Dries Van Notenデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテンってどんな人?

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こんにちは。ブランド古着のKLDです。

自然界のあらゆる美しいものや、様々な芸術から得たインスピレーションを、刺繍糸やスパンコール、最新のプリント技術などを使って表現し続けるブランド、Dries Van Noten(ドリスヴァンノッテン)。

デザイナーは、ドリス・ヴァン・ノッテン氏。

自然の美しさをこよなく愛し、二匹の愛犬と暮らす彼は、一体どんな人物なのか?

今回は、

  • Dries Van Notenとは?
  • デザイナーについて
  • Dries Van Notenを形作るもの

という形で、デザイナーの人となりを深掘りし、ブランドに対する理解を深めることが出来るお話をしていきます。

ぜひご覧ください。

Dries Van Noten(ドリスヴァンノッテン)とは


引用 fashion-press.net


デザイナー、ドリス氏 引用 wwdjapan.com

「Dries Van Noten(ドリスヴァンノッテン)」のデザイナーは、“ドリス ヴァン ノッテン(以下、ドリス)”。

ブランドは、1985年にベルギーで始まりました。
“ラグジュアリーな美術作品”とも言われ、ブランド誕生から現在に至るまで、様々なカルチャーやテイスト、時代を融合させた独自のスタイルを提案しています。

色へのこだわりや生地、素材への探究心が極めて強く、デジタルプリントといった革新的な新技術も取り入れたコレクションが特徴的です。
加えて、手刺繍など職人的な人間の手でもたらされる技術の継承も大切にしているブランドです。

デザイナーであるドリスは、1958年5月12日にベルギーのアントワープで、テーラーとブティックを経営する家に生まれました。

1977年に、ファッション専門学校であるアントワープ王立美術アカデミーのデザイン科に入学し、1981年に卒業。

1986年、同期生6人とロンドンファッションウィークに参加し、“アントワープシックス”として、その名を轟かせます。

1991年よりパリ・コレクションに参加。
以降、彼が創り出す伝統を重んじながらも、現代的にアレンジを加えた唯一無二のファッションは、世代や性別を問わず多くの人々から支持されています。

ブランドとしては、2018年に“ニナリッチ”や“ジャンポールゴルチエ”など多くのブランドのビューティ&フレグランスを手掛けるプーチの傘下に入り、新たな展開も広げています。

ブランドについてはこちらもどうぞ

Dries Van Notenを形作るもの

ここからは、Dries Van Noten(ドリスヴァンノッテン)というブランドを形作っている要素について深掘りしていきます。

ドリスの創造する、深みのある美しさと、新しさのある色彩の調和には、どの様な背景があるのか。

ドリスの感性に紐づくであろう、生まれ育った街や家族、創造への想いなどについてご紹介していきたいと思います。

“アントワープ”という街


アントワープにあるドリスヴァンノッテン店舗 引用 Instagram@driesvannoten


ベルギー北部に位置する街、アントワープ 引用 belgium-ex.com

ドリスが生まれ育ったベルギーのアントワープは、今でもブランドの活動拠点としている街です。

アントワープと言えば、世界有数のファッション街。
またドリスの出身校“アントワープ王立芸術アカデミー”は、多くのファッションデザイナーを輩出した学校としてもよく知られています。

今でこそ、ファッションに根付いた街としてアントワープは有名ですが、その知名度を向上させた人物の1人がドリス。
きっかけとなったのは、伝説の「the Antwerp Six(アントワープシックス)」の存在です。
日本では“アントワープの6人”とも呼ばれます。

ことの始まりは1981年、ドリスがアカデミーを卒業した後、街の政府が生産工場とデザイナーを結びつけるモード活性化の為のプロジェクトでした。

その企画に、アントワープ公立芸術アカデミー出身のドリスを含めた7人が参加しました。
メンバーは、“アン ドゥムルメステール”“ウォルター ヴァン ベイレンドンク”さらには”“マルタン マルジェラ”など、名だたる面々の7人です。

後に、マルタンマルジェラは、ジャンポールゴルチェに就職したことで途中で脱退し、メンバーは6人に。
その後1985年と86年に、ロンドンのファッションウィークでショーを開き、そのショーをマスコミが取材したことで瞬く間に6人は世界で話題となります。

1987年、伝説の「アントワープシックス」


引用 fashiontimes.it

その話題となったデザイナー6人こそが「アントワープシックス」です。
活躍した全員がアントワープの同アカデミー出身だった事から、6人をまとめてそう呼んだといいます。

そして“アントワープシックス”と共に、ベルギーのアントワープという街も、ファッション業界で脚光を浴びることとなったというわけです。

これをきっかけして、ドリスに目を付けた、マンハッタンの高級セレクトショップ“バーニーズニューヨーク”でドリスの作品は商品化へ。
こうして「ドリスヴァンノッテン」は誕生しました。

アントワープという街は、ドリスの誕生とブランド「ドリスヴァンノッテン」の誕生の地として、ドリスを語るのにはずせない街というわけです。

ドリスヴァンノッテンの色彩の世界


引用 Instagram@driesvannoten


引用 Instagram@driesvannoten

やはりドリスのすばらしさは、刺繍とともに表す、研ぎ澄まされた色彩感覚。
ドリスほど色を知り尽くし、多くの色やトーンを創り出せるデザイナーは、他にはいないと言っていいのではないでしょうか。

ドリスの生み出す繊細な色は、暗くもあり鮮やかで、独特の深みのある色彩を表現しています。

ドリスのショーの根底にあるのは、着心地やシルエットにこだわるだけでなく、“色を自由に創り活かす”というコンセプトです。
相反する組み合わせでも、それらの色を結び合わせ、絶妙な合わせを実現します。

時として、ミスマッチさを感じるような組み合わせも提案しますが、ドリスの手にかかればその色と色とは不思議なほどに調和され、驚きを感じるほどです。

私たちの知っている「色の相性」の知識や感覚なんて、小さな世界観なのだと考えさせられます。

テーマは永遠のクラシック


引用 Instagram@driesvannoten

加えて、ドリスが優れているのは色彩感覚だけでなく、柄やモチーフの合わせ方も抜群のセンスです。

自身がインスピレーションとして得たものを、クラシックをベースにしながら、ドリスらしい組み合わせ方で全く新しいものを生み出します。

参考にしているのは、清朝時代の装飾やイギリスの画家フランシスベーコンの作品、イギリスの写真家ジェームズリーヴが撮影した都会の夜景など、幅広いジャンルに及びます。

2012-13年の秋冬コレクションでは、中国の竜や不死鳥をモチーフにしながら、日本の鶴を金糸で刺繍したパーツを加えるという、文化を時代を越えた表現をしています。

そして意外性がありながらも、ドリスのコレクションから感じるのは、クラシックな要素です。

テーラードを行っていた家業の影響でしょうか。

ドリスの創造のベースには、かつての紳士服や婦人服が念頭にあり、仕立屋の高度な技術やクオリティを自分の作品で継いでいきたいとの考えもあるようです。

古典を尊重しているからこそ、色彩の常識や時代を越えたタイムレスな感性が評価されているのだとわかります。

創造への想いと生い立ち


引用 Instagram@driesvannoten

ドリスには“トレンドではなく、持ち主と一緒に成長できるじっくりと味わえる服をつくりたい”と、デザイナーになった当初からの想いがあり、また、自身が創造を続けることが技術の継承に繋がると考えています。

ドリスのデザインの特徴としてあげられる、色使いや花や動物の生命力さえ感じる刺繍の技術。

刺繍に関しては、コレクションで必ず、繊細でありながら迫力のある立体的に仕上げられた刺繍によるデザインが登場します。

その上等な刺繍は、インドの伝統技術を継承した職人による手仕事です。
インド刺繍との関係は、ブランドがデビューした1986年から続き、全てのシーズンで刺繍をとりいれたデザインを取り入れています。

その背景にあるのは、自身が深い感銘をうけたインド刺繍を通して手仕事のすばらしさを広く知ってもらいたい想いと、伝統の継承への想い。

発注をすることで、現地の職人とその家族らの生活を支え、さらに次の世代へ技術を継承できるとの考えからだそうです。

家業の後継者とされていたドリス


引用 Instagram@driesvannoten

伝統の継承を重んじる、ドリス。
その生い立ちは、テーラードや高級品分野のブティックを経営していた家に誕生したことから始まります。

幼い頃の遊び場はブティック。

10代の頃には、パリやミラノへ服の買い付けをする両親に同行していました。
ドリスは家業の後継者として、業界のビジネスと技術について学ぶ機会を多く与えられていたようです。

しかしドリスは、家業を継ぐことは無く、自身が楽しいと感じたデザイナーの道へ。
家業を継ぐ選択をしなかったドリスだからこそ、伝統の継承についての大切さを感じているのかもしれません。(完全なる想像ですが)

当初モードとはかけ離れていたインド生地や刺繍に、最初に目を付けたデザイナーとも言われている、ドリス。

ドリスの言う“じっくりと味わえる服をつくりたい”という言葉の深いところには、“受け継がれる”といった意味合いも含めているのでは、と感じられます。

大切なプライベート


引用 Instagram@driesvannoten

ドリスには、大切な家族がいます。
長年連れ添った同性パートナー“パトリック ファン ヘルーヴェ(以下、パトリック)”と、エアデールテリアの愛犬“ハリー”です。

愛犬のハリーは、アントワープのオフィスでも、コレクションのショーのステージ裏でもいつも一緒です。

忠実で素直そうなハリーを可愛がる姿が、公式SNSでも散見され、見ていて微笑ましくなります。
(ハリーは2019年に虹の橋へ。今は新たな家族に“スコット”と“ジャッキー”を迎え入れているようです。)

またパトリックは、30年以上連れ添う公私を共にするパートナーです。

完璧主義者の自分との生活は楽ではないと思うと、ドリスは映画内のインタビューで答えていますが、とても心を許す間柄。

共通の友人を介して知り合ったのをきっかけに仕事仲間となり、お互いに惹かれ、いつしか一緒に住むようになったそうです。

今でも仕事を一緒にする2人は、ショーが終わると、ドリスはまず最初にパトリックの元へ行き、歓喜と安堵の表情で2人はハグをします。
公私共に信頼をおけるパートナーがいてこそのドリスの活躍である事がわかります。


パートナーのパトリック 引用 former-cdn.cinra.net


2008年から2019年までずっと一緒だった、愛犬ハリー 引用 Instagram@driesvannoten


新しい家族“スコットとジャッキー” 引用 Instagram@driesvannoten


ロンドンの“DOG MAGAZINE”と“10Culture”のコラボTシャツに愛犬ハリーが登場 引用 mastered.jp

花のある暮らし


ドリス氏の自宅の庭園 引用 Instagram@driesvannoten

また、ドリスの私生活で印象的なのは、花に囲まれた暮らしです。

自宅は、アントワープから車で30分ほどの郊外にある、石造りの大きな豪邸です。

広大な庭には花園が広がり、休みの日は庭の仕事を自ら行います。


引用 Instagram@driesvannoten

花の成長を見たり、自宅に飾る花を丁寧に剪定したり。
花弁の重なるダリアや優しいピンクの木蓮の花など、多彩で美しい花々と、そのドリスの生活には見惚れてしまうほどです。

色の繋がりを意識して丁寧に自宅に花を飾りる姿は、ドリスの豊かな色彩感覚が、神秘的な自然界の色彩を通じて磨かれているのでしょう。

家事や庭の仕事は、ドリスにとってファッションの仕事とは別の大切な時間なのだそう。
家族の愛と自然に囲まれた生活が、ドリスを支えているようです。

Dries Van Notenのこれから


2022年3月に発表したビューティラインのフレグランスボトル 引用 vogue.co.jp

ドリスは、これからの自身のブランドやファッション界のあり方についても、行動や活動を行っています。

2018年に話題となったのは、ドリスヴァンノッテンのプーチグループへの売却。
今まで独立を貫いてきたドリスのこのニュースは、衝撃だったのではないでしょうか。

プーチグループは、多くのブランドのグレグランス事業を手がけるスペインの大手企業。
ドリスのブランドはその傘下に入りました。

その背景には、コロナのロックダウンによって受けた影響もあったようです。

インディペンデントにこだわってきたドリスも、もう60代。

引退をしなくとも、自分のために働くスタッフやメーカーを守るために、会社を続けて行きたい想いがありました。

顧客とつながることを大切にするためにも、自分たちの価値観を発信する場が必要だと考えたようです。

売却を発表した当初は、ブランドの世界観が変わってしまうことを心配するファンもいましたが、ドリスは従来と変わることない価値観と世界観で、未来に向けて自由な創作を続けています。

サステナブルに向けての活動

また、ドリスはファッションの仕組みについても未来に向けての提案をしています。

最近はトレンドとしてもSDGsを意識したファッションが着目されていますが、ドリスを含めたファッション界の面々で行ったのは、ファッション業界の仕組みを一変させる提案です。

ざっくりと言うと、“スピード感重視のファッションサイクルの仕組みを変えて、ファッション界全体で廃棄や無駄をなくし、未来に繋げていこう”という取り組み。

ファッション界では当たり前になっている、先取りや前倒しのセールやコレクション発表を本来のシーズンに戻したり、デジタルをもっと活用してコレクション開催回数を減らしたり。

本来の季節とは大きくずれたファッションサイクルをもとに戻すことで、今まで当たり前であった無駄を減らして、サステナブルなファッション界へ全体で変化させようという考えです。

実際に、この取り組みへの賛同者は多く、グッチはコレクションの発表を減らし、シャネルは2021年のプレコレクション発表をオンラインで行っています。

最後に


引用 Instagram@driesvannoten

トレンドとしてのファッションを嫌うドリスは、表現こそタイムレスではありますが、未来のことをしっかりと見据えて今の活動やブランドの変化を受け入れています。

そしてドリスの活動は、私たちKLDの理念にも通ずるものがあると感じました。

未来へ続いていく、今後のドリスヴァンノッテンの活躍と変化がとても楽しみです。

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参考記事
映画『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男(原題「Dries」)』2016年ドイツ 合作配給:アルバトロス・フィルム

引用 amazon.co.jp
WWDJAPAN『ドリス・ヴァン・ノッテンに直撃 話題の「公開書簡」からコロナ、プーチ傘下に入った理由まで大いに語る』

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