The Rowデザイナー、オルセン姉妹ってどんな人たち？｜ザ・ロウ
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
ミニマルで洗練された世界観で人気のブランド、The Row（ザ・ロウ）。
デザイナーは双子の姉妹で、元女優という経歴の持ち主であるオルセン姉妹です。
今回は、
- オルセン姉妹とは？
- オルセン姉妹の功績
- 数々の流行を作ったオルセン姉妹のファッションスタイル
- オルセン姉妹を形作るもの
という形でお話していきます。
デザイナーについて知ることで、そのブランドにより深く愛着が持てるということもあるかと思います。
The Rowが気になっている方、ぜひデザイナーについてもご覧ください。
The Rowについてはこちらの記事からもどうぞ
「The Row」公式Instagramより引用Instagram @therow こんにちは。ブランド古着の...
目次
オルセン姉妹とは？
引用elle.com
オルセン姉妹とは、姉の「アシュレー・フラー・オルセン」と、妹の「メアリー＝ケイト・オルセン」からなる双子の呼び名です。
アメリカ発のラグジュアリーブランド「The Row（ザ・ロウ）」の創業者で、デザイナーも務めています。
また、ザ・ロウを立ち上げる前は、子役として活躍していました。
そんなオルセン姉妹は、1986年6月13日、アメリカ・ロサンゼルス出身。
銀行員の父親と、元バレエダンサーの母親との間に誕生しました。
兄弟は、元子役の兄ジェームスと、現在女優として活躍している妹のエリザベス、腹違いの妹弟がいます。
1995年に両親が離婚してからは、母親がマネージャーを務め、仕事面でもオルセン姉妹を支えていたそう。
家族のサポートもあり、オルセン姉妹は輝かしいキャリアを積んでいきますが、あるチャリティープロジェクトをきっかけに、ファッション界に進出することを決意。
お互いの関係を「結婚かパートナー」と表現するオルセン姉妹は、非常に強い絆で結ばれており、今後も2人にしか作れない世界観を魅せてくれるでしょう。
オルセン姉妹の来歴
ここからは、オルセン姉妹の来歴を紹介します。
お茶の間のスターとなった子役時代から、本格派デザイナーへの転身まで、順を追ってお話します。
1986年 子役デビュー
1986年、オルセン姉妹は生後8か月で子役デビューを果たします。
デビュー作品は、日本でも人気を博したアメリカンコメディードラマの「フルハウス」。
「フルハウス」時代のオルセン姉妹 引用vogue.co.jp
妻を亡くしたダニーが家族や友人と協力して子育てに奮闘する、何気ない日常を描いたドラマで、オルセン姉妹は末っ子のミシェルを演じました。
当時、労働法によって、子役が出演する際は20分ごとの休憩が必要だったため、双子のオルセン姉妹が交互にミシェルを演じることになったそう。
2人は1987年〜1995年の放送期間、すべてに出演し、お茶の間から愛される子役に成長しました。
フルハウス終了後も「ひとりっ娘2」や「ふたりはふたご」、「ニューヨークミニット」など多数の映像作品に出演。
この頃のオルセン姉妹は、子役業のみならず、オン・オフで着ていたお揃いファッションも注目され始めていた時期です。
1998年 子役時代にファッションブランドを立ち上げる
1998年、オルセン姉妹は12歳という若さで、「mary-kateandashley（メアリーケイトアンドアシュレー）」というファッションブランドを立ち上げます。（2009年に廃止）
子役として人気絶頂期でありながら、ファッションのデザインに携わるようになったのです。
mary-kateandashleyは、ウェアをはじめ、アクセサリーや化粧水、香水まで扱っていたそう。
サブリナパンツやチョーカーネックレスなど、同年代の女の子が取り入れやすいうえ、親受けも良いアイテムを展開していました。
オルセン姉妹は、弱冠12歳で数々のトレンドを生み出し、一気にローティーン女子のファッションリーダーへ駆け上がりました。
2人のデザイナーへの道は、この頃から始まっていたのです。
ブランド名と同じ「mary-kateandashley」と言うタイトルでなんとゲームの発売も。 引用imdb.com
2005年 ニューヨーク大学に入学
オルセン姉妹は大学入学を見据え、女優業を一時休止し、2005年にニューヨーク大学に入学しました。
アシュレーは心理学を専攻、メアリー＝ケイトは料理を専攻し、2人は勉学に励みました。
しかし、メアリー＝ケイトは、高校卒業の直後から発症した拒食症の治療に専念するため、大学を中退。
アシュレーは大学に在籍していました。
表舞台から一時的に消えたオルセン姉妹ですが、世間からの注目は続き、パパラッチに追われる生活を送っていたそう。
しかし皮肉にもパパラッチのおかげもあり、この頃からオルセン姉妹のファッションはより注目され始めてきました。
2005年 「完璧なTシャツ」製作プロジェクトをスタート
2005年、ニューヨーク大学に入学後、オルセン姉妹は「完璧なTシャツ作り」を目指したプロジェクトをスタートします。
もともとはチャリティーの一環として始めたそうですが、「自分たちが着たいから」という2人の個人的な理由もプロジェクトのきっかけでした。
オルセン姉妹が目指した完璧なTシャツとは、“完璧な生地とフィット感”、“無駄を削ぎ落したシンプルさ”、“上質でラグジュアリー”なこと。
オルセン姉妹は、1枚のTシャツを作るために何度も試行錯誤を重ねました。
あらゆる体型や年齢の女性でデザインをテストして、フィット感の共通性を導き出し、納得のいく着心地を実現。
無駄のないシンプルなデザインにするためには、背中に1本のフレンチシームを施し、不自然なシワや膨らみを省きました。
2人はいつの間にかTシャツ作りに夢中になり、プロジェクトに情熱を注ぐようになります。
そして1年半を費やし、すべてにこだわりを凝縮させた、滑らかで肌触りのいいTシャツを完成させました。
当時ニューヨークでは、シンプルとはかけ離れた、ゴテゴテとしたロゴマニアのファッションがもてはやされていたそう。
そんな時代に、シンプルでラグジュアリーなTシャツ製作に励んでいたオルセン姉妹。
その姿からは、トレンドに流されない本当に良いものを追求する、ブレない軸が垣間見えます。
「自分たちが着たいから」という単純な理由から始まったプロジェクトは、オルセン姉妹のクリエイションへの情熱に火を付けたに違いありません。
2006年 The Rowを立ち上げる
The ROW立ち上げの際の日本版Vogueより 引用nitrolicious.com
Tシャツプロジェクトを成し遂げたオルセン姉妹は、「さらに上質なTシャツを作りたい」と考え、2006年に18歳という若さで「The Row」を立ち上げます。
当初のことについてアシュレーは、「まだ18歳で、当時思ったのは、それまでやっていたこと（女優業）をひと休みして、自分たちが興味のあることを掘り下げ、人生について考える時間にしたかった」と、コメント。
物心つく前から多忙な生活を送り、常に注目されてきたオルセン姉妹だからこそ、模索しながらでも自分たちが挑戦したいと思うことをしたかったのでしょう。
そんなオルセン姉妹が立ち上げた、ザ・ロウのファーストコレクションはTシャツです。
Tシャツを買い付けてくれた記念すべき最初の顧客は、「バーニーズニューヨーク」で、コレクションをすべて購入してくれたとのこと。
しかし当時のザ・ロウは、ブランドタグの代わりに、繊細なゴールドチェーンが背中の内側に施されていたため、買い物客は、ブランド名を探すのに苦労したそうです。
オルセン姉妹は、ファーストコレクションから、自分たちの名前やブランド名ではなく、商品そのもので勝負したかったのでしょう。
2007年 Elizabeth & Jamesを立ち上げる
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Elizabeth & James2018SSコレクションより 引用fashion-press.net
オルセン姉妹は、ザ・ロウの立ち上げから1年後の2007年に「Elizabeth and James(エリザベス アンド ジェームス)」というブランドも立ち上げます。
ブランド名は、妹「エリザベス」と兄「ジェームス＝トレント」から名付けられました。
アップタウンの洗練された女性らしさと、ダウンタウンのカジュアルな男性らしさをバランスよくミックスしたデザインが特徴。
ザ・ロウに比べてカジュアルテイストなため、日常に取り入れやすいのが魅力です。
日本ではファッション総合通販サイトのコロネットで、2018年秋冬まで販売していました。
2009年・2012年 各々が別時期に女優業を引退
女優業を一時休止していたオルセン姉妹は、デザイナー業やビジネスに尽力するため、正式に引退を発表しました。
アシュレーは2009年に、メアリー＝ケイトは2012年に引退。
この決断は、女優業だけではない自分たちの可能性について、深く考えるようになったためだとされています。
華々しいキャリアを絶ってでも、自分たちの可能性を試そうとする決断は、ファッション界でより一層躍進したいという、オルセン姉妹の強い意志が垣間見えます。
オルセン姉妹の功績
2012年 CFDA賞受賞の様子 引用news.livedoor.com
華やかな芸能界で活躍してきたオルセン姉妹は、ファッション界で自分たちの名前に慢心することなく、真摯に突き進んできました。
その結果、オルセン姉妹は、以下の名誉あるCFDA賞を4度も受賞しています。
- 2012年 ウィメンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤー 受賞
- 2014年 アクセサリー・デザイナー・オブ・ザ・イヤー 受賞
- 2015年 ウィメンズウェア・デザイナー・オブ・ザ・イヤー 2度目の受賞
- 2018年 アクセサリー・デザイナー・オブ・ザ・イヤー 2度目の受賞
CFDA（The Council of Fashion Designers of America）とは、1981年に創立した、アメリカファッション協議会が主催するファッションアワードです。
ファッション界に大きく貢献したデザイナーに贈られる賞で、「ファッション界のオスカー」とも呼ばれる栄光的な賞です。
そんな賞をオルセン姉妹は4度も受賞するという功績を残し、本格派デザイナーとしての地位を確立しました。
数々の流行を作ったオルセン姉妹のファッションスタイル
“子役”としてではなく、“デザイナー”という印象に生まれ変わったオルセン姉妹。
そんな2人は、年齢を重ねるごとにファッションスタイルの変化も注目されてきました。
子役時代はオン・オフ関わらず、いつも双子らしいお揃いルックが有名でした。
子役時代のお揃いルック 引用i-d.vice.com
10代の頃は、ローティーン女子が取り入れやすいファッション、それでいて退屈でないスタイルが支持されるように。
ティーン時代のオルセン姉妹 引用i-d.vice.com
17歳頃からは、徐々に個々のファッションスタイルを楽しむ姿が顕著に。
ニューヨーク大学に入学すると、さらに彼女たちのファッションが注目され始めました。
女優業を中断してもなお、パパラッチに追われる生活をしていたため、オルセン姉妹は身を隠すようなオーバーサイズの服を着るように。
このスタイルは「ボボ・スタイル（ブルジョア×ボヘミアン）」という名称で広まり、一つのムーブメントが起こりました。
ボヘミアン風ファッションのオルセン姉妹。2003年 引用cosmopolitan.com
セレブでありながら、気取らないファッションを好むオルセン姉妹のスタイルは、富裕層を嫌う若者から共感を得ました。
また、ボボスタイルの他にも、オルセン姉妹によって人気となったアイテムはまだまだあります。
バレンシアガのシティバッグ、アレキサンダーマックイーンのスカルスカーフ、スカートとレギンスの組み合わせ、大ぶりのターコイズジュエリー、ダメージジーンズなど、実は数えきれないほどのトレンドを生み出しているのです。
オルセン姉妹のファッションは、セレブ特有のハイブランドで統一したスタイルではなく、誰もが取り入れやすい、ハイ＆ローMIXスタイルとして支持されています。
2014年ごろの私服姿 引用instagram＠olsenoracle
ラグジュアリーな服に、アディダスの「サンバーローズ」やニューバランスの「574」、VANS、ビルケンシュトックなど、1万円前後で買えるシューズを合わせるコーデも人気のスタイル。
オルセン姉妹の美的センスはもちろんのこと、共に身長がアンダー160cmだと思わせない、抜群のコーディネート力もお手本とされています。
オルセン姉妹を形作るもの
子役からデザイナーへ転身したオルセン姉妹は、それぞれのフィールドで結果を残してきました。
そんな彼女たちは、一体どのような存在なのか。
ここからは、オルセン姉妹を形作るものをお話していきます。
控えめで慎み深い人間性
ザ・ロウのシンプルで嫌味のないラグジュアリーな世界観は、オルセン姉妹の控えめで慎み深い人間性があるからだといえます。
オルセン姉妹は、幼少期から「慎ましやかな人になるように」と育てられたそう。
落ち着きがあり遠慮深い、そして上品。
ザ・ロウにも、そのオルセン姉妹の人間性が反映されています。
「ザ・ロウ」というブランド名に命名したのも、オルセン姉妹が「自分たちは広告塔にならない」と決めたからだそうです。
“有名人のブランド”という先入観を排除して、「商品だけを見て本当に良いものかどうか」を、世間の純粋な目で確かめてほしかったのでしょう。
無駄のない滑らかなフィット感や、上質な素材選び、いつの時代にも愛用できる普遍的ラグジュアリーさなど、過度な装飾のないシンプルなデザインも、オルセン姉妹の控えめな人間性があるからこそです。
かつてのインタビューでアシュリーは、「自分たちを前面には出したくなかったし、私たちがつくっていることを知ってもらわなくてもいい、とすら思っていた」とコメントしています。
一般的に有名人のブランドとなると、本人がアイコンとなり、プロモーションすることがほとんどです。
しかしオルセン姉妹は、名もなきブランドからスタートし、ひたむきに商品と向き合い、並外れの努力を続け、ブランドの名前を広めました。
それは、オルセン姉妹の慎ましい人間性があってこその成功だといえます。
多くを語らない静かなカリスマ性
2007年、ゴス風ファッションの2人 引用i-d.vice.com
オルセン姉妹は、女優業を引退して以来、滅多にメディアに出ず、プライベートを明かさない人物として有名です。
パーティーや話題になるようなSNS戦略などは行わないうえ、インタビューを受けるのも稀だとのこと。
オルセン姉妹は、これまでザ・ロウというブランドの価値だけを重要視してきています。
世間を夢中にさせた子役スターであれば、自分たちの名前をアピールした販促の方が、より早くにビジネスを成功させていたかもしれません。
しかし、自分たちが前面に出るのではなく、ブランドに専念することに注力しているのです。
自ら多くを語らずとも、多くのトレンドを作り出す姿は、正しく真のカリスマだといえます。
時代に合わせたプロモーションや、流行りに乗っかった発信など、そんなものには興味を示さず、いつも本質的なクリエイションを魅せてくれます。
また、子役から活躍してきたセレブであるのにも関わらず、大きなスキャンダルを起こさないことでも有名。
爆発的な話題こそないですが、オルセン姉妹の静かなカリスマ性には、確かな魅力があります。
その結果、多くのファンがザ・ロウを信頼してくれるのでしょう。
アートから得るインスピレーション
オルセン姉妹は、アートをこよなく愛し、デザインのインスピレーション源としています。
芸術家のイサム・ノグチや、彫刻家のビバリー・ペッパー、プロダクトデザイナーのジャン・プルーヴェなど、お気に入りのアーティストは様々。
モダンで抽象的、先鋭的なアートを好んでいる傾向が見られます。
過去には、アーティストとザ・ロウの世界観が織り交ぜられた、最高のコレクションが披露されました。
2019-2020秋冬コレクションでは、イサム・ノグチのアート空間が広がる草月会館で、ザ・ロウの服やバッグなどを展示する演出を披露。
草月会館での展示の様子 引用madamefigaro.jp
また2020-2021秋冬では、彫刻家・ビバリー・ペッパーの作品が展示された空間で、彼の作品の特徴である無彩色でミニマルな作品を反映したコレクションを発表。
会場の様子 引用vogue.co.jp
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コレクションの様子 引用therow.com
シーズンテーマを設けない、トレンドレスなザ・ロウであるからこそ、見事にアートと融合し、一体感を生むのでしょう。
「とにかく私たち自身がアートを愛していて、発見したものをお客さんと共有したいだけ」 と語るオルセン姉妹は、ザ・ロウのファンにたくさんのアートをシェアしてくれます。
オルセン姉妹の美学は、下品に見せびらかすことをせず、ピュアな心のもとに共有されるのです。
アートの存在は、オルセン姉妹のインスピレーション源であり、ザ・ロウの世界観を作る基盤なのでしょう。
完璧を追い求める姿勢
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TheROW 2022AWコレクションより 引用therow.com
オルセン姉妹は、自らを「完璧主義者」と断言するほど、一切の妥協を許さない姿勢を見せます。
その証拠にオルセン姉妹は「私たちがファッションブランドを続ける理由は、つねに自分たちの欠点を直そうとしているからだと思う」と語っています。
ザ・ロウのような無駄を削ぎ落したシンプルなデザインは、欠点が見つかりやすくなるため、完璧を追求するのは難しくなるもの。
しかしオルセン姉妹は、わずか1mmでさえも重視し、徹底的に完璧なデザインに仕上げるのです。
着心地の良さを叶えるために、何度もフィッティングを重ね、フィット感の違いを緻密に分析しているとのこと。
「あらゆる欠点を洗い出し、常に自分を奮い立たせ、ものを見る目を養い、それがすべてのひとに届けられているかを確かめるのも私たちの仕事。ひたすら進化し、学び続ける」と、かつてのインタビューでは、志の高さが伺えるコメントも残しています。
向上心を絶やさず、完璧を追い求める姿勢は、結果的に、現在のザ・ロウの圧倒的な支持につながっているといえます。
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
The Rowのデザイナーであるオルセン姉妹。
幼少期からセレブとして何不自由なく育って今に至ったかと思いきや、女優時代のさまざまな苦悩を2人で乗り越え、そのうえでブランドを作り、運営していることがわかりました。
KLDでもThe Rowのお買取を強化しています。
インポートブランド、ラグジュアリーブランドの査定を得意とするスタッフの在籍により、高い精度での強気のお値付けが可能です。
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