mame kurogouchi 品番から判別するシーズン、中古相場について|マメクロゴウチ
日本のレディースブランドとして確固たる地位を築き、さらに注目度が上がり続けているブランド、mame kurogouchi(マメクロゴウチ)。
デザイナー、黒河内真衣子さんが手掛ける繊細で瑞々しい表現が特徴のブランドです。
ファッションコンペである「ファッション プライズ オブ トウキョウ」(FPT)の第1回の受賞者として、黒河内真衣子さんが選出されたことを皮切りに、2018-19AWにパリコレデビューを果たし、ユニクロとのコラボレーションなども行うなど、常に注目され、新しいニュースには事欠かないブランドとなっています。
マメクロゴウチとは実際にどういったブランドであるのかを詳しく深堀していくとともに、シーズン判別法や中古相場に関して、焦点を当てていきたいと思います。
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目次
マメクロゴウチ(mame kurogouchi)とは
引用元 FASHION PRESS
mame kurogouchiは、2010年に始まったレディースブランドです。
ブランド発足当初は「mame」というブランド名でした。
「mame」(マメ)という名前は、デザイナーである黒河内さんの学生時代のニックネームが由来となっています。
mame kurogouchiについてはこちらでも解説しています。
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コンセプト
mame kurogouchiは、「現代社会における戦闘服」というコンセプトでブランドをスタートさせました。
このコンセプトには、デザイナー黒河内真衣子による素敵な想いが込められています。
女性は日常生活の中で、「今日の服装どうしよう?」と考えますよね。
例えば、「今日はデートだから」「今日は仕事で大事な案件がある」「気心しれた友人と食事をする」など、それぞれ目的に合わせて服を選ぶというのは、どんな人でも経験することでしょう。
その日々の目的自体を“小さな戦い”ととらえて、「戦闘服」という表現が出てきたというのがこのコンセプトのはじまりだったのです。
そういった、日々の暮らしに彩りを与えるような服作りを目指しているのがmame kurogouchiなのです。
デザイナー、黒河内真衣子
引用元 FASHION HEADLINE
デザイナーである黒河内真衣子さんは長野県出身で、自然が豊かな田舎で育ちました。
植物に触れたり、イメージを膨らませて絵を描いたり、そういった子供時代を過ごしてきたそうです。
そんな子供時代を含むバックグラウンドを大切にして育まれたのが、mame kurogouchiというブランドです。
彼女は地元の高校を卒業した後、文化服装学院に進学します。
その後、三宅デザイン事務所にデザイナーとして入社しました。
そこで、「A-POC」をはじめ、「ISSEY MIYAKE」のパリコレの企画、六本木にあるデザイン美術館「21_21 DESIGN SIGHT」など、服作り以外の多岐にわたるプロジェクトに携わりました。
そこで三宅一生の服作りの哲学を一から学び、そこで学んだことは、今の服作りにも生きているそうです。
その後、独立を果たし、25歳の時に自分のブランドであるmame(マメ)を始めました。
黒河内さんの服作りの特徴として欠かせない一つとして考えられるのが“旅”です。
彼女は小説に出てくる場所に赴いたり、日本各地の伝統工芸の職人たちを訪ねるなどをしていて、それがインスピレーションとなって服作りに落とし込むという手法を用いることがあります。
例えば、ある時は宮本輝の「錦繍」という小説を読みながら、6か月間旅をしたことがあったそうです。
そこで小説に出てくる場所である東北を訪れ、野良着の藍染が印象的だったのを受け、実際に「ブルーのコレクションにしよう」と決めたこともありました。
また、あるシーズンはアメリカの写真家であるウィリアム・エグルストンが70年代に発表した“ニューカラー”というコンセプトにインスピレーションを受けて作成したコレクションもありました。
エグルストンの写真を見て、彼の身の周りにある“日常”をモチーフに写し取っていることに共感したことが、この年のコレクションに反映されました。
このように、黒河内さんは旅をはじめとして、様々なものからインスピレーションを受け、服作りをしています。
毎シーズンのコレクションを見るたびにmame kurogouchiの根幹は変わらずとも、服の多様さを感じることができるブランドといえます。
デザイナー、黒河内さんについてはこちらでも解説しています。
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mame kurogouchiの特徴
mame kurogouchiの特徴として挙げられるのは、女性の身体ラインを美しく見せるカッティングと繊細に作られた刺繍でしょう。
特に定番的に打ち出しているのが、直線を強調するVネックではなく、曲線的に開くのが印象的な首元のネックの作りです。
これには黒河内さんのこだわりがあり、ボディラインを強調することで見えるような女性らしさというよりも、「少しだけ見える手首や首元」といったポイントを重要視しているそうです。
さりげなく見える手首や首元という点にに着目するところは、繊細な感性を持った黒河内さんらしいとも言えるでしょう。
また、ブランドのアイコンともなっているのが、ポリ塩化ビニール(PVC)のバッグです。
引用元 FASHIONSNAP.COM
黒河内さんはもともと東急ハンズが好きで、三宅デザイン事務所の頃から良く通っていたそうです。
地下1階売り場で見つけたポリ塩化ビニールの素材を見て「綺麗だな」と思い、買ったのがこのバッグの始まりでした。
自分自身で切ってモチーフを作ったところ、誰もが知っている素材なのにもかかわらず、デザインやギミックで全く異なるものに見えることが面白いと思ったそうです。
ブランドを始める前には、この素材でコスチュームを作ったこともあったそうで、身近なものや素材を着想源にして、モノづくりをされるというのも非常に興味深いですよね。
PVCバッグについてはこちらでも解説しています。
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内タグの品番から判別できるシーズンについて
次に、内タグに記載されている品番から判別できるシーズンについて説明したいと思います。
mame kurogouchiの内タグには以下のような英数字が記されています。
MM18SS-KN020
MM16AW-SK024
MM16SS-SH013
上記にあるように、最初のMM:mameと推測できます。
また、18SSや16AW、16SSなどはシーズンを表していて容易に判別可能です。
そして、KNやSK、SHはアイテムの種類を表していて、
それぞれ
KN:ニット
SK:スカート
SH:シャツ
…
と判別できます。
このように、mame kurogouchiは他のブランドと比べ、内タグの品番からの判別が容易となっています。
中古相場について
mame kurogouchiは2010年に始まったブランドでもあり、ブランドとしては10周年を超え、すっかり日本を代表するブランドのひとつと言ってもいいくらい、認知度の上がったブランドです。
中古市場での流通量も、当初はかなり少なく、市場で見かけることは多くなかったのですが、少しづつ中古市場で見かける機会も増えてきました。
mame kurogouchiは中古市場でかなり高く評価されていることが多く、発売から数年経ったアイテムであっても総じて高い金額で取引されています。
それにはmame kurogouchi自身が、ブランド価値を毀損しないよう、慎重にものづくりをおこなっているという背景があるかと思います。
そもそも生産段階で需給のバランスを考えているそうで、取扱い店舗を安易に増やしていないのです。
多くのアパレルブランドは、取扱い店舗が多ければ多いほど良いと考える傾向があります。
しかし、供給量が増加すれば商品自体は世に出回りますが、過剰なまでの出回りは逆に危険でもあり、場合によってはセールまで売れ残り、ブランド自体の価値を下げてしまうことも否定できません。
そういったことを防ぐためにも、mame kurogouchiは、需給と供給のバランスを慎重に意識してブランド展開をおこなっていると考えられます。
また、mame kurogouchiは、古くからの顧客や取扱い店舗を非常に大切にしているという側面があります。
人気が出たら多角的に展開し、多くのセレクトショップに販路を広げていくようなブランドのやり方とは異なり、「ブランド立ち上げ時の人気に火がついていない頃から、ブランドの可能性を信じていた取扱い店舗や顧客を大切にする」ということを常に実践しています。
着る人が増えること自体は、ブランドの経営戦略にとっては良いことも多いのかもしれませんが、一概にその戦略に飛びつくことをせず、古くからの顧客、取扱い店舗を大切にし、ブランドづくりをしている黒河内さんの人柄がにじみ出たブランドだと言えるかもしれません。
また、黒河内さんは全国各地にある工場に足を運び、実際に手を動かしてmame kurogouchiを作っている1ピースでもある作り手の人たちと密にコミュニケーションをとっています。
自分のブランドを作り上げる仲間たちを大切にしていることがこのことからもわかるでしょう。
以上のことをふまえると、mame kurogouchiは、「ただ人気があるブランド」という枠組みを超え、「昔から好きなお客様がずっと大事にして着ている」という長年にわたり愛されるブランドといえます。
これまでを少し整理すると、
・そもそも供給バランスを意識して生産している
(安易に多く生産して販路を大幅に広げない)
・古くからのお客様が愛着をもって着ていることが多い
こういった理由から、知名度の割に中古流通量が多くはなく、必然的に中古相場自体も非常に高いものとなっていきます。
シーズンやモデルにもよりますが、mame kurogouchiの中古品は、定価の50~70%ほどで取引されるものが多いのが現状です。
そういったことから、mame kurogouchiは買取において高価買取が見込め、再販価値の非常に高いブランドといえるでしょう。
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まとめ
引用元 FASHION PRESS
ここまで、mame kurogouchiについて解説させていただきました。
印象的な刺繍やカッティングに関しては、唯一無二のブランドかと思います。
また、デザイナー黒河内真衣子のこだわりが非常に感じられるブランドでもあり、mame kurogouchiのインスタグラムを見ると、イメージソースとなったものの写真や実際の工場の様子なども見れるので、チェックしてみるのもいいかもしれません。
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ありがとうございました!