地雷系、量産型女子とゴスロリ、ロリィタってどう違うの?

× 事前査定

こんにちは。
ブランド古着のKLDです。

最近「地雷系女子」「量産型女子」という言葉をメディアやSNSなどで目にすることはないでしょうか?

そしてその写真などを見ると、フリルやリボンのたくさん付いた可愛らしい服、年齢よりも幼い雰囲気を髪型やメイクで作っている女の子たち…。

「これはいわゆる「ロリィタ」というファッションじゃないの?」とお思いになった方も多いのではないでしょうか?

実は地雷系女子、量産型女子はロリィタファッションに似ていながら厳密には違ったジャンルなんです。

今回は、「地雷系女子」「量産型女子」と「ロリィタ」ってどう違うの?ということについてお話したいと思います。

背景にある文化的なところから解説していきたいな…と思っておりますので、彼女たちのファッションにはそんなに興味がないけど…という方も楽しめる記事となっております!

ぜひご覧ください!

地雷系、量産型って何?

まずは、最近良く聞くようになった「量産型」「地雷系」ってそもそもどんなファッション?ということから説明していきたいと思います。

この記事をお読みの30代〜くらいの読者の方々は、女性の特定のファッションを指す「量産型」という言葉を以前も聞いたことがあるのではないでしょうか?

「量産型女子」というワードは、実は2000年代中期ごろにインターネット上で一度注目されていました。

皆揃って茶髪の髪、ファッション的にはいわゆる「赤文字系」(CanCamやViViなどの雑誌に見られるコンサバティブなファッション)…というようなファッションの女子を指して、どちらかといえばネガティブなイメージで使われていたワードかと思います。(当時のミューズは蛯原友里さんでしょうか。)


蛯原友里さんのスタイルが爆発的に流行っていた頃のファッション。このスタイルを真似た女子に対して「量産型」と揶揄する声がありました。 引用 imn.jp

その頃に「量産型」と言われていたファッションを指す言葉と、現在よく聞く「量産型」「地雷系」というファッションは、全くの別物となっています。

現在「量産型女子」と呼ばれているファッションは、コンサバティブで比較的男受け重視だったあの頃の量産型とは違い、フリルやリボンを使った甘い服に、ピンクベージュ系のゆるふわの髪は可愛くアレンジ、涙袋を強調したメイク…など、「女の子の好きなもの」を我慢せず盛り込んだような「自分(同性)受け」の風味の強いものになっています。


現在の「量産型」のイメージ。 引用 fantage.co.jp

マインド的にも、当時は他者から「量産型」と揶揄されるニュアンスが強かったのですが、現在の「量産型」「地雷系」は、自分たちでこの名前を名乗る傾向があり、量産、地雷というネガティブなイメージを、ある種開き直って積極的に身につける、粋な(?)マインドを持っています。

ファッションの特徴としては、量産、地雷共に、フリルをふんだんに使用したガーリーな雰囲気、言ってしまえばロリィタ、ゴスロリ系ファッションを簡略化したような可愛らしさがあります。

量産型、地雷系には微妙に違いがあり、量産型はピンク、白などの“ザ・ガーリー”な可愛らしい色合いが基調で、リボンやフリル、ピンクベージュ系の髪をゆるく巻いてアレンジする…などの甘いコーディネートが得意です。

地雷系はというと、フリルやリボンが好きなのは同じですが、カラーは黒や紫を基調としたコーディネートが多く、十字架などのダークなイメージのモチーフも取り入れ、アクセサリーもピアスなどを多く開けていたり、髪型もストレートの黒髪を下ろしたりアレンジしたり…など、少女っぽさはベースにありつつも、量産型よりも少しハードでダークなイメージを取り入れています。


「量産」「地雷」のファッションアイテムの比較図。 引用 dreamvs.jp


「地雷系」のイメージ。路上でピンクのモンスターエナジーやストロングゼロにストローを挿して飲んでいる方が多くいらっしゃいます。 引用 harajuku-pop.com

ロリィタファションをご存知の方は、ここまで聞いて「甘ロリとゴスロリの関係性に似ているな?」と感じる部分があるのではないでしょうか?

ロリィタって何?

では、ロリィタって何なの?という話になるのですが、こちらの記事でも詳しくご紹介していますので、この記事もご覧いただければと思います。

ロリィタファッションって結局どんなもの?分類を解説します。|ロリータ

みなさんこんにちは! ブランド古着のKLDです。 今回は、「ロリィタファ...

ロリィタファッションって結局どんなもの?分類を解説します。|ロリータ

こちらからの抜粋も含めてお話していくと、ロリィタファッションの特徴は、フリル、レースやリボンなどの甘いディテールをふんだんに取り入れた、フランス人形やおとぎ話のお姫様のようなイメージをベースとしたファッションです。


ロリィタのイメージ。いわゆる「甘ロリ」といわれるジャンルです。 引用 angelicpretty_official

ロリィタの中の1ジャンルとして、ゴシックロリィタ(ゴスロリ)というものもあり、こちらはロリィタの甘い雰囲気の中に、ゴシック調のダークな世界観を取り入れたファッションとなっています。(その他にもロリィタの中には細分化されたジャンルが存在しますがここでは割愛します。)


ゴスロリのイメージ。重厚な世界観が感じられるものが多いです。 引用 moi-meme-moitie

ここまで聞いて、「量産型、地雷系とどう違うの?」と感じた方も多いかもしれません。

明確な違いというのはあまり提示されていないのですが、ロリィタは量産型、地雷系よりも露出度が少なく、まさに上品なお人形さんのような姿を目指しています。

スカートのボリューム感なども違った部分で、スカートのボリュームを持たせるためにインナーとして穿く「パニエ」などは、ロリィタ発祥のものかなと思います。


Angelic Pretty 「ドレスアップパニエ」 引用 angelicpretty-onlineshop.com

量産、地雷の服はパニエを穿く前提で作られていないことが多いですが(そうでないものもあります)、ロリィタのスカートは基本的にはパニエを穿くことが前提で、スカートが広がった時のシルエットの美しさを考えて、しっかりとボリュームを持たせた作りになっていることが多いです。

量産、地雷ファッションはロリィタを簡易的にしたような雰囲気の…といわれるように、ロリィタの方がデコラティブで「気合が入っている」といっても良いかもしれません。

ロリィタで用いられる「ボンネット」などの豪奢な装飾のついたヘアアクセサリーなども、ロリィタならではのものといえます。(ヘッドドレスなどは最近、ロリィタブランド以外でも取り扱いがあり、地雷系ユーザーが取り入れていることもあるようです。)


BABY, THE STARS SHINE BRIGHT 「ふわふわクリームプリンセスボンネット」 引用 babyssb.shop

ここまでファッションとしての違いを説明してしまいましたが、ロリィタは歴史が古く(後述します)、元祖「女の子の夢が詰まった」ファッションといってもいいかもしれません。

結局どう違うの?

量産型、地雷系、ロリィタについてここまでご紹介してきましたが、結局何が違うの?やっぱり見た目かなり似てるけど?とお思いの方に両者の違いを挙げていきたいと思います。

時代が違う

まず、両者の違いとしてファッションのジャンルが誕生した時代が違います。

ロリィタは発祥としては80年代、現在「ロリィタ系」と呼ばれるブランドが登場して現在の「ロリィタ」のイメージが出来上がったのが概ね90年代終盤から2000年代初めごろかと思います。

「原宿系ファッション」全盛期にロリィタ文化が根付き、2004年、「下妻物語」という映画で深田恭子さんがロリィタファッションを貫く主人公を演じたことで一般的にも認知が広がったのではないでしょうか。

ラフォーレ原宿などを中心とした原宿文化全盛期の中で、個性的なファッションジャンルの中の一つとして一部に熱狂的なファンがいたという印象があります。

一方、量産型、地雷系ファッションが現在の形になったのは2010年代の半ばごろかと思います。

原宿ファッションの文脈とは別のところで、プチプラでありながらリボン、フリルをふんだんに盛り込んだファッションとして人気になりました。

ロリィタが進化したというよりは、文脈としては「オタサーの姫」のようなファッションの発展系といえるかもしれません。

「オタサーの姫」というのは、いわゆるオタクサークルにいる紅一点のような存在で、「ナード的文化の中でちやほやされる少し垢抜けない女性」…というような意味合いで、言葉が生まれた当初はどちらかといえばネガティブなワードとしてネット上で流行った言葉です。


「オタサーの姫」という概念が流行った頃にネット上で流行った画像。出典不明。

ファッションとしてはロリィタの廉価版のような表現で揶揄もされており、言ってしまえば当初は「ダサいファッション」として認識されていた記憶があります。

実は、現在の「量産型」という呼称には元々「量産型オタク(ヲタク)女子」という意味合いで「ヲタク」がついていたようで、その名のとおり、オタク的な文化圏の女性にありがちなファッションという意味合いがありました。

「量産型」はその後、ファッションジャンルとして徐々に確立され、必ずしもオタク的な文化圏の女子だけのものではなくなったり、オタク女子自身の美意識が上がったりなどで、とても洗練されて可愛く進化し、現在の形になったといえます。

「オタサーの姫」という概念が生まれた時から年月を経て、SNSの発展などの影響も受けて現在の地雷・量産文化が形作られたのかもしれません。

文化圏が違う

前述のように時代が違うというところにも繋がってくる部分かもしれないのですが、量産、地雷とロリィタは、やや文化圏の違いがあるといえると思います。

ロリィタは、前述のように「原宿ファッション」全盛期(90年代後半〜2000年〜 )に原宿などでよく見かけたイメージで、文化的には当時人気だったバンド系の音楽(いわゆるヴィジュアル系など)や、サブカル的な文化との親和性が高かったといえます。
(ロリィタファッションユーザーが皆そういいった文化を好んでいたということではありません。)

SNSなどの無かった時代、特定の「場所」や「雑誌」などの中で、ロリィタ文化が花開いたというような印象です。

それに対して量産型ファッションはアイドルファンの人口が多く、いわゆるジャニーズファンなどから広がったファッションともいわれています。(諸説あります)
「オタサーの姫」の発展系かもしれないという話は前述でもしましたが、オタク的な文化圏の中で発展していったガーリーな服装が現在の量産型女子といえるかもしれません。

地雷系に関してはまた少し違っていて、新宿・歌舞伎町の文化との結びつきが強く、ナイトワークに従事する女子、ホストクラブが好きな女子、また、いわゆる「トー横界隈」と呼ばれているストリート的な文化などが背景にあるといえます。

量産型女子の語源については前述のとおりですが、「地雷系女子」の地雷というワードは、ネットスラングの一つで、ナイトワーク系の仕事に従事する女性の中で極めて接客態度が悪い女性を揶揄する言葉として特定の掲示板などで使われていた言葉や、付き合ってみたら精神的に非常に不安定で、関わると痛い目を見る女の子(いわゆるメンヘラ)を指す言葉…というような意味合いで使われていたのが元かと思います。(諸説あります)

「見た目では分かりにくいが、関わってしまうと受けるダメージが非常に大きい」ということで「地雷」という呼称が定着したようです。
そこから、「病んでいるけど可愛い」イメージを持ったジャンルとして「地雷系」という一つのファッションジャンルになったものと思われます。

両者の違いとして、マインド的にも、ロリィタファッションを身につけるユーザーの背景には「個性的でありたい」「みんなと一緒なんて嫌」という精神が根本にある女子が多くいましたが、量産型、地雷系に関しては「量産で何が悪いの?」というマインドが感じられます。(ファッションとしては尖っているし、世の中の総数からいえばかなり少数派だとは思いますが…)

また、メイド喫茶、コンカフェ(コンセプトカフェ)や地下アイドルなどの流行で、それらへの憧れから、フリルやリボンのガーリーなファッションに入ってくる女子も多くいそうです。

時代の移り変わりという要素もあるのですが、この両者のマインドの違いは、「ファッションで自己主張する」という文化自体が現代ではやや衰退していることの表れかもしれませんね。

このように、ロリィタファッションと量産型、地雷系ファッションには、発祥となった文化圏の違いがあるといえます。

しかし、現在はこういった文化的な住み分けのようなものもほぼ無くなっているようです。
昔ロリィタがいた文化圏に量産、地雷女子がいたり、量産、地雷系ファッションから入ってロリィタに移行するユーザー、もしくはその逆のパターンや、TPOに合わせてロリィタ、量産を使い分ける…など、自由にファッションとして楽しんでいるユーザーが多い印象があります。

カルチャー的にも、漫画やアニメなどの「オタク文化」が市民権を得たりなどで文化的な垣根が曖昧になり、さまざまなジャンルのカルチャーを並行して楽しむユーザーが増えたことも関係しているかもしれません。

ブランドが違う

ロリィタ、量産・地雷共に、「このジャンルならこのブランドの服を良く着ている」というブランドが複数あるのですが、ロリィタ、量産地雷ではそのブランドが大きく異なる点は一つの特徴かと思います。

ほんの一例ですが、以下にそれぞれのジャンルの女子に人気のあるブランドを羅列してみようと思います。

量産型・地雷系

量産、地雷どちらにも使えるブランドや、「地雷」という括りの中にもガーリーなもの、ストリート寄りのもの…などのジャンルのグラデーションがありますが、ざっくりと分けてご紹介しています。

量産型

地雷系

ロリィタ

甘ロリ〜クラロリの王道ロリィタ系

ゴスロリ〜ゴス系

メディアで取り上げられる地雷系

ここまで地雷系、量産型、ロリィタについて説明してきましたが、これまでこういったファッションジャンルに興味のなかった方が興味を持ったきっかけとして、漫画などで印象的にこういったファッションの女子が登場したのを見て…というのを多く見かけます。

近年、とくに地雷系などについては印象的に扱った作品などが多く、その代表的なものをご紹介したいと思います。

明日、私は誰かのカノジョ

著者が個人的に「地雷系」を一気に世間に知らしめた作品なのではないかと感じているのが、こちらの「明日、私は誰かのカノジョ」という漫画の通称「ゆあてゃ」というキャラクターです。

「明日、私は誰かのカノジョ」は通称「明日カノ」と呼ばれており、サイコミという漫画アプリで連載中の人気漫画。

非常にリアルかつシビアに、現代の女性たちを描いた作品です。

「ゆあてゃ」というキャラクターは、風俗店で働きながら歌舞伎町のホストクラブに通い詰める20歳の女の子。

ストレートの髪をツインテールにし、レースやフリルをあしらったいわゆる「地雷系」の服装、腕の内側に無数にあるリストカットの痕…など、正に「地雷系」そのもののキャラクターといえます。

上述のとおり、この「明日、私は誰かのカノジョ」は、綺麗で可愛いらしい絵の雰囲気に反して、現代的で非常にリアルな人間関係を描くことに定評のある漫画です。

こちらの「ゆあてゃ」もふわふわした可愛らしい見た目の反面、非常にシビアで現実的、またその刹那的な生き方が鮮烈で、そのキャラクター性も相まって、若い女性を中心に爆発的な支持を得るキャラクターとなりました。

その人気は漫画という媒体だけでは止まらず、歌舞伎町の巨大な広告に使用されたり、歌舞伎町を中心に走るトラック広告に掲載されたりなど、今や「地雷系の象徴」といってもいいほどの人気です。


まさに歌舞伎町!という場所に出稿されたゆあてゃの広告(著者撮影)

この「明日カノ」はドラマ化もされており、ゆあてゃには「=LOVE」というアイドルグループに所属していた(現在は脱退)齊藤なぎささんがキャスティングされました。

漫画からそのまま飛び出したようなキュートな齊藤なぎささんのゆあてゃぶりは、「地雷系」というジャンルが再度注目されるきっかけになったのではないかと思います。

このように、今までアンダーグラウンドな文化としてあまり一般的では無かった「地雷系」という文化が、様々なメディアや、地雷系女子たちのSNSなどによって一般的にも認知されているのではないかと思います。

で、KLDで買取ってできるの?

ここまで量産、地雷系女子とロリィタの違いをお話してきましたが、「で、これって古着屋の記事だよね?買取って出来るの?」とお思いの方もいらっしゃるかと思います。

結論からいえば、ロリィタファッションに関しては大歓迎、量産・地雷系ファッションに関しては、大変申し訳ございません…少しお買取は難しいという印象となっております。

前述で両者に人気のブランドを羅列しており、お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、やはりロリィタ服は定価が高く設定されており、中古市場での人気もとても高く、高額で取引されています。

それに対して、量産型・地雷系のブランドに関してはプチプラであることが魅力でもあり、定価がお安いものに関してはやはり全体的に、中古市場での取引額も安く、再販が難しいものがほとんどです。

ファッションとしてはどちらも魅力的で素敵なのですが、KLDとしては、現在ロリィタ系のブランドのみ、お取り扱いをおこなっております。

もし気になるお品物がございましたら、LINEなどでお気軽にご相談ください。

無料査定についての詳細はこちらからご覧ください!

かんたんLINE査定をしてみる

まとめ

ここまで読んでくださり、ありがとうございました。

最近よく聞く「量産型」「地雷系」と、ロリィタファッションの違いが少しでも分かる記事になっていれば幸いです。

参考

平成ガールズサマリー・改/コギャルからインスタグラマーまで
https://note.com/oishiran/n/n8845e83538b4

量産型・地雷系ファッションのルーツは甘ロリとゴスロリにある説。
https://harajuku-pop.com/53937

量産型/地雷系ファッションに関する考察
https://production910.hatenablog.com/entry/2022/01/11/000000

KLDの販売ページはこちら

こちらのページでKLDの商品を販売しています。

Recommend関連する記事

Purchased clothing results

関連する買取実績