KIDILLってどんなブランド?|少年の内省、残酷さ、そしてパンク精神|キディル
引用:fashion-press.net
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
正統派ロンドンパンクを思わせるチェック柄、ボンテージ。
暗く内省的で、また残酷でありながらポップさも感じるアイテムの数々…
ミニマルなスタイルが人気を博している現代にありながら、ひときわ強いインパクトを放つKIDILLというブランドをご存知でしょうか?
今回は、
- KIDILLってどんなブランド?
- デザイナーについて
- ブランドの特徴
- 中古市場での評価
という形で、「KIDILLってどんなブランド?」というお話をしていきたいと思います。
KIDILLって何?と思っている方はもちろん、中古相場についても解説していきますので、売却をお考えの方にもぜひお読みいただきたい記事になっています。
目次
KIDILLとは?
KIDILLは、2014年にデザイナーの末安弘明さんが立ち上げたブランドです。
「KIDILL」とは、kid(少年)とill(精神状態の不安定さ)という単語を組み合わせた造語。
10代の頃の、好きなものに没頭するような、繊細で残酷な感情を切り取ったイメージだそうです。
ブランドのコンセプトは「真実こそは、完成と美の、根本であり理である」。
人間の内面に迫るかのように、ハードコアやパンク、グラフィティ、スケートボード、文学…など、末安さんが体験してきたさまざまなジャンルの文化が取り入れられています。
それらを現代的な新しい精神でKIDILLの服に落とし込み、着る人の本質を引き立てる服作りがコンセプト。
また、偶然性や即興性も大切にしているブランドです。
ストリートの衝動性やスタイルが持つ意味を服に込めながらも、テーラリングの技術やラグジュアリーな生地を使用。
一見インパクトの強いデザインのものが多いですが、どこか懐かしいクラシックなテイストも感じられます。
デザイナー
引用:wwdjapan.com
デザイナーは、末安弘明さん。
1996年、大村美容ファッション専門学校を卒業後、6年ほど美容師として働いていたそうです。
末安さん本人は高校生の頃からファッション業界で働きたいと思ってましたが、親に反対され、泣く泣く美容学校に通ったと話していました。
その後、ヘア&メイクアップアーティストを志してロンドンに留学。
しかし、現地でファッションへの想いが募り、渡英先で服作りを学び始めました。
2年後には、自身のブランド「HIRO」を立ち上げます。
HIROは、イギリスのアンダーグラウンドシーンを匂わせるデザインで、70年代のロンドンパンクやモッズをイメージしたデザインが特徴。
その後、発表の場をロンドンコレクションから東京に移します。
2014年にHIROを終了し、KIDILLがスタート。
独学の服作りでブランドを立ち上げ、世界からも注目されるKIDILLのデザイナー、末安さん。
これからも時代とともに変化していくデザインに、期待が集まっています。
どんなブランド?
デザインの特徴
2018AWコレクションより 引用:fashion-press.net
KIDILLの作る服は、前身ブランドとなるHIROのテイストを受け継ぎつつ、新しいブランドとして様々な挑戦をしています。
HIROの持っていたロンドンパンクやモッズ的な要素はそのままに、よりラグジュアリーに、よりファンシーにロマンチックに展開。
末安さんが影響を受けたであろうアーティストや映画を服に落とし込み、数々のアーティストやブランドとのコラボもおこなっています。
シーズンごとに違う顔を見せるKIDILLのデザインですが、根底にあるのは揺るぎないパンクスピリット。
世間からどう言われようとも、自分の内側を見つめ、好きなもの、自分が正しいと思うものを追求するという姿勢がデザインに表れているといえます。
個人的には90年代後半くらいの、カオスなファッションが溢れていた原宿の雰囲気も色濃く感じるブランドだと思います。
KIDILLの活躍
個性的なデザインを多く展開するKIDILLですが、ブランド立ち上げ後からすぐに評価されていることがわかります。
メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京
2014-15年AWコレクションより、メルセデス・ベンツ ファッション・ウィーク東京でショーを発表しました。
テーマは「偶像(IDOL)」。
映画監督のガス・ヴァン・サントや、ハーモニー・コリンらの作品や、90年代のニュースクールから影響を受けたコレクションです。
第8回DHLデザイナーアワード受賞
DHLデザイナーアワードとは、高い創造性と技術力を備え、今後世界での活躍が最も期待できる気鋭のファッションデザイナーに贈られる賞のこと。
2015-16年AWコレクションでは、KIDILL立ち上げから2年目にして、DHLデザイナーアワードを受賞しました。
店舗展開
2016年には、初の路面店「KIDILL ROOM」を渋谷にオープンさせました。
KIDILL ROOMでは、KIDILLのコレクションラインをメインとし、「KIDILL STANDARD」と「KIDILL アーカイブ」の2つのラインも展開。
2021年には国内2店舗目となる「KIDILL KYOTO」を京都大丸にもオープン。
KIDILL ROOM同様、KIDILLのコレクションラインをメインとし、「rurumu:」「bodysong.」「MAD FRUITS」などからセレクトしたアイテムも並んでいます。
着想源
KIDILLでは様々な音楽、映画、絵画、文学…などから着想を得て、それを創作に昇華しています。
ここではその一部をご紹介します。
ヘンリー・ダーガー
引用:note.com
2022AWコレクションでは、アウトサイダーアートを代表する作家、ヘンリー・ダーガーの世界観をフィーチャー。
ヘンリー・ダーガーはアメリカの掃除夫でありながら、「非現実の王国として知られる地における、ヴィヴィアン・ガールズの物語、子供奴隷の反乱に起因するグランデコ・アンジェリニアン戦争の嵐の物語」というタイトルのファンタジー小説を、誰にも見せることなく1万5145ページ書き続け、それが死後発見されたという作家です。
その小説の挿絵も自身で描いており、そのイラストを大胆にデザインに盛り込んだのがKIDILLの22AWコレクションでした。
独自の信念のもと創作に励むその姿勢、アウトサイダーとしての生き方に敬意を表して、とのことで発表されたコレクションは、作品に登場するイラストが、ジャガードやプリントなどで効果的にデザインに落とし込まれており、カラーも作品を彷彿とさせるイエローやパープルを配していました。
一見夢の中のようなファンシーさを感じさせながら、徐々にダークな雰囲気も混じり合っていくコレクションは、ヘンリー・ダーガーの世界観とKIDILLの持つ芯のあるデザインがうまく噛み合っていたのではないかと思います。
トレヴァー・ブラウン
2022SSコレクションは、イギリスのグラフィックアーティスト、トレヴァー・ブラウンの作品から着想を得て展開しました。
トレヴァー・ブラウンは、可愛らしい女の子とグロテスクで残忍な世界観の組み合わせが特徴的なアーティストで、可愛くも目を背けたくなるような描写が癖になる作風が魅力です。
パンキッシュなKIDILLの世界観とも非常に相性がよく、オーバーサイズのカットソーに血を流した女の子の顔を大胆にプリントしたアイテムは、一度見たら目が離せないインパクトのあるものになりました。
また、このコレクションではモデルのジャケットの下に亀甲縛りを仕込んだコーディネートなども見られ、これはロープアーティストであるHajime Kinoko氏のプロデュースによるものだそう。
全体を通してグロテスクでダークでありながら、ポップさも共存するコレクションで、今のKIDILLにしか作れない世界観なのではないかと感じます。
ジェシー・ドラクスラー
引用:paragy.com
2021AWシーズンでは、ナイン・インチ・ネイルズ、ドーターズ、ゾラ・ジーサスなどのアートワークを手掛けたジェシー・ドラクスラーの作品をフィーチャー。
「Desire(欲望)」をタイトルとし、ジェシー・ドラクスラー氏の世界観そのままに、モノトーンを基調としたコレクションを展開しました。
ジェシー・ドラクスラー氏の作る、ダークな世界観のコラージュ作品などをプリントしたアイテムをで全身をコーディネートしたルックや、人の頭部や目玉を可愛らしくパッチにしたものを連続的にあしらったコートなど、インパクトの強いアイテムが並びました。
また、このコレクションのショーでは、なんと日本のミュージシャンである灰野敬二氏を招いて、生演奏でショーがおこなわれました。
灰野敬二氏は、日本のアンダーグラウンドで活躍するノイズ/アヴァンギャルド/フリージャズ…ミュージシャン。
ショーに出演した際の灰野氏 引用:ototoy.jp
およそ50年にも渡り音楽家として活動しており、その中で様々な作風、ユニットなどでの作品がありますが、ノイズやフリージャズというジャンルの関係もありアヴァンギャルドな作風のものが多く、聴き慣れない人にはかなり馴染みのない音楽かと思います。
そんな我が道を行く灰野氏の世界観と、ミュージシャンとしてのあり方に共感した末安さんが、ショーでのコラボレーションをオファーしたとのことです。
ピーター・マーフィー
引用:last.fm
2020SSシーズンには、イギリスのゴシックロックバンド、バウハウスのヴォーカリストであるピーター・マーフィーをフィーチャーしたコレクションを発表。
バウハウスはパンク/ニューウェーブ/ゴシック色の強いバンドで、ダークかつ内省的で激しい世界観は、KIDILLの世界観ともリンクします。
ピーター・マーフィーの写真を大きくプリントしたウェアや、80年代のゴス/ポジパン的雰囲気を感じさせるメイクやスタイリングのモデルたちが気だるげに登場するショーは独特の退廃的な雰囲気がありました。
退廃的ではありつつ、ビビットなグリーン/イエロー/ピンクといったカラーパレットで構成されたコレクションで、KIDILLの作るポップでグラマラスな世界観が余すところなく表現されたコレクションだと感じました。
中古市場での評価
ここまでKIDILLというブランドの世界観や魅力をお話してきました。
そんなKIDILLですが、中古市場ではどのように評価されているのか?を解説して行きたいと思います。
かなり個性的なブランドということもあり、中古市場での取引数は少なめかと思いきや、それなりの数がとても高い金額で取引されています。
中古市場の商品の動きを見る限りでは、芯のあるブランドの姿勢に共感するユーザーが多く、根強いファンも多くいる印象です。
パンツ、ジャケット、アウター類などは特に人気で、KIDILLらしいインパクトのあるアイテムの方が高く売れる傾向があります。
シーズンが新しいものは自ずと高い金額で取引されますが、それだけではなく、HIRO時代のアイテムも高額で取引されており、デザイナーとしての末安さんに根強いファンがついていて、古いものでもしっかりと価値が評価されているようです。
また、アーティストをフィーチャーしたものやコラボレーションなども人気は高く、高額で取引される傾向がありそうです。
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ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
鮮烈なパンク精神、残酷さ、純粋さを自由に表現し続けるブランド、KIDILL。
少しでもどのようなブランドなのか?がわかる記事になっていれば幸いです。
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