HYKEデザイナー、吉原秀明・大出由紀子ってどんな人たち?|ハイク
こんにちは。ブランド古着のKLDです。
古着のワークウェアやミリタリーウェアという欧米のユニフォームの要素を独自の視点で洗練し、構築していくブランド、HYKE(ハイク)。
レディースラインが主で、無骨なワーク/ミリタリー要素を美しい女性向けのパターンに落とし込むことに定評があります。
デザイナーは、仕事上でもパートナーであり、プライベートでもパートナー同士である吉原秀明さん、大出由紀子さんの二人組です。
今回はHYKEデザイナーのお二人にフォーカスしてその人となりをご紹介したいと思います。
今回は、
- HYKEってどんなブランド?
- 吉原秀明さん、大出由紀子さんについて
- HYKEを形作る要素について
という構成でご紹介していきます。
目次
HYKEとは?
HYKE公式Instagramより引用 victorian_maiden
HYKEは、2013年に創立した元greenのデザイナーである吉原秀明さん大出由紀子さん夫婦が手掛ける日本のファッションブランドです。
greenの頃から変わらない「ボウルズ」という社名で主にウィメンズウェアを展開していますが、男性からも支持を集めています。
HYKEのブランド名は、特定のものを意味しない名前にするために、吉原さんたち家族のファーストネームのイニシャルを並べたものになっています。
「できるだけ自由な気持ちでデザインができるように」という思いと、シンプルに自らの個性を表すことが良いこととしてHYKEは始まりました。
ブランドのコンセプトとして「HERITAGE AND REVOLUTION(服飾の歴史、遺産を自らの感性で独自に進化させる)」が掲げられています。
デザイナー
上述のとおり、デザイナーは吉原秀明さん、大出由紀子さんの二人組です。
お一人ずつご紹介していきます。
左から吉原秀明さん、大出由紀子さん。 引用 mainichi.jp
吉原秀明
1969年、東京生まれのデザイナーで、専門学校の日本メンズアパレルアカデミーでテーラリングを学び、卒業後はパタンナー経験を積みました。
1998年に、大出由紀子さんと共にファッションブランド「green」を立ち上げ、東京コレクションにも参加するまでになりましたが、2009年からブランドを休止し、2013年に再び由紀子さんと「HYKE」で活動再開を果たしました。
ブランド立ち上げ前は古着屋の店主をしていましたが、古着が好き過ぎるあまりに良いものは売りたくなくなってしまうことがあり、自身を優秀な店主ではなかったと語っています。
大出由紀子
1969年、群馬県生まれのデザイナーで、バンタンデザイン研究所を卒業後、スタイリストとプレスの経験を積みます。
1998年に吉原秀明さんと共に「green」を立ち上げますが、自身の妊娠を機にブランドを休止し、2013年に秀明さんと再びブランドの活動再開を果たしました。
幼い頃からスカートが好きではなかった由紀子さんは、メンズ向けのファッション誌ばかり読み、15歳くらいの頃からメンズの小さいサイズの古着を着るのが好きだったそうです。
HYKEを形作るもの
greenの存在
greenとは、1997年に秀明さんと由紀子さんが代官山に古着屋「ボウルズ」をオープンさせた後、1998年に創立したアパレルブランドです。
green休止前最後のコレクション(2009SS)より 引用 fashionsnap.com
greenの始まりは、ボウルズという古着屋だった頃、お客さんに古着を買ってもらう喜びはあったものの、売ってしまうのが寂しくもあったそうで、その感情が秀明さんを駆り立て服作りが始まりました。
コンセプトとして「機能性と美」が掲げられ、無駄の無いシンプルで機能的なデザインが特徴的で、生地や縫製などの細かい部分へのこだわりが非常に印象的なブランドでした。
元々、店舗を持たない方針でgreenをスタートさせましたが、ありとあらゆるセレクトショップやデパートが買い付け、赤字を一気に回復するような売り上げが取れるブランドへと成長していきました。
その後、2009年に突然のブランド休止を発表しましたが、2013年にブランド「HYKE」として活動再開を果たしました。
HYKEは、greenの良い部分を受け継ぎ、二人の思いと共に成り立っているブランドと言えるでしょう。
活動休止期間を経て
2009年に突然の活動休止を発表した吉原秀明さんと大出由紀子さんは、仕事上のパートナーでありプライベートのパートナーでもあります。
二人の活動休止は、由紀子さんの妊娠がきっかけで、出産・育児に専念するために決めたことでしたが、その後のgreenの活動を秀明さん1人で継続するという選択肢はなかったそうです。
休止中は育児が大変で、ファッション情報に触れる機会も以前と比べて減っていき、二人で服の話をすることもなくなっていたのだそうです。
ファッションのことを考えずに過ごす中で、また少しずつ服への興味が湧き上がり、10代、20代の頃に感じていた感覚に近いものを感じることができたと言います。
そして、活動休止から3年の時を経てブランド名を「HYKE」に改名し二人で再びファッション業界に復帰することになったのです。
活動再開にあたって、「子育てという時間的な制約があるなかでも精一杯、今やれることを表現しよう」という思いで復帰を決意しました。
活動休止期間を経て、ファッションに対して懐かしい感覚を思い出したり、greenのときとは違うゆとりのある心境に変わったりと、意外にも休止期間は、二人にとって大きな財産になったようです。
発想は古着から
green時代のアーカイブと共にオフィスに保管されている大量の資料用の古着たち。 引用 hpplus.jp
秀明さんと由紀子さんの服作りにおける発想の多くは、greenの頃から古着を基に制作されています。
元々古着が好きだった二人は、古着の要素を取り入れた服作りができないかと考え、前身のgreenをスタートさせたときから、ほぼ毎シーズンのように古着の作り方や素材感を参考に服を制作しています。
参考になる古着があれば、その良さがどこからきているのか考えるために、古着の繊維をほぐして糸のよりや何本どりで作られているのかを見るなど、細かい研究も欠かせないようです。
秀明さん由紀子さんをはじめ、古着を服作りのヒントにするブランドは数多くあります。
服好きな人であれば「古着」という道は一度は通る道だとさえ言えるくらいで、数々のデザイナーに影響を与えています。
1940年代のアメリカ軍のスノーパーカーを参考にしたコート。 引用 fashion-press.net
古着ではおなじみのカウチンセーターを再解釈したニット。 引用 fashion-press.net
古着は一見、よれたり、色褪せたり、一度は使用されているので汚いと思われがちなアイテムだと思います。
しかし、それは様々な年代の素材に触れることができる古着の良いところでもあり、どんな素材だからよれるのか、色褪せるのか、服作りの研究には打って付けのアイテムなのではないでしょうか。
HYKEはこのように古き良き要素を古着から研究し、二人のフィルターを通して現代的に昇華しているブランドといえるでしょう。
価格へのこだわり
秀明さんと由紀子さんは、自分たちについて、「ある程度ものに見合った価格で販売することによって卸先や工場、生地メーカー、職人さん、そしてお客さんがそれぞれ喜ぶ、良いサイクルを回すこと」が役割だと言います。
実際にHYKEで展開しているアイテムの価格は、ジャケットが6万円台、ニットが3万円台等で展開。
その他のアイテムも含め、以前より少し高い価格設定をしています。
洋服の販売価格というのは、無理やり価格を抑えるということをすると、製造を請け負っている工場などに無理を強要してしまうことになります。
そうなると作り手としては、仕事がなくなるのが嫌でギリギリのところまで追い込んで、従業員の給料も下がっていくなど、負の連鎖の原因になるのだそうです。
このようなことが続くと、製造の業界全体で、若い人が入らずに高齢化していったり、廃業しなければいけなくなるといった悪いサイクルになってしまいます。
悲しいことにそんな大変な中でも頑張って働いてる人たちは沢山いるのが現状です。
二人は、そういった悪いサイクルを起こさないためにも、適正な価格で魅力的なアイテムを制作し、少し高くてもそれを買ってもらえるようにしたいという思いで価格を決定しているのです。
それはきっと、業界で働く自分たち以外に、相手先の工場や職人さんたちをも守るため、二人がこだわっていることだと言えるでしょう。
働き方
秀明さんも由紀子さんも、greenの頃はかなりオーバーワーク状態で、休みもなくキャパシティもぱんぱん、あるいは溢れるくらい働き詰めでした。
今では周りにも目を配り、一緒に働くスタッフも皆同じように夕方に帰ってそれぞれの生活も尊重できるよう、仕事は少ない時間で集中してやるようにしているのだそうです。
二人は、「ブランドが成長して大きくなることだけが全てではなく、かと言ってつまらなくなるのも嫌で、魅力的な存在でありたい」と言います。
二人の働き方も大きく変化し、話し合いで以前のようにそんなにぶつからなくても良いことができるやり方がなんとなく見えてきて、精度やスピードがスムーズになったそうです。
また、ディレクションやヴィジュアル制作は秀明さんが、生産関係のことは由紀子さんが、企画・デザインは二人で、といった前にはなかった役割分担ができました。
少し働き方を変えることで、以前より良い方法が見つかったり、プライベートと仕事のバランスが取れたりして、どちらも充実させる道があることを二人から教えてもらえた気がします。
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ここまで読んで下さった方へ
ここまで読んでくださりありがとうございました。
今回は、HYKEというブランドを形作るピースのような形で、デザイナーのお二人の様々な要素をご紹介しました。
お二人がどのようなルーツやこだわりを持つ人物なのかが少しでも見えたのではないかと思います。
KLDでももちろんHYKEのお買取り強化をしています。
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