AIを活用しているファッションブランド10選
引用:Maison Meta
こんにちは。ブランド古着買取専門店KLDです。
「ChatGPT」を筆頭にさまざまなAIが登場し、私たちの生活は少しずつ変わりつつあります。
ファッション業界も例外ではなく、最先端のAI技術を取り入れ、クリエイティブな作品を作っているブランドが存在します。
そこで今回は「AIを活用しているブランド」をテーマに、10個のブランドを紹介していきます。
あなたが好きなブランドもAIを取り入れているかもしれません。ぜひチェックしてみてください。
目次
デザインにAIを活用したブランド
服のデザインにAIを活用したブランドは、以下の6つです。
- doublet
- Acne Studios
- G-Star Raw
- Tommy Hilfiger
- NIKE
- Selkie
詳しく見ていきましょう!
doublet
doublet 2024SSコレクションより 引用:fashion-press.net
doublet(ダブレット)は、デザイナーの井野将之(いの まさゆき)さんとパタンナーの村上高士(むらかみ たかし)さんによって、2012年に創業したブランドです。
毎回ユニークなルックで話題を呼んでおり、国内外問わず高い注目を集めています。
そんなdoubletは、2024SSのコレクションでChatGPTと対話し、コレクションを制作しました。
ChatGPTにdoubletの基本情報を与え、アイデアについてどう思うか投げかけたそうです。
パンツがバッグとして使われていたり、タートルネックがドレスのように使われていたりなど、1つのアイテムに2つの要素を持たせたディティールが目立ちました。
これは、AI生成した時の「バグ」をあえてデザインにしたそうです。
パンツをバッグとして使ったルックdoublet 2024SSコレクションより 引用:fashion-press.net
タートルネックをドレスとして使ったルックdoublet 2024SSコレクションより 引用:fashion-press.net
もちろん、doubletらしくタイトフィットのニットや腹部をプリントしたアンダーウェアなどのユニークなアイテムも登場しました。
モデルには、3色端子やネジ穴が取り付けられており、まるでAIを擬人化したモデルが歩いているようなコレクションに。
doublet 2024SSコレクションより 引用:fashion-press.net
また、ホバーボードに乗ったモデルまで登場し、近未来感を演出しました。
doublet 2024SSコレクションより 引用:引用fashion-press.net
このように、AIらしさを感じるコレクションですが、ただ安易に流行りのAIを取り入れただけではありません。
「NOW. AND THEN」をテーマに「そもそもなぜAIを怖いと感じるのか」という根本の疑問について井野さんは思考し、本コレクションを作り上げました。
その中で「AIの中に人間らしさをどう表現できるか」を考え、AIを擬人化したモデルが登場したそうです。
余談ですが、ショーの冒頭に「ソクラテス、パーティクル、デシベル、ハリケーン、ドルフィン、チューリップ、モニカ、ダブレット…」という機械の女性声が流れ、ショー音楽でもリピートされました。
これは、スティーヴン・スピルバーグ監督のSF映画『A.I.』でロボットの少年デイビットに、養母のモニカが言葉をインプットするシーンをオマージュした演出だそうです。
井野さんもショー当日「A.I.」のパロディTシャツを着ていました。
井野将之さん引用:fashionsnap
このように、doubletはショーの演出にもこだわり、毎回私たちを楽しませてくれます。
Acne Studios
Acne Studios 2025SSコレクションより 引用:fashion-press.net
Acne Studios(アクネ ストゥディオズ)は、クリエイティブディレクターのジョニー・ヨハンソンさんよって、1996年にスウェーデンで創業したブランドです。
北欧特有のミニマルでクールなデザインと上質な素材を使用したもの作りで、世界中のファッション好きから愛されています。
そんなAcne Studiosは、2020-2021AWコレクションでAIアーティストのロビー・バラットさんと協力し、AIを活用したコレクションを制作しました。
ロビーさんの製作したニューラル・ネットワークが、Acne Studiosの数千枚の過去のルックを識別し、新たなデザインを⽣み出しました。
引用:xrgoespop
しかし、完璧なデザインではなく、ボタンがないポロシャツや歪んだスネークスキン柄をプリントしたコートなど、AI生成らしいディティールが目を惹きます。
Acne Studios 20-21AWコレクションより 引用:fashion-press.net
これらはあえて取り入れられたデザインで、ジョニーさんはAI生成されたデザインからお気に入りのものをいくつか選び、現実世界に合わせてアレンジしコレクションを作り上げたそうです。
また、AI生成されたジャケットの多くは、ウエスト部分に大きく湾曲した開口部が付いていますが、これはAIがポケットと裾の長さを混同したためと考えられます。
Acne Studios 20-21AWコレクションより 引用:fashion-press.net
G-Star Raw
G-Star Raw 2022SSコレクションより 引用:fashion-press.net
G-Star Raw(ジースターロウ)は、ヨス・ファン・ティルブルグさんよって、1989年にオランダ・アムステルダムで創業したブランドです。
世界で初めて立体裁断デニムを発売したことで知られており、今も世界中で愛されるデニムブランドとして知られています。
そんなG-STAR RAWは、2023年に画像生成AI「MidJourney(ミッドジャーニー)」を使い、12の個性的なデニムデザインを制作しました。
引用:G-Star Raw
デザインチームがMidJourneyにG-STAR RAWの情報をインプットし、AI生成したデザインを基盤に仕立て職人たちが実際の衣装を制作しました。
制作された内の1つは実際にクチュールピースとして展開され、アムステルダムのG-Star RAWの店頭で展示予定です。
G-STAR RAW は「AIを使うことでコストを削減して、よりサステイナブルなプラクティスを生み出していくことができる」と語っており、サスティナブルな活動に前向きだと分かります。
実際に、2023年にはアーティスト兼デザイナーのマーティン・バースさんとのコラボで、廃棄デニムを使ったアート作品を制作し展示したことで注目を集めました。
廃棄デニムで作った素材で覆ったジェット機引用:casabrutus
Tommy Hilfiger
Tommy Hilfiger 22-23AWコレクションより 引用:fashion-press.net
Tommy Hilfiger(トミー・ヒルフィガー)は、デザイナーのトミー・ヒルフィガーさんによって、1985年にアメリカで創業したブランドです。
アメリカンクラシックスタイルを現代的に解釈したデザインが特徴的で、赤・白・青のブランドカラーを使用したアイテムが人気を博しています。
そんなTommy Hilfigerは、IBMとニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)と協力し「Reimagine Retail」という、AIプロジェクトを実施。
このプロジェクトでは、Tommy Hilfigeの1万5000の商品画像と60万のランウェイ画像、10万件近いパターンをAIに学習させ、新しいデザインのアイデアを得ることに活用されました。
実際に、太陽光で色が変わる素材を使用したドレスや、チェック柄テックジャケットがデザインされました。
引用:dtech
Reimagine Retailの目的は、ファッション業界の全工程をAIの力で効率化することでした。
結果、FITの学生たちは、AIを活用して新しいデザインアイデアを生み出すことに成功しました。
さらに、Tommy HilfigerはAIを積極的に取り入れており、AIを活用したモバイルゲームの開発やメタバース・ファッション・ウィーク2023でのAIデザインコンペティションにも参加しています。
NIKE
引用:NIKE
NIKE(ナイキ)は、オレゴン大学の陸上選手であったフィル・ナイトさんと、同大学の陸上コーチであったビル・バウワーマンさんによって、1964年にアメリカ・オレゴン州で創業したブランドです。
元々は、日本のオニツカタイガー(現アシックス)の靴をアメリカで販売する代理店として始まりましたが、今では世界を代表するスポーツブランドに成長しました。
そんなNIKEは、2024年4月にA.I.R.プロジェクト(Athlete Imagined Revolution)という、AIを活用したシューズデザインプロジェクトを実施。
13人の世界トップクラスのアスリートと協力し、未来のフットウェアの可能性を探求するプロジェクトとして注目を集めました。
アスリートには、サッカーフランス代表のキリアン・エムバペや、マラソン界の絶対王者と言われるエリウド・キプチョゲなどが参加。
唯一のルールは「NIKEを象徴する技術であるナイキ エアをデザインの中心に据えること」で、それ以外は各々が思う最高のシューズをデザインしました。
引用:NIKE
どれもが近未来的なデザインで、機能面はもちろん、ファッションアイテムとしても活躍しそうなラインナップです。
これらのアイテム、残念ながら販売予定はないですが、将来的になんらかの形で商品化されたら嬉しいですね。
実物は、2024年にパリで開催された「Nike On Air」イベントで展示されました。
さらに、NIKEはAIを活用して顧客の足のサイズを正確に測定し、最適なシューズサイズを提案するツール「Nike Fit」。顧客が自分のスニーカーをカスタマイズできる「Nike Maker Experience」などを開発しており、AIを活用して顧客満足度の向上に繋げています。
Selkie
引用:Selkie
Selkie(セルキー)は、キンバリー・ゴードンさんよって、2018年にアメリカ・ロサンゼルスで創業したブランドです。
花柄やチュール素材など、フェミニンなアイテムを展開し、カルト的な人気を誇っています。
そんなSelkieですが、過去に2回AIを使ったデザインを発表しています。
1回目は、画像生成AI「Midjourney」を使い、2022年9月にニューヨークファッションウィークで作品が披露されました。
2回目は、2023年1月にバレンタインデー向けの新商品を宣伝するため、Midjourneyを使ったコラージュ画像をインスタグラムで公開しました。
Selkie 公式Instagram引用: Instagram
しかし、この際AIを使ったことによる大きな批判を受けました。
Selkieのインスタグラムには「セルキーのドレスは大好きだったが、今後は別デザイナーのドレスを購入します」といった辛辣なコメントが見られます。
Selkieは、インスタグラムのコメントを制限するなどの対応を取りましたが、これがさらに批判を招きました。
また、デザイナーのキンバリーさんがAIの使用を擁護するコメントを出したことも、火に油を注ぐ結果となりました。
カルト的な人気を誇るブランドだからこそ、AIの使用によるファンからの失望や反発が起こったのではないかと思います。
ですが、直近のインスタグラムの投稿を見ると、ファンの肯定的なコメントが多く見られるため、ある程度炎上は収まったと言えます。
広告にAIを活用したブランド
広告デザインにAIを活用したブランドは、以下の3つです。
- VALENTINO
- Casablanca
- MONCLER
詳しく見ていきましょう!
VALENTINO
VALENTINO 24-25AWコレクションより 引用:fashion-press.net
VALENTINO(ヴァレンティノ)は、デザイナーのヴァレンティノ・ガラヴァーニさんとビジネスパートナーのカルロ・ジャメッティさんよって、1960年にイタリア・ローマで創業したブランドです。
若者を中心に、VLTNロゴのアイテムが人気を集めており、世界中で愛されるラグジュアリーブランドとなっています。
そんなVALENTINOは、2023年に「MAISON VALENTINO ESSENTIALS(メゾン ヴァレンティノ エッセンシャル)」という新ラインの広告にAIを活用しました。
引用:VALENTINO
この広告は、Valentinoの過去のキャンペーン画像や、ブランドの特徴的な要素をAIに学習させ、それらをもとにして新しい画像を生成しました。
具体的なAIツールは公表されていませんが、テキストから画像を生成するAIシステムが使われたそうです。
AIを活用したことにより、従来のキャンペーンとは異なるアプローチで新鮮さと革新性をもたらし、ファッション業界で大きな反響を呼びました。
Casablanca
Casablanca 24-25AWコレクションより 引用:fashion-press.net
Casablanca(カサブランカ)は、シャラフ・タジールさんよって、2018年にフランス・パリで創業したブランドです。
テニスクラブの美学とスポーツウェアを融合させた独自のスタイルで、カラフルでエレガントなデザインが特徴的です。
そんなCasablancaは、2023SSの広告で、Midjourneyを使用しました。
Casablanca 公式Instagramより 引用:Instagram
メキシコへの旅からインスピレーションを得て制作されたビジュアルは、Casablancaらしくカラフルでインパクトのあるデザインに仕上がっています。
ですがこの広告、すべてAIが作ったわけではなく、本物のモデルが起用されています。
実際のロケーション撮影は不要でしたが、人間のモデルに服を着せ、ポーズを取らせた状態で撮影を行いました。
そのため、納得のいくデザインにするために何百回も生成を繰り返す必要があり、かなり時間がかかったそうです。
しかし、この方法を使えばモデルのキャスティングや撮影場所の確保が不要になるなど、制作プロセスに変革をもたらしました。
MONCLER
引用:MONCLER
MONCLER(モンクレール)は、レネ・ラミヨンさんとアンドレ・バンサンさんよって、1952年にフランスで創業したブランドです。
アウトドアスポーツウェアの製造から始まり、特にダウンジャケットで世界的に有名なブランドに成長しました。
そんなMONCLERは、2023年のロンドンファッションウィークで、AIを活用した広告キャンペーンを発表。
引用:Maison Meta
このキャンペーンは、ファッション業界におけるAI技術の活用を専門とする「Maison Meta」と、AI技術を活用した広告キャンペーンを手がける「WeSayHi」の協力により制作されました。
AIを使って広告制作をすることで、人間には思いつかない斬新なアイデアが生まれ、ブランドの魅力を高める実例となりました。
モデルにAIを活用したブランド
モデルにAIを活用したブランドは以下の通りです。
- Levi’s
詳しく見ていきましょう!
Levi’s
引用:Levi’s
Levi’s(リーバイス)は、リーバイ・ストラウスさんよって、1853年にアメリカで創業したブランドです。
ゴールドラッシュの時期に、鉱夫たちのために丈夫な作業着を作ることからビジネスを始め、現在では世界を代表するデニムブランドまで成長しました。
そんなLevi’sは、オランダのスタートアップ企業「LALALAND.AI」と提携し、AIで生成された仮想モデルをオンラインサイトに試験導入すると発表。
多様なモデルを迅速に生成し、顧客一人一人のサイズに合わせたモデルが生成されるため、顧客満足度の向上につながっています
引用:news.mynavi
執筆時点(2024年7月)では、まだ本格的に導入はされていませんが、今後の発展に期待です。
しかし、AIを活用したモデルには、批判の声が集まっている事実もあります。
特に、人種や体型の多様性を表現する際、デジタルブラックフェイス(非黒人がオンライン上で黒人の姿・声・表現を模倣または利用すること)のような倫理的な問題が注目されているのです。
また、実際のモデルや関連する制作スタッフの仕事がなくなる可能性があることも懸念されています。
特に、既に過小評価されている多様なモデルがさらに仕事を失うリスクが指摘されています。
これにより、Levi’sが本当に多様性を重視しているのか疑問視されました。
これらの批判に対し、Levi’sは「AIモデルの使用が実際のモデルを置き換えるものではなく、補完的な役割を果たすものである」と強調しました。
また、引き続き多様なモデルを雇用し、実際の写真撮影を行うことを約束しています。
ここまで読んでくださった方へ
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
ファッション業界におけるAIの活用。
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