OLDMAN'S TAILOR デザイナー、しむら夫妻ってどんな人たち?|オールドマンズテーラー|R&D.M.Co-
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
上質な素材を使い、オリジナルのテキスタイルやナチュラルな質感、長く使い続けられる丁寧な仕事ぶりが魅力のブランド、OLD MAN’S TAILOR(オールドマンズテーラー)。
デザイナーは、山梨県にアトリエを構えるご夫婦です。
今回は、
- オールドマンズテーラーってどんなブランド?
- デザイナーってどんな人?
- オールドマンズテーラーを形作る要素
という形で、お話していきたいと思います。
デザイナーのことを知れば、よりブランドのアイテムを楽しめるかと思います。
ぜひご覧ください。
目次
OLD MAN’S TAILOR(オールドマンズテーラー)とは
引用 nestrobe.com
オールドマンズテーラーは、2001年にしむら祐次さんによって設立されました。
デザイナーの地元である、山梨県の富士吉田市にアトリエを持ち、拠点としています。
名前の由来は“受け継がれるようなブランドになりたい、長く続く老舗になりたい”という想いから。
2004年には、リネン素材をベースにしたブランド「R&D.M.Co-(アールアンドディエムコー)」を立ち上げ、アンティークを思わせるようなオリジナルのプロダクトをユニセックスにて展開しています。
展開されるアイテム全ては、デザイナー自身が“使いたい”と思えるもの。
“長く使えるいいものを”という理念から作られた、素材の風合いを活かしたものたちです。
地元の豊かな自然環境と、地元で盛んな織物産業の職人技術を活かし、素材の元となる糸作りから、製品としての仕立てまでの工程全てを自社にて行っています。
また、アパレルだけでなくタオルやクロスなど小物も含めた、暮らしに根付くアイテムを多く製作。
2014年には、ショップとカフェを併設したコンセプトストア「THE DEARGROUND(ザディアグランド)」をオープンしています。
良い素材と丁寧な仕立てのメイドインジャパンのプロダクトに、定評のあるブランドです。
引用 kurashi.com
デザイナー
引用 kurashi.com
デザイナーは、山梨県富士吉田市生まれの、しむら祐次・とく夫妻。
現在も、地元である富士吉田で、夫婦と娘さん、愛犬のチャーリーと生活しているようです。
1997年、後に妻となるとくさんの実家の家業であるシルク工場の手伝いを始めた、祐次さん。
もともと、自らの手や体を使った仕事が好きで、わさび農園や洋服屋で働くなどして模索していたそうです。
そのころ、とくさんお兄さんから声を掛けられ、とくさんの実家「(有)テンジン」へ入社。
シルク生地作りについて、熱心に勉強します。
そして、祐次さんより2歳年下のとくさん。
ファッションの勉強をするために、東京の文化服飾学院へ進学し、卒業後に家業である織物会社を手伝うため、地元富士吉田へ戻ります。
二人が出会ったのは、ちょうど祐次さんがテンジンで働きはじめた頃だっだようで、後1999年に二人は結婚。
それから、二人で20年近く物づくりを続け、今では1年に約300点のペースで商品を製作しています。
織機の音を聞きながら、職人さんたちとものづくりができることが、織物の町で生まれ育ったしむら夫妻にとって、かけがえのない大きなしあわせと感じているようです。
オールドマンズテーラーの生地を織るシャトル織機 引用 kurashi.com
オールドマンズテーラーを形作るもの
作った人のこだわりと温かみを感じられる「オールドマンズテーラー」。
強くしなやかで使い込むほどに味わいを増すリネン製品にファンが多いブランドです。
また、展開されているブランド「R&D.M.Co-」とショップ「THE DEARGROUND」。
どちらも人気を博していますが、シルク織物が盛んな富士吉田から、なぜ人気のリネンブランドが誕生したのでしょうか。
オールドマンズテーラーについて詳しくご紹介していきたいと思います。
「OLD MAN’S TAILOR(オールドマンズテーラー)」の誕生
はじまりは、富士吉田のとくさんの実家
山梨県の富士吉田市。
富士吉田と言えば“富士山”ですが、シルク織物の生産地としても古くから有名な街です。
富士山から流れ出る澄んだ湧き水や清い空気、大自然。
美しい糸を生成するのに、素晴らしく良い環境が揃います。
そんな環境でとくさんの育った家もまた、シルクの織物工場を営んでおり、ネクタイなどに使われるシルク生地を問屋に卸していました。
同じく富士吉田市の出身の、祐次さん。
1997年にとくさんのお兄さんからの声がけで、とくさんお工場を手伝うことになったことで二人は出会い、99年に結婚します。
ネクタイ生地を織る機械はとても複雑なのですが、その仕組みにのめり込んだ祐次さん。
熱心に勉強をしているうちに、「他にはない自分たちのネクタイで、ブランドを作りたい」といつしか思うようになったのだそうです。
そして、「OLD MAN’S TAILOR」が誕生
2001年、ブランドを作りたい想いから、祐治さんがブランドを立ち上げます。
オリジナルのシルク生地を使った、ネクタイブランド「OLD MAN’S TAILOR(オールドマンズテーラー)」の誕生です。
シルク生地の生産からデザイン、完成までと、全ての過程を試行錯誤し、その結果、ほかにないこだわりのネクタイとして評判は上々。
やがてセレクトショップで取り扱いが始まり、有名ブランドから別注の依頼が入るほど、順調であったようです。
その頃、とくさんも祐次さんの影響もあって、家業を手伝うだけではなく、自分の手で何かをつくりたいという、仕事への気持ちの変化があったとか。
富士吉田のシルクネクタイから始まった、オールドマンズテーラー。
意外と知られていない、ブランド誕生の背景です。
「R&D.M.Co-(アールアンドディーエムコー)」の誕生
引用 nestrobe.com
アンティークリネンとの出会い
祐治さんが作ったシルクネクタイから、始まったオールドマンズテーラー。
順調に仕事が進み、シャツやスーツも作ってほしいと依頼が増え始めましたが、祐二さんはファッションビジネスの波に流されてしまうようで抵抗を感じたのだそう。
そしてこれからについて考えていた頃、夫妻はフランス製のリネンクロスに出会います。
何十年という時が経っても、使い込まれる程に風合いが増すアンティークの生地に引き込まれるように魅了され、自分たちも“長く使われるものづくりをしたい”と考えるように。
そこからがリネン生地作りの始まりです。
今シルクを織っている織機で、大量生産では成し得ない、使うほどに魅力が増すリネンを自らの手で作ろうと、しむら夫妻は時間を費やします。
糸の撚り具合や経糸(たていと)と緯糸(よこいと)の密度などをとことん追求した結果、納得のいくリネン生地が完成しました。
2004年、「R&D.M.Co-」の誕生
そして2004年に誕生したのが、リネンアイテムブランド「R&D.M.Co-」です。
ブランド名の由来は、“Research & Development Manufacture ”から。
リネンの生地について“追及し、開発し、そして生産”、しむら夫妻が行ってきた道筋をそのままブランド名にしています。
最初はリネンクロスから始まった“R&D.M.Co-”ですが、現在ではアパレルアイテムまで展開し、男女問わず安定的に人気の高いブランドとなりました。
長く愛用できる、柔らかな風合いとしなやかな優しいリネンの素材感が人気の大きな理由です。
自らの手でじっくりと丁寧に育てあげ、味わいのあるリネンブランド“R&D.M.Co-”は誕生したのでした。
引用 nestrobe.com
コンセプトストア「THE DEARGROUND(ザディアグランド)」
たくさんの人たちに伝えたい想い
シルクネクタイから始まった、祐次さんのブランド「オールドマンズテーラー」。
そこから、二人の手によって新たに展開された、リネンブランド「R&D.M.Co-」。
二つのブランドを作ったしむら夫妻は、“次はどんなアイテムを作ろう、次はどんな面白いことをしよう”そんな事を、いつも考えているそうです。
いつしか、自分たちの想いやスタイルをもっとたくさんの人に伝えることができる“場所”を作りたいと思うようになりました。
そして、地域の人たちのコミュニケーションの場にもなり、自分たちの町に県外からも訪ねてもらえるような、そんな店を作りたい。
二人の想いからなる、二人の新たな挑戦です。
「THE DEARGROUND」オープン
そして2014年8月に完成したのが、コンセプトストア「THE DEARGROUND」です。
カフェを併設した、二人の目指すライフスタイルを表現した場所。
昭和40年代に建てられた古いビルを、全て自分たちでリノベーションをしたそうで、自然の光りを活かした空間です。
2階はカフェスペースとアンティークジュエリーを扱うスペース。
“オールドマンズテーラー”と“R&D.M.Co-”のアイテムは、その3階で販売をしています。
オールドマンテーラーは、ヨーロッパスタイルのトラディショナルなメンズアイテム。
現在は、祐次さんと1LDKのクリエイティブアドバイザー大貫達正さんの二人でアイデアを出した、本格的なテーラードアイテムを展開しています。
そして、リネンを中心とした厳選素材を使ったユニセックスブランド“R&D.M.Co-”。
リネンの風合いを活かした、ワンピースやシャツなどのアパレルやキッチンクロスやバッグなど、普段の生活に寄り添うアイテムも多く展開しています。
そこに訪れた人たちがくつろぎながら、オールドマンズテーラーのアイテムの数々を一度に見ることができる、特別なストア。
富士吉田の地で、富士山を眺めながらショッピングやカフェを楽しめるだなんて素敵過ぎますね。
3階 ショップスペース 引用 kurashi.com
2階 カフェ 引用 kurashi.com
メイドインジャパンのこだわり
地元の人の支えがあるから
ブランドの確立をした今でも、地元である山梨を拠点にし続ける、オールドマンズテーラー。
ブランドを運営するうえで、必要なのは、いつだって人の手や職人さんの技術だと考えているそうです。
「生地が織れるのは、両親や兄や叔父がいてくれるからこそ。仕上がった生地をチェックしてくれるのは叔母だし、でき上がった商品を洗ってくれるのは彼(祐次さん)のお母さんなんです(書籍「主婦の友社 R&D.M.Co-」より引用)」と、とくさんは言います。
パタンナーに関しては、しむら夫妻の古くからの友人が担っているそうで、ブランド立ち上げ前に頼っていたのは、地元のカフェのご夫婦。
また、作り手が近くにいることは、自分たちの想いをそのままを伝えることができ、勉強にもなるのだそうです。
そして、地元を拠点にする想いはもうひとつ。
日本の技術を残したい
引用 書籍「R&D.M.Co-(主婦の友社 ) 」P80.81より
しむら夫妻が、地元を大事にしているもうひとつの理由は“日本の技術を残すこと”でした。
もともとシルクネクタイを作り出した年も、ちょうどネクタイ市場が衰退し始めていた時。
とくさんの実家のシルク工場を維持するためにという想いがベースにあったようです。
どんなにすばらしい職人技術も、昔ながらの織機も、使わなければなくなってしまう。
次の次代へつなげていく努力をしなければ。という強い想いがあると言います。
しむら夫妻の、地元を守りたい強い信念があってこその、メイドインジャパンのこだわり。
流行にとらわれることなく、長く愛されるいいものを作りたいという理念が、日本の技術を大切にしていきたい想いに紐付くのだとわかります。
デザインとテキスタイルのこだわり
デザインのこと
メイドインジャパンを大切に、糸作りから仕立てまですべて行うリネンブランド
“オールドマンズテーラー”の代名詞ともいえるのは、やはりリネンアイテムです。
まるで年代ものを感じさせるような、優しいカラーやニュアンス、オリジナルのイラスト。
そして、しなやかで柔らかい質感もブランドの大きな特徴といえるでしょう。
その全てが、地元の職人さんあってこそ成り立つ、こだわり。
まずデザインに関しては、しむら夫妻が行い、毎年イギリスやフランスに出向き、情報を集めているそうです。
そして自分たちのフィルターをとおして、新しいトラディショナルを考えてデザインします。
その後サンプルの段階で、シルエットや着心地はどうか、念入りチェックと改善を繰り返すのですが、それもパタンナーが地元にいるからこそ、細かく念入りに確認を続けられることなのだとか。
“よいものを作りたい”という共通の想いから、時には言い合いをしながら作り込んでいくこだわりです。
テキスタイルのこと
次にテキスタイルについて。
生地をよく見てみると、何本もの糸が織り込まれているのがわかります。
オールドマンズテーラーの糸は、ヨーロッパから取り寄せた、亜麻(アマ)という植物の茎や葉脈といった目には見えないほどの細かな繊維から作られ、糸そのものから考えられているのです。
そして織りたい生地を作る為に、何本の繊維を使うのか、より具合はどれくらいにするのか、求める生地を作るまでに何度も試作を重ねます。
また生地を染める色についても。
「亜麻そのものの色をいかすこともあるが、作りたい柄に合わせて染めることも多い(書籍「主婦の友社 R&D.M.Co-」より引用)」と言います。
その時には、生地を織る時点で求める色に染め上がるのか逆算して生地を作るようです。
しむら夫妻と職人の手によって丁寧に作られ完成する、全てにこだわったアイテムの数々。
オールドマンズテーラーの背景を知れば知るほど、根強い人気の理由も納得です。
引用 kurashi.com
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
山梨県のアトリエで、あくまで自分達のペースで自分達のブランドや地元を大切にする、デザイナーのしむら夫妻。
デザイナーを知り、OLDMAN’S TAILOR/R&D.M.Co-というブランドの魅力がより深まったのではないでしょうか。
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