
その美術大学でも写真部に所属し写真家を目指していましたが、途中で幼少期から興味のあった「ファッション」の道に進むことを決意。
自身の夢に向かって、大きな方向転換を行ったのです。
余談ですが、ブランドのデザイナーの多くは、服飾専門学校などでファッションの基礎を学ぶケースが多いのですが、彼女は独学で服作りを突き詰めて成功しています。
ほかにも、領域問わずディレクターとして活躍している「藤原ヒロシ」、コムデギャルソンを立ち上げた「川久保玲」、SOPHNETのデザイナーの「清永浩文」なども、専門的な教育を受けずにファッションでその名を轟かせています。
「MILK」を原宿で開業
創業当時の店舗 引用fashionsnap.com
独学で腕を磨いていき、ついに1970年、両親からの出資を受けながら、まだ若者で溢れかえる前の東京・原宿で「MILK」をスタートさせます。
MILKが作られたきっかけは、ロンドンの「バスストップ」というショップ。
彼女はそのショップが非常に好きで、「こういうかわいいお店、ブランドが日本にはない」「無いなら自分で作ろう」という思いからブランドを立ち上げることになりました。
店舗の場所を原宿に選んだ点については、彼女自身が原宿を“かっこいい街だ”と認識していたから。
ほかのエリアには無い若いパワーを実感できて、自分の好きな街・ロンドンに似た空気感を感じ取ったからだといいます。
そしてブランド立ち上げ当初のアイテムのラインナップは、フリルやギャザーがたっぷりあしらわれたブラウス、太いパンタロン、リボンなどの可愛らしいモチーフの雑貨…「ロリータ・ファッションの源流」とも言われる、いわゆる可愛らしいアイテムたち。
当時の日本にはそういったテイストの洋服があまり無かったので、すぐに大きな話題を呼びました。
彼女も店舗を立ち上げた当初のことを、「お店のキャパシティに対して需要が想像より高かった」と語っているほどで、そう時間はかからずに、客足の絶えない人気ショップへと成長していったのです。
70年代の原宿MILK。お店の中、入り口。外のベンチ。毎日のように通ってました。
開店当時は「売るものがなくなっちゃうから、あんまり買わないで」と言われるほど。 pic.twitter.com/s8gh9sTrs7— 高橋 靖子 (@yacco_takahashi) May 26, 2015
スタイリスト、高橋靖子さんの当時を振り返る投稿
「MILK BOY」をスタート
2022AWコレクションより 引用Instagram@milkboy_official
2023AWコレクションより 引用Instagram@milkboy_official
時を同じくして”原宿”全体がファッションの街として進化していくのと同様に、MILKも目を見張るスピードで売上を伸ばしていきました。
おしゃれ好きはもちろん、ストリートファッションや古着、パンク好きな少女たちのアイコンとして、あっという間にそのファンの数を増加させていったのです。
MILKの事業を軌道に乗せることに成功した後、その勢いはそのままに、1974年に男性向けの新たなブランド「MILK BOY」をスタートさせました。
もともと彼女の中の”自分の人生でやりたいこと”は、「自分のためではなく、女の子のために、可愛い洋服を作ること。自分は裏方として、ファッションを届けていくこと」。
MILKはもちろんのこと、このMILK BOYもその一環でした。
MILKの洋服全体が、「可愛い」「キュート」というイメージが定着してきた頃に、「こんな雰囲気のメンズの洋服があってもいいのでは」とひらめいたことで、MILK BOYの立ち上げにつながったそうです。
MILKもモデルや芸能人が着用していたことで有名になりましたが、MILK BOYはさらに幅を広げ、国内外の様々な著名人が着用し、話題を呼びました。
イギリスの俳優でありロックミュージシャンであるデヴィッド・ボウイや、言わずと知れたジョン・レノン(John Lennon)もその一人です。
着用していただけでなく、原宿の店舗に実際に通っていたという程ですから、その注目ぶりが伺えます。
様々な新ブランドを展開
それからも彼女は快進撃を続けていきます。
2005年には犬用のウェア・アクセサリーを展開する「DOG UNLEASHED BY MILKBOY」を、2017年には、MILKBOYのコンセプトショップ「LAND by MILKBOY」をオープン、同年には今までと全く雰囲気の異なる新ブランド「VIXEN PRODUCTS」を立ち上げました。
DOG UNLEASHED BY MILKBOY
まず1つ目に、2005年に立ち上げられた「DOG」。
これは、彼女自身がチワワを飼い始めたことをきっかけに、犬との生活を豊かにするように作られたブランドです。
コンセプトは、”犬と人間の楽しい付き合い”。
犬用のウェアなので、今まで作ってきたファッションアイテムよりも「汚れて何度も洗濯しても丈夫な生地」「動きやすさ、機能性」を重視してアイテムを作っていたそうです。
ほかにはないストリート性のあるドッグショップは話題を呼びましたが、2009年に惜しまれつつ閉店することになりました。
LAND by MILKBOY
LAND by MILKBOY×GALFYのコラボより 引用Instagram@landbymilkboy
2つ目は、「LAND by MILKBOY」。
LANDは、“ボーダーレス”をテーマに、池袋で開店したコンセプトショップです。
MILKが可愛らしい女性を、MILKBOYが男性をターゲットにしているのとは異なり、LAND by MILKBOYは、性別・年齢を問わずMILKBOYの世界観を体感できるユニセックスな雰囲気の店舗になっています。
LANDは、「原宿・日本だけに留まらず、直接ロンドンやニューヨークといった世界へと繋がる商品構成のものを立ち上げたい」という新しい試みから生まれました。
価格設定も抑えめで、他領域とのコラボ商品も多いことから、MILKの中でも最も気軽に取り入れることができるアイテムが揃っています。
VIXEN PRODUCTS
LAND by MILKBOY×GALFYのコラボより 引用Instagram@landbymilkboy
3つ目は、「VIXEN PRODUCTS」。
これは、今までの”可愛らしい雰囲気””キュートでポップな佇まい”という印象のMILKとは、全くイメージの異なるブランドになっています。
ブランドのコンセプトは、「緊急」を意味する「Emergency」。
彼女自身が触れてきた防災服を、もっと気軽にファッションに取り入れて楽しんでほしいという思いからブランドが生まれました。
アイテムのラインナップは、防弾チョッキから着想を得たようなベストやカットソー、SWATを連想させるようなアクセサリーや雑貨など。
MILK、MILKBOYの原宿店の地下に店舗を構える店内には、愛犬と一緒にくつろげるカフェスペースも併設されており、「DOG」閉店後の後継として犬と楽しめる場所も提供しています。
現在もファッションを発信し続けている
2023Autumn collectionより 引用Instagram@milk__official_
様々な領域に影響を与えた彼女は、特に若者からカリスマ的人気を誇り、MILKも日本を代表するブランドの一つとして大きく成長していきました。
また、彼女の歩んできたファッションの道は、「原宿」を“若者ファッションの象徴の町”に育て上げました。
彼女の手掛けた全てのブランドは原宿で人気を博し、コレクションやショーも同様に原宿で行う…これほどまでに一つの街にこだわったブランドは、世界でも類を見ません。
これこそが、彼女の「原宿はかっこいい町だ」という最初の考えに基づいた行動の結果であると言えます。
彼女は今現在も、国内外で世代の異なる様々なクリエイターと交流を持ち、常に新しいストリートスタイルを発信し続けています。
そして彼女は、いつでも新しい価値観を取り入れるようにしています。
実際に、自分の手掛けるショップの10代の販売員と一緒にランチを取りながら、「その着こなしかわいい!」と盛り上がったり、お客様の様子を直接見に行ったりすることもあるそうです。
大川ひとみの交友関係
前述したように、彼女は様々な領域のクリエイターと交流を持ち、自身の世界を広げ続けています。
それだけでなく、彼女は昔から「センスがいい」「一緒に何かやってみたい」というような自分の“第六感”を非常に大事にしていて、そう感じる無名のクリエイターのファッションセンスを育て、磨き上げることも多く行ってきました。
今回は、そんな彼女の交友関係についても触れていきます。
藤原ヒロシ
藤原ヒロシさん 引用therakejapan.com
ミュージシャンでもあり、ファッションデザイナーでもあり、また、「LOUIS VUITTON(ルイ・ヴィトン)」などの有名ブランドをはじめ、様々な企業とのコラボレーションの機会も多い、世界的に著名なクリエイター、「藤原ヒロシ」。
彼は1980年代にはDJとして活躍し、ミュージシャンとしての地位を確立してきました。
その後1990年代には、日本の「裏原」と呼ばれる場所でストリートファッションの一時代を築き上げ、“東京のキング・オブ・ストリート”とも呼ばれる存在へ。
それからも躍進を続け、世界のファッションシーンに影響を与える第一人者になっていった人物です。
そして今もなお、音楽・ファッションに限らず、様々な文化のディレクションを担うことで、世界中にファンを増やし続けています。
そんな彼との出会いは、藤原ヒロシが地元・三重から東京へ上京してきた10代の頃。
すでにファッション界で大成功を収めていた大川ひとみは、彼と出会った時のことを、「とてもセンスが良くて、すごくキュートだと感じた」と語っていて、それから彼らは密接な関係性を構築していきます。
左から藤原ヒロシさん、大川さん、スティーブンジョーンズさん 引用numero.jp
今でも良くご飯に行くような間柄だと言いますが、ファッションシーンでもその関わりは健在。
MILKやMILK BOYのファッションショーを行う際に、藤原ヒロシがショーミュージックを担当したこともあります。
その際、オリジナルの楽曲だけではなく、大川ひとみの作り上げるブランドの世界観に合わせてリミックスした楽曲を織り交ぜることで、唯一無二のファッションショーを作り上げる手助けをしていたんだとか。
お互いの“伝えたいこと”“信念・理念”を理解しあえている関係性だからこそ、こういった関わりが継続しているのではないでしょうか。
高橋盾
高橋盾さん 引用ringofcolour.com
パリコレの常連で、世界中で人気のあるメゾンブランド「UNDERCOVER(アンダーカバー)」のデザイナー、「高橋盾」。
彼は、文化服装学院でファッションの基礎を学びながら、在学中の1989年にはアンダーカバーを立ち上げました。
卒業後は、裏原宿に「NOWHERE(ノーウェア)」をオープンし、その生産数の少なさからもカルト的な人気を誇り、ファッションデザイナーとしての力を着実につけていきます。
2002年以降は毎年パリコレに参加するほどの人気ぶりで、世界中で非常に高く評価されているデザイナーの一人です。
そして、そんな彼と大川ひとみとの出会いは、NOWHEREのショップオープン頃。
「NOWHERE」は、今でこそ“裏原ブーム”の起爆剤になったショップとして有名ですが、当時まだ無名だった彼を、大川ひとみが非常に可愛がっていたんだとか。
朝までクラブで遊んだり、ファッションについて熱く語ったりと、藤原ヒロシも交えて交流を持っていたそうです。
余談ですが、高橋盾と藤原ヒロシの関係性も大川ひとみを介して始まっています。
以降、「AFFA(エーエフエフエー)」「SOMETHING ELSE(サムシング エルス)」などを共同制作したりと、彼らもまた深い関係性を築き上げ、裏原を盛り上げていった仲間となっていったのです。
大川ひとみと高橋盾とのエピソードで有名なのは、彼女がシャネルの洋服のリメイクを突然彼に依頼したこと。
もともと大川さんは彼の面倒をよく見ていたのですが、「ジョニオ君(高橋盾の愛称)ならきっと素敵にしてくれる」と信じて、着たいけどなかなか自身には似合わないと感じていたシャネルのジャケットを彼に渡して、「分解したり、切ったりしてもいいから」とリメイクをお願いしたそうです。
二人の仲が良いからこそ、また大川さんが高橋盾さんのセンスを信頼しているからこそのエピソードですね。
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
「原宿」という場所が格好よく、おしゃれな街になったことにかなり大きな影響を与えた存在である大川ひとみさん。
決して過去のレジェンドというわけではなく、現在も自身の感覚で街の雰囲気を感じ取り、ファッションを誰よりも楽しんでいる姿が印象的な方です。
KLDでもMILKのお買取が可能です。
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