KENZOってどんなブランド?|ケンゾー
1982AWコレクションより 引用anothermag.com
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
日本を代表するデザイナーの一人、高田賢三が立ち上げたブランド「KENZO(ケンゾー)」。
近年、クリエイティブディレクターとしてNIGOが就任、往年のKENZOへのリスペクトあるデザインが話題になっていますが、「有名なのは知ってるけど、何となくしか知らないかも…」という方も多いのではないでしょうか?
今回は、
- KENZOとは
- デザイナー
- KENZOの特徴
- KENZOの定番、人気アイテム
- 中古相場について
という形で、KENZOというブランドについて掘り下げてご紹介していきます。
中古相場についてもお話していきますので、「私が持っているKENZOのアイテムって中古で売れるのかな?」とお考えの方もぜひご覧ください!
目次
KENZOとは
KENZOはフランスのラグジュアリーブランド。
創設者である高田賢三(たかだ けんぞう)氏が自身の名前を冠して立ち上げたブランドです。
メンズ・ウィメンズ・アクセサリー・香水など、幅広いジャンルのアイテムを展開しています。
1969年、高田氏はパリに「ジャングル・ジャップ」というブティックをオープン。
このブティックを起源とし、KENZOブランドが誕生します。
「ジャングル・ジャップ」の当時の写真。店の壁に自らアンリ・ルソーの絵を描く高田賢三 引用fashionpost.jp
翌年にはパリコレデビューを果たし、カラフルな色使いや派手な花柄の多用、民族衣装から着想を得たデザインなどが注目を集めます。
新しいものを意欲的に取り入れ、ファッションの常識を打ち砕く姿勢はパリのモード界にさまざまな衝撃を与えました。
ブランドは順調に成長をみせますが、80年代後半から経営難に陥ります。
その後93年から現在まで、ファッション業界の最大手であるLVMHに買収されるかたちで、LOUIS VUITTON、Dior、GIVENCHY等と並ぶハイブランドへ名を連ねます。
その後クリエイティブディレクターに数々の有名デザイナーを迎え入れてきましたが、2021年からはアーティスティックディレクターとしてNIGO(ニゴ)氏を起用。
高田氏以降、日本人が務めるのははじめてとなります。
ストリートカルチャーを代表するNIGO氏ですが、KENZOでのコレクション制作には高田氏の過去のアーカイブを参考にしているとか。
例えば高田氏がよく用いていたポピーの花柄モチーフのドレスを発表したり、英国的なスーツスタイルに作務衣を思わせるデザインを落としこんだりと、和洋折衷を織り交ぜたコレクションはまさに高田氏の意志を引き継いでいるかのようです。
高田氏が作り上げたラグジュアリーのKENZOと、NIGOが得意とするストリートの要素がバランスよくまとまって展開される新生KENZO。
毎シーズンのコレクションが発表されるごとに、ファンは心を踊らせます。
デザイナー
KENZOのデザイナーは時代の移り変わりとともに入れ替わり、多くの業界人が関わっています。
ここでは特に重要なデザイナーにフォーカスしてご紹介していきます。
高田賢三
高田賢三 引用wwdjapan.com
まずは創設者、高田賢三について。
1939年、兵庫県生まれ。
実家が日本旅館を経営していることから、幼少期は和服の女性に囲まれて育ったといいます。
また、姉が洋裁の勉強をしていたこともあり、自然と洋服に興味を持つように。
高校卒業後は洋服の勉強がしたいと考えていたようですが、当時服飾関係の学校のほとんどが男子生徒の募集を行っていませんでした。
映画好きだった高田氏は海外にも興味があったようで、やむなく神戸外国語大学に進学します。
ところが、在学中に文化服装学院が男子生徒の受け入れを開始し、情報を聞きつけた高田氏はなんと外大を中退。
その後、文化服装学院に見事入学をはたします。
同期にはコシノジュンコ、松田光弘(NICOLE)、金子功(PINKHOUSE)、北原明子(MINE WAY)等がおり、後に「花の9期生」と呼ばれ、それぞれが大成を収めています。
卒業後、ファッションに携わるなら一度はパリに行ってみたいという想いから、1965年単身パリへ。
渡仏には船を利用し、到着するまでにさまざまな国に立ち寄ったといいます。
他の国の文化や民族衣装に触れた経験は、高田氏が作り出す洋服のデザインに大きく反映され、KENZOの特徴的なスタイルの一つといえるでしょう。
パリに到着後は既製服メーカーでの就職を経て、1969年に「ジャングル・ジャップ」という自身のブティックを構えます。
ジャップとは「Japanese」の略語であり、日本人に対する人種差別用語とされています。
当時のパリのファッション業界では、東洋人という理由だけで軽蔑され受け入れてもらえないこともしばしば。
あえて自身のブティックに自虐するような名前をつけることで、ファッション業界におけるアジア人差別への反骨精神を伝えたかったのかもしれません。
しかし、そんな心配もよそに高田氏は才能を開花させ、翌年にはパリコレデビューで注目の的に。
80年代のプレタポルテをイヴ・サンローランと共に牽引するデザイナーへと成長を遂げました。
全てが順調かに見えたKENZOの歴史ですが、1993年に経営不振からLVMHに買収されてしまいます。
高田氏はデザイナー業に専念することに。
しかし、経営陣と意見が合わず2000年SSコレクションを最後に「しばらくしたら、また新しいことをやりたい」という言葉を残し、KENZOから身を引きます。
新たに「高田賢三」という会社を設立し、2002年には新ブランド「YUME」を発表。
2004年にはアテネオリンピックの公式ユニフォームをデザインし、ユニクロを経営するファーストリテイリングから提供するなど活躍の場を広げていきます。
その後も数々のファッションシーンで躍進する高田氏でしたが、2020年10月新型コロナウィルス感染症により81歳でその人生に幕を閉じます。
あまりの突然の訃報に、ファッション業界の衝撃的なニュースとしてメディアで大きく取り上げられました。
ウンベルト・レオン、キャロル・リム
ウンベルト・レオン(左)キャロル・リム(右) 引用ssense.com
やがて高田氏が残したブランド「KENZO」の軌跡は、その意志とともに新たなデザイナーへと引き継がれます。
高田氏の引退後は、海外のデザイナーが時代ごとに入れ替わり、その役目を果たしていきました。
2011年には「OPENING CEREMONY」の創設者でアジア系のデザイナーデュオ、ウンベルト・レオン氏とキャロル・リム氏が就任。
今では定番となったタイガーモチーフやKENZOロゴを生み出し、これが爆発的ヒットを起こします。
当時ロゴアイテムの人気が低迷しているなかで、斬新なデザイン性で一世を風靡。
また、H&Mとのコラボレーションを実現させ、KENZOというブランドを世に広める大きなきっかけ作りとなりました。
ウンベルト氏とキャロル氏はKENZOの再ブレイクに一役買う形で貢献し、2020年春夏コレクションを最後に退任となります。
NIGO
NIGO 引用highsnobiety.jp
2021年、KENZOのアーティスティックディレクターの発表に世界中が注目し、話題となりました。
なんと「A BATHING APE」の創業者、NIGO(ニゴ)氏が就任。
本名、長尾智明(ながお ともあき)。1970年生まれ。
NIGOという名前は原宿のカリスマである藤原ヒロシに顔が似ていることから、藤原ヒロシの「2号」という意味を込めてつけられたもの。
A BATHING APEを離れた後、2010年にブランド「HUMAN MADE」を設立。
2014年にはユニクロの「UT」コレクションのクリエイティブディレクターに就任するなど、幅広い分野で実績を積みます。
そして現在に至るまでKENZOの制作の主軸となり、初の2022年秋冬コレクションでは高田氏のアーカイブを尊重した作品を次々に発表。
また、最新の2024年春夏コレクションでは、NIGO氏が得意とするコラボレーションシリーズが打ち出されます。
ストリートファッション界隈で名高いVERDYがデザインする「Kenzo Paris」の新ロゴに、一風変わった新鮮さを感じ魅了された方も多いのではないでしょうか。
原宿から世界へと舞台を移したNIGO氏が作り出す新生KENZO。
今までとはひと味違ったストリート×ラグジュアリーへのグレードアップに今後も期待が集まります。
KENZOの特徴
タイガーモチーフ
KENZOを語る上ではずせないのが「タイガーモチーフ」。
街中で見かけたことのある人も多いのではないでしょうか。
2012年秋冬コレクションにて、ウンベルト・レオン氏とキャロル・リム氏によって発表されたタイガースウェットが人気の火付け役となりました。
高田氏がラベルに描いた虎のスケッチを参考にしたもので、見る人の目に飛び込んでくる大胆なデザインです。
そんなタイガーアイテムについて、現在では少し違った形で話題を呼んでいます。
2019年、KENZOはまた新たなクリエイティブディレクターにフェリペ・オリヴェイラ・バティスタを迎え、タイガープリントのアイテムを18点発表。
同商品を購入するごとに10ドルがWWF(世界自然保護募金)に寄付される仕組みを構築し、野生の虎の保護支援に貢献しました。
近年のファッション業界のサステナブル思考にいち早く参入し、人気なモチーフで社会に配慮する取り組みを行っています。
民族衣装から受けたインスピレーション
1982AWコレクションより 引用anothermag.com
高田氏がデザインするKENZOの服には、和洋折衷さまざまな国の衣装や文化が織り交ぜられています。
船でパリに渡る途中に寄った香港やインド、エジプトの伝統的な衣装から着想を得て、エスニックテイストや花柄を多用。
また、70年代は体にフィットするようなタイトなシルエットが主流だったなか、民族衣装をモチーフにゆったりとしたデザインを多く打ち出します。
高田氏のモノづくりには「衣服からの身体の解放」というコンセプトがあり、体をきつくしばるものよりオーバーシルエットに魅力を感じたといいます。
KENZOは流行に左右されず、ファッションの既成概念を打ち砕く服を発表し続け、若者を中心に人気を集めました。
KENZOの定番、人気アイテム
タイガースウェット
今やKENZOの代名詞となったタイガースウェット。
トラのアイコンの上に、KENZOのブランドロゴが配されたデザインが特徴です。
一目見ただけでKENZOをまとっていると分かるほどにアイコン的存在となり、ラグジュアリーブランドであるだけに配色はどこか上品なものが多いです。
スウェット以外にもTシャツやキャップ、リュックなどさまざまなアイテムに起用され一躍ブームとなりました。
繊細な刺繍ものからコミカルな絵柄のものまでバリエーションも豊富で、多くのファンを獲得したアイテムです。
いまだに「KENZOといえば」の言葉と共に出てくるこのモチーフ。
はじめてタイガースウェットが発表された時代から11年の時を経て、デザイナーがNIGO氏となった今でもそのモチーフは受け継がれています。
購入するファンだけでなく、移り変わるデザイナーからも尊重され長く愛されているデザインなのでしょう。
EYEシリーズ
ウンベルト氏とキャロル氏が生み出した定番アイテムで、タイガーモチーフの他に「EYE」モチーフがあります。
2013-14秋冬コレクションでインド・ネパールといった古代アジアンテイストを題材に、ヒンドゥー教のシヴァ神の第三の目から着想を得て発表されたもの。
ロゴ的な使い方はもちろん、総柄にあしらったトップスやドレスにも多く用いられました。
最近ではKENZOのフレグランスブランド「ケンゾーパルファム」から、EYEコレクションを引用した「ケンゾーワールド」シリーズが登場。
今ではおなじみとなったEYEモチーフをボトルデザインに採用し話題となりました。
「ケンゾーワールド」 引用fashion-press.net
KENZOらしいユーモアあふれるデザインが人気を博しています。
KENZO JEANS
1986年にメンズのスポーツウェアラインとして登場した「KENZO JEANS」。
80s〜90sの古着として人気があり、OLD KENZOと呼ばれています。
KENZO JEANSのアイテムには葛飾北斎の「富嶽三十六景」が描かれたタグが特徴的。
通称「北斎タグ」と呼ばれ、今もマニアのあいだで人気があります。
高田氏がパリで制作をしていた頃は、着物のような平面裁断や浴衣の柄など日本の生地や素材を使った洋服がパリの人々には珍しがられたといいます。
北斎タグを採用したのは、そうしたジャポニズムを織り交ぜたかったのかもしれません。
スポーツウェアラインといっても古着特有の垢抜けないシルエットや配色が馴染みやすく、現代のカジュアルスタイルに合わせやすいものばかりです。
KENZO JEANSという名前ですが、ジーンズ以外にも当時の字体のロゴスウェットやTシャツも多く出回っているので、気になる方は一度チェックしてみてはいかがでしょうか?
中古市場での評価
ここまで「KENZOってどんなブランド?」ということについてご紹介してきました。
ここでは、KENZOのアイテムの中古相場についてお話していきたいと思います。
長い歴史を持つブランドということで、年式により中古相場も色々ですが、まずは現在のNIGO氏がディレクターを務めるKENZOのアイテムについて。
こちらは非常に人気で、ブランドとして好調な様子がそのまま中古相場にも表れており、高い評価での取引が多く見受けられます。
NIGOの持っているストリートテイストとKENZOのポップさがうまく協調したアイテムの数々は若年層にも人気があり、少し高めの価格設定のため、「新品では買えないけど中古でなら…」というユーザーも多くいます。
また、今後NIGOの本領発揮ともいえるコラボを展開していく予定もあるとのことで、中古相場は上がっていくことが予想されます。
次に、ヴィンテージといえる古い時代のKENZOのアイテムですが、ブランドらしさの感じられる民族調のアイテムや、KENZO JEANSで展開していたアロハシャツなど、アクの強めなアイテムは人気があり、高値で取引されています。
KENZOは初期から様々なアイテムを展開してきていますが、ラフな雰囲気でシンプルなシャツなどはブランドらしさが弱めで、中古相場も少し落ちる印象です。(Tシャツなどは肌に近い部分で着用するアイテムであるという要因もあります。)
古いものはやはり「そのブランドでなければ手に入らない」と思える個性のあるものが人気の傾向があるといえます。
もちろんKLDでも強気のお見積りが可能なブランドです。
「売ろうかな…?」と少しでもお考えのお品物がございましたらぜひお気軽にご相談ください。
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ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
ファッション好きなら誰もが知るブランド、KENZO。
長い歴史の中で作られてきた独自の文化、美学を少しでも感じていただければ幸いです。
KLDでもKENZOのお買取を強化しています。
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