ドーバーストリートマーケットってどんなショップ?|Dover Street Market
ドーバー銀座 エレファントスペース 引用tenpomap.blogspot.com
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
既存のセレクトショップの枠にはまらない世界観を見せてくれる空間、“ドーバー”こと、「ドーバーストリートマーケット(Dover Street Market)」。
東京・銀座の店舗などは、ユニクロと通路で繋がっているというのに、ドーバー側に一歩足を踏み入れただけで異国の地に足を踏み入れたような感覚さえ生まれる、異世界感があります。
最先端のファッションを展開しているのはもちろんのこと、カルチャーやアートの側面でも、影響を与え続けているストアというのも魅力の一つ。
ファッション・アート好きにはなくてはならない空間になっています。
現在、2024年5月に世界で8店舗目のドーバーストリートマーケットをパリにオープンさせるなど、世界各地に少しずつ店舗を増やしているドーバー。
今回は、ショップのストアディレクターであり「コムデギャルソン(COMME des GARÇONS)」を生んだファッション業界の女帝、川久保玲の考えるショップのコンセプトや店舗作り、人気のコラボ商品などについてご紹介していきます。
今回は、
- ストアディレクター 川久保玲について
- ショップのコンセプト
- 店舗の魅力
- ブランドのセレクトにおける基準
- 華やかなコラボ実績
という形でお話していきます。
ドーバーストリートマーケットに行ったことがある方も行ったことがない方も、ぜひご覧ください。
目次
ストアディレクター 川久保玲
そんなドーバーを支える「川久保玲」とは、どのような人物なのでしょうか。
1942年に東京で生まれた彼女は、幼稚舎から慶應義塾に入り同大学を卒業後、生地メーカーである旭化成に入社するも、スタイリストとして活動するため独立します。
そのあとスタイリスト業務を進めていく中で、“自分が写真撮影の中で使いたい洋服がなかなか見つからない“ことを疑問に思い、デザイナーへの転身を果たします。
1973年には株式会社コムデギャルソンを創業し、同名のブランド「コムデギャルソン」を立ち上げます。
そして、2年後には東京コレクションに、さらにその6年後にはパリコレクションに参加。
当時、女性らしいボディラインを綺麗に強調する、華やかなプレタポルテ(既製高級服)が流行していたにも関わらず、川久保玲は黒一色で身体のフォルムを隠すような洋服のコレクションを発表。
1982年発表、黒の穴あきセーター 引用x.com
当時タブーとされていた黒一色で仕上げた型破りなコレクションには批判の声もありましたが、誰の意思にも屈しない彼女の強いクリエーションは、“黒の衝撃”として後世に強い影響を与えることになったのです。
そして黒の衝撃から10年後の1992年、彼女が50歳の時に、「エイドリアン・ジョフィ(Adrian Joffe)」と結婚します。
もともと“夫の意思に左右されない女性のための洋服”を作ることを意識していた彼女は、結婚式当日にも黒のスカートに白のシャツという、異例な花嫁姿で登場。ここでも、“花嫁=純白のドレス”という概念を覆しました。
エイドリアン・ジョフィ氏 引用wwdjapan.com
そしてエイドリアン・ジョフィは、結婚後も彼女を縛ることはなく、トレンドに左右されない彼女のブランド「コムデギャルソン」、のちの「ドーバーストリートマーケット」においてビジネス面で舵を取る様になり、多くを語らない彼女の代弁者として、彼女を公私ともに支えることになっていくのです。
ショップのコンセプト
ドーバーストリートマーケットロンドン(移転後) 引用fashionsnap.com
そしていよいよ2004年、彼女は新たな挑戦として「ドーバーストリートマーケット」をロンドンで展開します。
名前の由来は、店舗が高級住宅地のドーバーストリート沿いに作られたこと。
以降は銀座やニューヨークでも店舗を展開し、現在は世界各地8店舗に活躍の場を広げています。
そのショップのコンセプトは、さまざまなストリートウェアを混在させた状態、と言う意味の「Beautiful Chaos(美しいカオス)」。
一人ひとり様々な背景を持つクリエーターたちが織り成す、個性豊かなビジョン。
様々な思いが混ざり合い、新たな価値観を想像していく場所を作り出すことを理念に掲げていました。
“カオス”と名の付く通り、ドーバーストリートマーケットには、様々なブランドが展開されています。
彼女の展開する「コムデギャルソン」のほか「ジュンヤワタナベ(JUNYA WATANABE)」などのギャルソン傘下のブランドをはじめ、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」「プラダ(PRADA)」などといった知名度の高いラグジュアリーメゾン、ほかにも「ニコロ パスカレッティ(NICOLO PASQUALETI)」「アラインポール(ALAINPAUL)」といった、当時キャリアの浅かった若手デザイナーブランドまで混在しているのです。
変化のスピードの速いファッション領域で、日々新たな価値観のものを見つけ、独自の展開手法で提案することで、来店者が新たな価値を発見できるような店舗作りを行っています。
また、川久保玲とエイドリアン・ジョフィは、実際にブランド・アイテムを選別するバイヤーたちにも、「いわゆるベストセラーを狙ったアイテムを集約させるのではなく、自分が愛せるストーリーのあるもの、フィーリングが合うものを買い付けるように」と日々伝えているのだとか。
それは、コムデギャルソン、ひいては川久保玲のファンであっても、またそれ以外でも、まずは来店して驚いてもらうこと。
そして、再来店したときに「こんなものは初めて見た」「このブランドは知らなかった」と新たに気づき、冒険していくうちに自分の世界を広げられる空間づくりを理念に置いた、彼ららしいアドバイスだと言えます。
店舗の魅力
ドーバー銀座1F 通称「エレファントスペース」 引用numero.jp
続いて、実際の店舗の魅力についてもお伝えしていきます。
いわゆるセレクトショップとして回遊する時、ドーバーストリートマーケットほど混乱させられるものはないかもしれません。
というのも、ショップにはフロアやスペースごとの大分類・中分類(メンズ・レディスやハイブランド・カジュアル・ビジネス…などの区分け)などの垣根が一切存在せず、商品ではなく大きなオブジェなどのアート作品にも大きなスペースを割いていて、“セレクトショップ”の常識を大きく打ち破る内装設計・フロア構成がされているからです。
ドーバーロンドン クレイグ・グリーンのスペース(2016年) 引用fashionsnap.com
ドーバーロンドン バーバリーのスペース(2016年) 引用fashionsnap.com
そこに規則性を見出すのは困難ですが、すべては川久保玲の感性・審美眼によって厳選されたものが置かれ、彼女自身の美意識によって計算された“カオス“なスペースが広がっているのです。
ブランド名を出してわかりやすくお伝えすると、例えばレディスで現在注目を集めている「セリーヌ(CELINE)」の横に、ストリートカルチャーのカリスマである「シュプリーム(Supreme)」が置かれ、アイコニックなアイテムが並ぶハイブランド「トムブラウン(THOM BROWN)」の横には“裏原宿”をルーツとした「ア ベイシング エイプ(A BATHING APE)」が陳列されているのです。
ドーバー銀座 BAPEのスペース(2024年) 引用ginza.doverstreetmarket.com
これは、例えばセリーヌの名品を見に来た来店者が、ブランドにたどり着く前に、いつもは手に取らないブランドの魅力的な逸品に出会うことができる“ショップ内の冒険”を意図しているのです。
また、彼らの新たな価値の提案は留まることを知りません。
コムデギャルソンが初めてオリジナルの香水を発売してからちょうど25年目になる2019年には、パリに香水・コスメに特化したビューティー特化のショップ「ドーバーストリートパルファムマーケット(DOVER STREET PARFUMS MARKET)」をオープン。
これは、香水の発祥地でもあるパリにぴったりな、アイテム限定の提案型ショップです。
DOVER STREET PARFUMS MARKET店内 引用vogue.co.jp
ここでも川久保玲がストアディレクションに入り込んでいて、入店してすぐ全部を見ることができないよう、円柱型の柱を並べ、一つ一つ見ていくことで、商品を自分で発見する喜びを与えています。
また、最初のドーバーストリートマーケットをオープンしてから20年目の2024年には、パリのマレ地区に8店舗目の新店舗をオープン。
場所は、17世紀フランス文学の象徴であるセヴィニエ侯爵夫人が住んでいた歴史的建造物で、地下2階から2階までの4フロアで構成されています。
DOVER STREET MARKETパリ 引用vogue.co.jp
ここでは、迷宮を彷彿とさせるカーブを描く白い壁、ウィンドーディスプレーは一切無くし、外から中の商品を見ることのできないクローズの空間を演出。
そうすることで、来店者が自分自身の意志によって発見する“新たな美しいカオス”を提案したのです。
この店舗の“ルールに捉われない彼女らしい空間づくり”は、川久保玲とエイドリアン・ジョフィの小売業における地位を確固たるものにすることになりました。
ブランドのセレクトにおける基準
ドーバーロンドン J.W.アンダーソンのスペース(2016年) 引用fashionsnap.com
ドーバーストリートマーケットには、長い歴を持つビッグメゾンから良質なカジュアルブランドまで、様々なブランドが並んでいます。
そこにセレクトされるブランドには、どんな基準があるのでしょうか。
エイドリアン・ジョフィは、そのセレクトの基準を「ストーリーを語れるようなしっかりとしたコンセプトがあるかどうか」「Tシャツ1枚でも、何か特別なもの、エネルギーやストーリーを秘めているもの」だと語っていて、メンズ・レディス、ブランドのテイストなどの垣根を取り払って、彼らの感性にマッチするものだけをセレクトしているのだとか。
実際に立ち上げたばかりのデザイナーの展示会も頻繁に足を運び、ビジョンがマッチすればドーバーに展開してもらう…その結果、新たなブランドが知名度不足のため売上を取れず、小売業としてそのフロアの坪効率が悪くなってしまうこともままあるそうです。
ですが、そういったビジネス面での数字よりも、新たな出会いを提供することによって、お店全体が活気づくことを強く望んでいるのが、ドーバーの大きな魅力でもあります。
ドーバー銀座 Bentgablenitsによるインスタレーション(2024年) 引用Instagram@doverstreetmarketginza
実際に歴史の浅いブランドを展開することは、新進気鋭のデザイナーにとっては「ドーバーストリートマーケットで取り扱いがある」という事実によって大きなアドバンテージになり、ドーバー側としても、そのブランドが飛躍すれば「ドーバーのセレクトセンスを証明できる」ことになるので、お互いにとってもメリットが大きいことがわかります。
また、その魅力的なコンセプトが最大限発揮されるよう、ブランドスペースにおいてのディスプレイ・展開手法に関して、ドーバー側は一切ディレクションしないと約束しているそう。
実際に入店したときに感じる“迷宮のようだ”という印象は、ブランドごとのディスプレイの共通点の無さが、そう感じさせるのかもしれません。
ですが、前述したように、白くて丸い壁、要所に配置された巨大なオブジェ…川久保玲の手掛けた内装が、それらをうまく調和させているのです。
華やかなコラボ実績
このように、様々なブランド・アイテムを取り揃えるドーバーストリートマーケットですが、他ブランドとのコラボレクションも非常に魅力的なラインナップが並びます。今回は、今までに発売された人気コラボアイテムをいくつかご紹介します。
ティファニーコラボ(2015)ラインナップの一部 引用hypebeast.com
まずは、ジュエリーで有名な「ティファニー(Tiffany & Co.)」。
2015年に取り組まれたコラボレーションですが、ティファニーが他ブランドと協業してコレクションを展開するのは、彼らの長い歴史上でも初めてということで、非常に話題になりました。
そこでは、ティファニーを象徴する“ティファニーブルー”のボックスに白いリボンのパッケージが、このコレクションに限り黒のリボンになることも含めて、発売日には長蛇の列を作ったといいます。
モノクロマーケットで展開されたsacaiのコート 引用fashionsnap.com
2019年には、ドーバー設立15周年を記念して、「モノクロマーケット(MONOCHROMARKET)」が企画されます。
ここでは、「サカイ(sacai)」「アンダーカバー(UNDERCOVER)」「ジルサンダー(JIL SANDER)」などといった、ドーバーと馴染みのある40以上の人気ブランドが、そのアイコンアイテムを白黒のモノクロで再解釈して販売されました。
MIN-NANOコラボのトートバッグ 引用doverstreetmarket.com
ほかにも、2022年・2023年に渡って、池之上にあるショップ「ミンナノ(MIN-NANO)」とコラボしたカプセルコレクションを販売したり、ナイキやアディダス、ニューバランスといった人気スポーツブランドからアイコンスニーカーをドーバーコラボで展開することも。
また、ドーバーストリートマーケットとのコラボ品以外にも、「ステューシー(STUSSY)×アワーレガシー(OUR LEGACY)」や「PLAY コムデギャルソン×コンバース(CONVERSE)」といった注目のコラボ品を販売することも多く、ファッション好きにとっては常に注目したい最新のコラボ商品が、シーズン毎にお目見えしているのも大きな特徴なのです。
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
コムデギャルソンの川久保玲、そしてその夫であるエイドリアン・ジョフィにより実現された美しいカオス、ドーバーストリートマーケット。
行けば必ず、カオスの中から新しい出会いがあるショップとして世界中のコアなファッション好きから愛されています。
KLDでもドーバー取り扱いブランドやコラボアイテムなど、強気のお見積もりが可能です。
国内外問わず、様々なデザイナーズブランドの査定を得意とするスタッフの在籍により、高い精度での強気のお値付けが可能です。
宅配買取というと、
「時間かかるんじゃないの?」「面倒臭そう…」「配送料の分、買取金額を安くされそう…」
という不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか?
実はそんなことも無いんです。
KLDでは、取り扱いブランドをある程度絞ることにより、高い水準のお買取金額を維持。
もちろん送料、キャンセル料なども無料です!
LINE査定も出来ますので、もし気になるアイテムがございましたらお気軽にお声かけ下さい!
\ご登録はこちらからどうぞ/
ありがとうございました!
KLDの販売ページはこちら
こちらのページでKLDの商品を販売しています。
関連記事
こちらの記事もぜひご覧ください!